これにてこのお話は完結です。お付き合い有難うございました。そして、お待たせして大変に申し訳ございませんでした。もし、この作品の続きがあったとしたら、インターネッツ老人会ネタですね。笑 「そんなことよりちょっと聞いてくれよ1よ」だの「半年ROMれ」だの「おめでてーな」だのネットで煽りに煽りまくる白河……誰だこの話を考えたの(私です)。
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自分は駄目で他はいいとなると、それはもう甲児に色々と疑えと言っているようなものでしかない。どうもシュウは、甲児とマサキの仲がいいのをいいことに、甲児にだけはその関係を知られてもいいと思っている節がある。
だというのに、このおめでたいマジンガーZの操縦者は、ぴくんとその言葉に反応すると、
「ありがとうござい! ええ、ええ。そうさせていただきますとも」
と、喜色満面の笑みを浮かべ、小躍りしながらシュウの船室を後にしてしまった。
「俺は駄目で他はいいのかよ」
「勿論ですよ」シュウは船室のドアを閉める。「あなたの裸体を、遮蔽物に遮られているとはいえ、衆目の元に晒すなど考えられない。それともあなたはそういった事《プレイ》がお好みですか?」
マサキは首を振った。
「まあ、なんだ。その、相手が甲ちゃんだからといって油断は禁物ってことだな」
「おかしいと思ったのですよ。ダウンロードしたファイルに見覚えのある場所が写っていたのですから。一体誰が、と思いましたが、よくよく考えなくとも、そんなことをしそうな人物は他にはいない。あなたがそんな行為を許しそうな相手もね」
恐らく、その考えに至ったシュウは急いで船室を出たのだろう。ドアを閉めるのも、ノートブックを閉じるのも忘れる勢いで。そして甲児の船室に乗り込むと、そのメールアドレスを変えさせた。
「でも、お前のノートブックにそのファイルがなかったんだが」
「そのファイルでしたら私のハンディフォンに移動済ですよ」
「はあ!? 何の為にそんなこと」
小さく声を上げて笑ったシュウの手がやんわりとマサキの頬を撫でる。
「お守りにするのですよ。貴重なあなたのシャワー姿。これ以上のお守りがどこにありますか」
至極当然と言ってのけたシュウに、マサキは盛大に顔を歪めてみせた。
<了>
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