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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

DARKNESS MIND(1)
俺は拍手ネタを入れ替えたぞ!入れ替えたぞジョジョーッ!!
 
それはさておき(温度差)、鬼畜白河と飼い慣らされるマサキのお話です。
私も自分で自分にリクエストをしたということでひとつ宜しくお願いします。
でも短く終わらせるつもりが終わりませんでした!
そこはその書き手の特権ということでひとつ。続きます。
 
文字通りそんな話なので、そういうのが駄目な方は回れ右でお願いします。
あと相変わらず設定だけは凝ってますが、中身はただエロです。本ッ当にただエロです。
<DARKNESS MIND>
 
 神聖ラングラン帝国とバゴニア連邦共和国の私設軍が、国境を挟んで睨み合いを続けているとマサキが聞かされたのは三日ほど前の話だった。
 発端は両国にまたがる自治区にある学校での歴史の授業だった。バゴニア出身の教師が自国よりの持論を展開しているのでは? と子供たちから話を聞いたラングラン側の複数の保護者たちが、学校に授業内容の改善を申し入れたにも関わらず、件の教師の態度が改まらなかった為、懲戒を求めるデモを行ったのだ。
 これにバゴニア側の地方議会が自警団を中心とする私設軍を配置して対抗したものだから、話が穏便に済まなくなった。目には目を、歯には歯を、とラングラン側の地方議会も有志からなる私設軍を投入。それまで自治区住人の自治区内での移動は国境に関係なく自由に行えていたのだが、その国境を挟んで両軍が睨み合いを続けている状態が続いている為、移動が叶わなくなったのだという。
 どちらかというと商店や公共施設といった生活に直結した施設はラングラン側に多く、バゴニア側の自治区住人は不自由を強いられているようだ。
 バゴニア上層部側から申し入れられた「高度な外交取引を伴う話し合い」の末に、『歴史研究委員会を合同で発足させ、その委員会の活動によって、両国にとって正しい歴史観を再構成する』ことで、セニアが手打ちとする決定をくだしたのが約二週間前の話だったらしい。ところが、ここからがこの問題のややこしいところで、上層部で話がついたからといって、両国の地方議会がいうことを聞くとは限らない。特にバゴニア側の地方議会が意地になっているようで、上層部からの勧告に腹を立ててか、自治区に常駐する私設軍の規模を更に大きくしてしまったのだという。
 場合によっては地方議会の解散もやむなし。とにかく自国側の私設軍を退かせたい――というバゴニア側からの要請によって、ラングランとバゴニア両国が共同で現地に魔装機を配備する決定をしたのが三日前。私設軍の武装は銃だけだったが、万が一ということもある。その制圧をバゴニア正規軍が行う間、有事に備えて、バゴニア側の魔装機と共同で周辺地域の警戒にあたって欲しいとの話だった。
 住人たちを避難させ、ラングラン側の私設軍も撤退。自治区を舞台とする制圧戦は呆気なく終わった。そこは私設軍と正規軍の差である。最初の内こそ互角の戦いを繰り広げていた私設軍は、時間が経つにつれて劣勢に追い込まれ、最終的に白旗を掲げるに至った。
 そこに|青銅の魔神《グランゾン》が複数の戦闘型魔装機を従えて姿を現さなければ、そのままマサキは王都へ帰還できたのだ。
 そもそも、シュウ=シラカワという男は、キナ臭い場所を選んで姿を現す傾向がある。「今、あなた方にこの場所を取り戻されては困るのですよ」言うなり、|白亜の機神《サイバスター》に強制捕縛魔法《ゲ・アス》を放ち、その操縦権を奪うと、マサキを人質に自治区を制圧。連れて来た戦闘用魔装機に自治区を任せ、そのままサイバスターごとマサキをバゴニア領内へと連れ去ってしまった。
 そして、マサキはバゴニア領内のいずこかの捕虜収容施設と思しき建物に身柄を拘束されるに至ったのだ。
