すっごい眠くて作業どころではないので、お詫びを兼ねてお題を引きました。
お題:シュウマサで「二人で一から始めよう」とかどうでしょう。
お題:シュウマサで「二人で一から始めよう」とかどうでしょう。
テーマお題でいちゃいちゃさせったー(https://shindanmaker.com/531520)
実はこの一か月ほど一週間に一度の割合で少量の出血が起こってましてね。@kyoさん、PMSで眠気と倦怠感が強く出る人なので、もう毎週眠気で大騒ぎなんですよ。
アガるって大変なことなんですね。
早くこの辛さから解放されて、更年期も卒業したい。そんなことを考える昨今なのでした。
と、いったところで本文へどうぞ。お詫びなのでさっくり終わります。
実はこの一か月ほど一週間に一度の割合で少量の出血が起こってましてね。@kyoさん、PMSで眠気と倦怠感が強く出る人なので、もう毎週眠気で大騒ぎなんですよ。
アガるって大変なことなんですね。
早くこの辛さから解放されて、更年期も卒業したい。そんなことを考える昨今なのでした。
と、いったところで本文へどうぞ。お詫びなのでさっくり終わります。
<二人で一からはじめよう>
酷い喧嘩をしてしまった。
三ヶ月ぶりの大喧嘩に家を飛び出して行ったマサキを案じながら、シュウはソファの上でひとり、どうすればこういった事態を二度と起こさずに済むものかと考えていた。
終わった話を蒸し返されたり、同じ忠言を繰り返されることを嫌うマサキは、それも魔装機神の操縦者に求められる資質のひとつであるからだろう。感情的になり易く、激高し易い。それを寛容に受け止めてやるのが年長者としての務めである。わかってはいても、時に話を大きく飛躍させたり、時に関係ない話と結び付けて非難を始めるマサキに物を云い聞かせるのは至難の業だ。
始まりは些細なこと。三日ほど家にいる割には、トレーニングらしいトレーニングをしていないマサキに、そろそろ身体を動かしてはどうかと運動や稽古を勧めた。笑って受け流したマサキに重ねて云ったのが良くなかったようだ。誰の所為で腰がまともに動かないと思ってるんだよ。恐らくは、虫の居所も良くなかったのだろう。憮然とした表情で云い放ったマサキに、私があなたを労わってないとでも? シュウはついきつい物云いをしてしまった。
喧嘩のきっかけなどいつもその程度だ。家の壊れた鍵を直す直さない。家に帰れいや帰らないといった。そして始まるマサキの飛躍した理論。大体お前はから始まるマサキの非難の言葉を、シュウがいなせるだけの余裕を持てばいいだけの話なのはわかっている。だのに続く売り言葉に買い言葉。全く不合理だ。シュウは自らの幼さに溜息を洩らす。
三日もいたのだ。もしかするとそのまま王都に戻ってしまうこともあり得る。シュウは仕方なしに立ち上がった。ソファの上に開きっ放しになっている読みかけの雑誌、背もたれに引っ掛けられたままの替えの上着、冷蔵庫の中に眠る食べかけの菓子……部屋に残る彼の痕跡を、いつまた来るかもわからないからこそ片付けなければ。そう思って、先ずは雑誌と手を付けた瞬間だった。
カタン、玄関扉が開く音がした。
そうっと扉を開いたに違いない物音。喧嘩の後はいつもそうだ。気まずさも露わにそっと家に戻って来るマサキを、シュウは幾度こうして迎え入れただろう。意気消沈したような足音。程なくしてリビングに姿を現わしたマサキに、お帰りなさい。シュウはそう声をかけてキッチンへと向かった。
「何を飲みますか」
「アイスティーがいい」
謝罪の言葉など必要なかった。繰り返される喧嘩をいつまでも根に持って、ひたすら相手が折れるのを待つような根競べをするほど、マサキもシュウも幼くはない。互いに反省することを覚え、相手を許すことを知ったからこそ、喧嘩の前の時間の続きから始めることが出来るようになった。それはもしかすると、他人の目からすれば、諍いの原因に蓋をしているだけのように映ったやも知れない。シュウはマサキの為にアイスティーを用意してやりながら、馬鹿々々しい。そう自らのくだらぬ者煩いを払拭した。
他人に在り方を決められるほど、マサキもシュウも未熟ではなくなったのだ。
「後で散歩に行かないか」
「珍しい。あなたがそういった風に私を誘うなんて」
「死ぬほど空が綺麗なんだ。いつもと変わりない空の筈なのに、凄く色鮮やかに見える」
氷で冷やしたアイスティーの入ったグラスを、ソファに腰を落ち着けたマサキに渡してやる。そしてシュウは窓の外を見遣った。厚くも白い雲が勢い良く流れてゆく青空。今日のラングランの気候は少しばかり暑い。夏ほどまでとは行かなくとも、マサキがジャケットを脱いで半袖になる程度の陽気。
じきに夏が来る。
シュウは目を伏せた。肌を露出させたくないシュウとしては、一年で一番不快な季節であった筈の夏。けれどもそれが今では愛おしさすら感じるまでに好ましい季節と感じ始めている。
それもこれもマサキがそこにいるからだ。
熱し易いマサキに一番似合う季節の到来。溌溂と動き回る彼の姿は、世界が色を増し、日常を鮮やかに彩る季節にこそ相応しい――。いいですよ。空を眺めに行きましょう。あなたと一緒に。目を開いてマサキを振り返ってそう云うと、彼はいつの間にそんな表情をするのかと思うほどに柔らかく微笑んでみせた。
こうして何度でも、そう、何度でも、シュウはマサキとふたりで、一からふたりの時間を積み重ねてゆくのだ。喧嘩で壊れてしまった時間を、崩れた積み木をまた積み重ねるように。
ありがとう、とマサキが云う。
何もあなたにお礼を云われるようなことはしていませんよ。シュウは笑って、マサキと散歩に出る準備をすべく、壁に掛かっているジャケットを手に取った。
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