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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

悪役令嬢の中の人
滅茶苦茶良かったです。



Xで何気なくTLに流れてきたプロモーション。ちょっと面白そうだと思っていたら、その次の日にはトレンドランキング入りを果たした「悪役令嬢の中の人」。
そこでの熱いレビューの数々に、「よーしわかった!読もうじゃないか!」とコミカライズ版を読んだらこれが滅法面白い。
続きが気になったのでなろうに飛び、なろう版を読み始めたらやっぱり面白い。これは手元に置いておいてもいいんじゃないかということでAmazonに飛んだら、小説版の1は在庫切れ。で、先に番外編集となっている2を買ったんですね。

ここまでが九月の話。

で、先日欲しいものリストを消化しようと思ってリストを眺めていたら、1が注文出来る状態になってるじゃありませんか!ということで早速ぽちり☆日曜に届いたので読みました。

2は加筆がかなりあったのですが、1の方は多分ないんですよね。それでも面白いものは面白い。一気に駆け抜けるようにして読みました。これはコミカライズ版も買うかもしれない。そのぐらいにお気に入りです。

先ずはあらすじ。

或る日を境に意識の底に押し込められてしまった悪役令嬢の中の人レミリア。初めは自分の身体を乗っ取ったエミに憎らしさを感じもするのですが、彼女の意識に触れるにつれ、自分という「乙女ゲームの中の悪役」を大事にしててくれているエミに愛情を抱くことになります。
けれども、レミリアを幸せにするために奮闘し続けていたエミは、ゲームヒロイン(こちらも転生者)の謀略に嵌められ、信じていた人々から断罪されてしまいます。努力の甲斐なく迎えたバッドな結末にショックを受けたエミは心を閉ざしてしまい、結果、久しぶりにレミリアが表に出てくることとなったのですが……

この話の凄いところは、「中の人」に焦点を当てたところなんですよ。私、偉そうに語れるほどにはなろう系(異世界転生系)を読んでないのですが、それでもどの話も確かに、どこかに追いやられてしまった中の人に触れていない。そう、「あれ?もしかしてこれゲームの世界?→私ゲームの〇〇になってる!→バッドエンドを回避する為にゲーム知識と現実世界の知識を利用してなんとかしなきゃ」これが王道ストーリー。君ら順応能力凄いね……

誰も乗っ取られた側のことなんて気にしちゃいねえ!

ここに着目したのがとにかく凄い。しかも悪役令嬢側ですよ。実はいい人だったなんてパターンじゃない。彼女は残虐非道なことにも平気で手を染める立派な悪役です。ただ、ひとつ違ったのは、表に出てきた時点で自分を乗っ取った側のエミに深くて重い愛情を捧げるようになっていたこと!

かくて「私のエミ」を傷付けた連中への、中の人「レミリア」の復讐劇が始まるんですよ!

正直に云うと、読める文章ではありますが、拙い部分も目立ちます。これはなろう系全般に云えることですが、全体的に描写やストーリー進行があっさりしているんですよね。だけど面白い!まさしく設定の妙!勢いで読ませてしまう魅力に溢れている!

――エミのレミリアだったらきっとこうするわ。

全編に漂うこのノリですよ!これが滅茶苦茶気持ちいい!
全然ぶれない悪役令嬢が格好良く見えて仕方がなくなる物語です。

復讐はかなりえぐかったりするのですが、私にとっては「ふわふわした綿菓子のように甘くて温かくて気持ちのいい物語」でした。えぐさがえぐぐ感じられないっていうかね。ただただレミリア様の素晴らしさ(一途さ)を堪能する物語っていうかね。

愛してくれた人に真っ直ぐに一途な愛を捧げるレミリア様は美しいのですよ。

っていうか、「推しを全力で推したら、推しが全力で応えてくれた」とか、こんなハッピーな物語あります???それを異世界転生且つ悪役令嬢ものに入れ込んだ!なんて贅沢!

云い切っちゃいますけど、これは推し活がメジャーになった現代だからこそ名作になった物語なんです!
そりゃ皆様、あんなに熱いレビューを投下しもしますよね!!!!!私もこの気持ちを語れる文才が欲しい!欲しい!欲しい!そしたら滅茶苦茶語り倒したい!!!!

そんな素晴らしい物語でした。これは売れるわ。




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