 それもただ牢に放り込まれるだけではなく、壁に両手を掲げて拘束されるという徹底ぶり。足の自由までは奪われなかったものの、この体勢では足が自由だろうが不自由だろうが関係ない。マサキは考えた。戦役が終わり、ようやく友好関係を築くに至ったラングランとバゴニア。シュウの思惑がどういったものであるかは定かではないが、このままでは再び両国がぶつかり合う事態になりかねない。
 一刻も早く、ここから脱出しなければ。そして自治区を取り戻す。
 天井の隅に監視カメラがある。チカチカと赤色灯を点滅させながら、マサキの姿を捉えている。閉ざされたままの鉄製の扉は上部の開口部に鉄格子が嵌められていて、時折、巡回の兵士の顔が覗く。
 牢内を見渡したマサキは思った。恐らく、ここは拷問用なのだ。
 トイレがないのがその証拠。通常、捕虜の身柄を拘束する牢には、簡易トイレぐらいは用意されている。もう少し待遇のよい牢なら、薄い板一枚ぐらいではあったけれども、ベッドだって用意されている。それらがないということは、別の目的――即ち拷問や隔離に使用される牢だということだ。
 と、いうことは、いずれ一般牢に身柄が移される可能性があるということでもある。マサキは覚悟を決めた。脱出するならその時を狙うしかない。
「いい格好ですね、マサキ」
 鉄格子の向こう側からシュウの顔が覗き、カチャリ、と扉の鍵が開く音がした。兵士をふたり引き連れている。そのふたりに「後は結構ですよ、私がやります。あなた方は扉前の見張りを」と言い放つと、シュウは扉を閉め、マサキの前に立った。
 足蹴りにするには少し遠い距離。そのぐらいは警戒されているらしい。
 カチャリ。外から扉が施錠される音。ふたりの兵士の後頭部が並んでいるのが、鉄格子から窺えた。どうやらふたりはこちらに背を向けて立っているようだ。
「てめえ……一体、どういうつもりでこんなことを」
「言ったでしょう。今、あなた方にあの場所を取り戻されては困ると、ね」
「だったら普通の独房にでも入れやがれ。それとも何だ? 俺に吐かせたい情報でもあるのか? 俺の知っている情報なんて大したもんはねえぜ。任務の依頼を受けただけだからな」
「そうでしょうね。だから人質としての価値しかないだろうとは言ったのですがね……」
 クック、とそこでシュウは笑った。耳障りな低い笑い声。この男は時々、まるで狩りの獲物を目の前にして、それをいたぶるのを愉しみにしているかのような笑い声を放つ。
 気に食わない。マサキはシュウを睨《ね》めつけた。
「だからといって、はいそうですか、と引き下がる訳には行かないのですよ、マサキ」
 シュウは距離を詰めると、膝でマサキの身体を割り、身体を密着させるとその顎を思いきり掴み口を開かせた。一瞬の事にマサキの反応が遅れる。口が閉ざせない。シュウの指先には白い錠剤。小さなそれを喉の奥に押し込まれ、マサキは吐き出すこともできずに嚥下して咽せた。
「自白剤かよ。無駄だって……」
「そんな優しい扱いを私があなたにして差し上げる筈がないでしょう、マサキ。あなたが敵に回るとどれだけ厄介な存在に変わるかを、私は良く知っているというのに」
 そして耳元に口唇を寄せると囁いた。「即効性の催淫剤ですよ」
「ふざけろ……お前、そんなもんを使って何を……」
「何って決まっているでしょう? ただ痛めつけるだけでは面白くない。あそこに監視カメラがあるのがあなたにも見えるでしょう、マサキ。扉には兵士。あなたが嬌声を上げる姿を見てくれる観客には事欠かない。さあ、セニアはどう出るでしょうかね?」
 背中に走った寒気が怖気であることにマサキは気付いた。何てことを企みやがった。マサキはもがいた。しかし両手を鎖で、下半身をシュウの足で押さえ付けられている身体が自由を得ることはない。
 自白剤なら何とでも出来る。セニアだってそこまで胡乱ではないのだ。任務の依頼は最小限の情報だけ。それが情報流出防止に最大の効果を発揮する対応策だと知っているからこそ、彼女はそこから一歩踏み込んだ情報までマサキたちに伝えるような迂闊な真似はしない。
 けれども、ただ狂態を晒させ、それを記録することだけが目的なのだとしたら――。
 無理だ。マサキは思った。薬を使われてまで、その企みに逆らうことなどどうして自分にできよう。そんな訓練は受けていないのだ。それに、知ってしまっている快感がある。目の前のこの憎たらしいまでにマサキを占有して止まない男と、自分は何度も肌を重ねてきているのだ。
