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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

シュウマサでオメガバース(没ネタ編)
流石に雰囲気ぶち壊しになると思って自粛したネタを。
さっくりと終わります。
<誘われて>

 擦れ違いざま。互いの使い魔に聞こえぬような声で寝室に来るようにと告げられたマサキの胸は高鳴った。
 既にふたりに肉体関係があるのは、互いの使い魔には知れていたことだったけれども、そこは謹厳な彼の性格の表れであるのか。それともそれもひとつのけじめの形であるのか。彼に誘いかけられるのはいつだって密やかに。使い魔たちに悟られぬような形で行われるのが常だった。
 リビングでテレビに熱中している使い魔たち。今なら気付かれずに寝室に入れるだろう。シャワーを浴びようかどうしようか悩んだものの、あまり待たせて彼の気が削がれてしまっては本末転倒だ。いつも自分から誘いかけてばかりのマサキは、珍しくも彼からあったアクションに浮足立っていた。
 シュウ? 寝室のカーテンは外からの視界を防ぐ為に閉ざされている。いよいよ高まる期待。マサキは廊下の明かりが差し込む室内に足を踏み入れ、既にベッドの上で待ち構えている彼の許に向かった。ほら、ベッドに上がると同時に引かれる手。ベッドの柵に凭れるように座らされたマサキの口唇に、早速とシュウが口付けてくる。脳が溶けるほどに気持ちがいい。濡れた彼の舌を味わいながら、マサキはこれから訪れ来る時間に想像を巡らせた。
 するりとシャツの中に忍んでくる手が、口付けの下。拙速にも乳首を弄び始める。いつも愛撫に長い時間をかけてくる男にしてはらしくないと思いながらも、敏感な肌が早くも反応をみせる。硬さを増す乳首。口付けを止めたシュウの頭が鎖骨の下へと降りてゆく。あっ、ん……シュウの口唇から伝わってくる柔らかな感触に、マサキは小さく声を上げた。
 気持ちいい? 尋ねられて頷くと、ここは? 股間を撫で上げられる。次いで抜き取られるジーンズ。露わになった男性器をゆるく扱きながら、続けて乳首を吸ってくるシュウに、マサキは幾度も腰を跳ねさせた。あ、いい。イク。もう、イクって……どうして彼の愛撫はこんなにも自らの身体を溶かすのだろう。快楽に疼きを強めるアナルが彼を欲しがって収縮している。染み出した愛液を指で掬い上げたシュウは、そろそろ頃合いだと感じたようだ。マサキの男性器にスキンを被せてきた。
 そうしておもむろに蕾の中に指を挿し入れてくる。
 あ、あ。軽く曲げられた指の先が男性器の裏側を嬲った。陰嚢の底に疼きが溜まる。マサキは激しく腰を揺すって、彼の指をより深く引き込もうと試みた。もどかしくて焦れったい。だのに気持ちが良くてどうしようもない。あっ、あ、ん……。甘ったるい声が響くばかりとなった寝室で、マサキはひたすらによがった。
 早くあの快感が欲しい。|挿入《いれ》て。シュウ、もう|挿入《いれ》て。声を上げてせがむも、彼はそう簡単にはマサキの望みを叶えてはくれない。だらしくなく開いた脚にはもう力が入らなくなりつつあるというのに、その手技でマサキを追い詰めてゆくばかりだ。
 ――あ、あ、ああっ。イイっ。イク、イク、イク。
 我慢の限界を迎えたマサキは、細く高い声を上げながらその精を放った。あ、あ。快感の余韻に身体が震え、荒ぶった呼吸に胸板が忙しなく上下する。そのマサキの口唇に軽く口付けたシュウは、マサキの男性器からスキンを外しながら、うっすらと。満足げな笑みを浮かべてみせた。
「これで研究が一歩先に進みそうですよ、マサキ」
 云われた言葉に上手く頭が働かないながらも、どういう意味だとマサキは尋ねた。
「Ωの生殖機能を調べる為にも、精子の量を確認したかったのですよ」
 そしてベッドから離れたシュウは、寝室から出るその瞬間にマサキを振り返って、残酷にもこう続けてゆくのだ。続きはあなたの精子の分析が終わってからにしましょう、マサキ――と。


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