「効いてきましたか、マサキ? 大丈夫ですよ。依存性のない薬です。まあ、セニアの出方次第ではそういった更に強力な効果を持つ薬を使うことになるかも知れませんが、今のところはね。貴重な戦力になるかも知れないあなたに廃人になられても困りますから」
 頭が霞みがかったようにぼうっとする。それからそれ程、時間がかからぬ内にマサキの身体から力が抜ける。立っているのもままならない。そんなマサキの様子に気付いたのだろう。シュウの手がマサキの服を捲る。指先が皮膚に触れ、耳介を舌先が舐め上げた。
(――……黙って聞いてください)
 耳元で囁くよりも小さく、シュウの吐息混じりの声がした。
(モニカが捕まりました。呪術的な結界に閉じ込めらられているようで、私たちには手が出せない。セニアにあなたを自治区に寄越すように要請したのは私です。モニカを助け出すまでの間、時間を稼ぐのに協力をしてはいただけませんか? 詳しいことは後でまた説明します)
 言いながら止まない愛撫。その手が足の間を割る。股間を執拗に撫で上げる手に、マサキは吐息混じりの声を放った。「どうです、マサキ? 少しは言うことを聞く気になりましたか?」
 もっと他に手段がなかったのかと思いながら、マサキは力なく首を振った。声を発するだけの気力がもうない。シュウが告白した現在の状況の真否を問うこともできぬまま、マサキはただシュウの愛撫を受け続けることしかできないのだ。
(大丈夫ですよ。催淫剤を使うなんて面白味のない真似を私がする筈がないでしょう。それはただの弛緩剤です。とはいえ、すべきことはきっちりと済まさせていただきますがね)
 なら、この自分の感じている快感は何なんだ。マサキは声を上げそうになった。そんな薬を本物と信じ込んだばかりか、ない効果を感じてしまっている自分は。
「身体は素直に言うことを聞いているようですが、さて……」
 ジーンズが下着ごと擦り落とされる。胸を啄まれながら、男性自身を嬲られてマサキはいやいやと首を振った。目頭が熱い。ちらと鉄格子を窺う。兵士たちは見てはならないと思っているのだろうか。それとも、もしかしたら、男同士の性行為を好んで見たくないだけなのかも知れない。とにかく、こちらを振り返るつもりはないようだ。マサキはほうっと息を吐いた。
 後は監視カメラの映像だ。そう思いながらマサキが監視カメラに目を配ると、赤かった表示灯が緑色に変化している。その瞬間だった。気が逸れたらしいマサキの態度が癇に障ったらしい。シュウがマサキの両足を抱える。
「や……めろ……、お前、本当に……」
「自分の立場を理解していないようですね、マサキ。私はやると言ったからにはやるのですよ。さあ、鳴きなさい」
 声なんて上げてなるものか。マサキは歯を食いしばった。けれども上手く力が入らない。次の瞬間には、シュウの男性自身がマサキの中に入り込んでくる。ああ……マサキは声を上げた。本当にあれは催淫剤ではなかったのか? そう思う程にすんなりと口を吐いて出た喘ぎ声に、マサキは頭を垂れた。こんな情けない表情を見られたくない、その一心で顔を伏せた。
 シュウに貫かれる度に、両手を繋ぐ鎖がギシギシと音を立てる。こんな不条理な展開で、そして理不尽な状況で、シュウに犯されながら感じてしまっている自分。意味がわからない。マサキは混乱しながらも喘ぎ続けた。
「素敵な眺めですよ、マサキ。一度で済ますのが勿体ないくらいにね」
 知っている感覚。マサキは思った。あれはいつのことだったか――思い出そうとすると途端にそこで思考が止まる。上手く思い出せない。けれそも、いつだったかこんな風に、シュウに拘束されて終わりのない快感を与えられた覚えがある。
 それを身体が思い出したのだ。
 ぞくり、とマサキの身体をいっそう強い快楽が駆け抜ける。その果てしのない快楽が、闇が天蓋を覆うようにマサキの理性を喰らい尽くそうと牙を剥く。無理だ。そう思った次の瞬間、マサキはシュウに貫かれたまま意識を失っていた。
 
 
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