今の作業場って昔とは大分違ってきてて、業務内容も多岐に渡るようになったんですよ。
私が今のA型作業場に決めるまでにはかなり見学を重ねたんですよ。全部で7か所。埼玉と千葉で片道40分圏内で見て回りました。それだけ見学をすると、スケジュール調整が難しく、決まるまでに二ヶ月以上かかっています。
当初の希望では通勤30分圏内だったんですが、その範囲内になる近隣三市はA型が少ないんですよね。しかも私の希望は「持っているスキルを維持し(或いは伸ばし)つつ、新たなスキルを獲得出来る場所」でしたので、よくある一極集中型の作業場では駄目な訳です。だから、就労センターの担当者さんも「もうちょっと範囲を広げませんか」というアドバイスをされたのではないか?と思っているのですが、そのアドバイスに従って、範囲を片道40分に広げてあちこち見に行った結果、色々なA型作業場を目にすることが出来ました!
あるところは生産作業とオークション出品作業。
あるところは軽作業&PCデータ入力作業&施設外作業。
あるところは所内での軽作業オンリー。
一般就労支援に凄く力を入れているところもあり、面接支援や履歴作成支援は勿論のこと「一般に定着しきるまでは何度出戻ってきてもいい」なんて破格の条件のところもありました。(A型は普通の会社と構造が一緒になりますので、基本的に一度辞めると出戻りが出来ません)
一般就労を最終目的としている@kyoさんとしては、通勤時間が短いということもあり、そこには大分心を惹かれたのですが、残念ながら軽作業オンリーだったのですよね。私が目標のひとつに掲げていた「一般就労に向けて苦手なスキル(PC業務)を伸ばす」が叶えられないので諦めることとしました。
それと比べるとうちの会社は最初の印象はあまり良くなかったんです。最初に見学に行ったのはうちから近い別の事業所だったんですが、サビ管さんがあんまり積極的ではなかったんですね。笑 利用者さんも名刺の入力作業しかしてなかったですし。で、私の希望を聞いたサビ管さんが、「それだったら別の事業所の方が希望に合っていると思います」って今の事業所を紹介してくれたんですよ。
その時点で今の事業所のハロワの求職票のチェックもしていたんですが、「自転車部品の組み立て作業」ってあったので、メインはそっちなんだろうと思い込んでいたんですよ。とはいえ適していると紹介された場所です。ならついでに見てみるか。ぐらいの気持ちで見学することにしました。
正直期待はしていませんでした。
でもね、求人票。あれは嘘ですね。だって実際に行ってみたら、色んな作業をやっているんですよ!医療用具のパッキングでしょ。ネイルチップの制作でしょ。コラムを作成している人もいれば、サイトチェックをやっている人もいるし、文字起こしをやっている人もいる。え?これ飽きっぽい私に滅茶苦茶向いている作業場なのでは???と、ピンときてしまった。
とはいえ、片道一時間です。悩みはしました。
それで通勤が楽なところで積極的に来てくれと云われていたところと、ここを実際に体験してみることにしたんですね。前者は三日間、うちは五日間の体験でしたが、決め手となったのはうちで最後にお礼の挨拶をした時に、拍手をしてもらったことでした。ここでならやっていける。そう思ったんですよね。
で、@kyoさんの華麗なるA型ライフが幕を開けた訳です。
三年目に入った@kyoさんの環境は随分変わりました。通い始めて一年半経ったところで新規立ち上げの部署のスタートメンバーに選ばれました。通所する場所がちょっと近くなりましたが、業務の難易度は上がりました。二年半が経つ頃には専任になり、施設外業務がなくなりました。
同時期に法改正があり、A型作業場は「生産性を上げる」方向へと転換を迫られるようになりました。
ここをどう乗り越えるかは各作業場でまた異なると思いますが、我が作業場はDX化に舵を切りました。打ち合わせから納品まで全てオンラインで済む業務を請け負うことで効率化を図り、請け負う業務の数を増やそうという算段です。
では、実際に何をしているのか?
同じくDX方面に作業の舵を切ったA型で良く効くのは「webサイトのコーディング」や「LINEスタンプなどのデザイン」ですが、うちはちょっと違います。パイを奪い合うのではなく、隙間を取る。なるべく全員が効率的に仕事を出来るような業務で、生産量を上げようという魂胆です。
例えば「webサイトのコーディング」はやれる人が限られるけれども、「ノーコードで制作する」のであればやれる人がかなり増えますよね。そういうことです。やれる人には更に上を目指してもらいつつ、単純作業を更に単純化してゆく。
私は関わることが全くなくなってしまった所属事業所ですが、そこでは所内軽作業や施設外軽作業を走らせつつ、以下のDX業務を請け負っています。
・アノテーション業務
・サイト制作(ノーコード、WP)業務
・データ入力業務
アノテーションはAI学習用のデータ作成になります。AI学習用に画像処理やテキスト整形を行います。
サイト制作はコーデイングが出来る人がいないので、ノーコードかWPでの制作です。ちなみにデザインもこちらで行います。支援員さんが中心となって利用者もデザイン制作をしています!
データ入力は以前と比べると大分複雑化しました。項目が多くなったのみならず、こちらで判断して入力しなければならない項目も増えました。代わりに単価が上がったので、難しいPC作業がこなせない人用に重宝しているようです。
他にもテレアポや営業データ作成、営業メール送信といった作業もあります。余所ではあんまりないことだと思いますが、うち、営業は利用者がデータを作成して、メールの送信までやるので(その後の交渉は支援員さんがやります)、取った業務に責任感が生まれ易いんですよね。自分たちでリストアップした企業さんの業務請負なので、やらされている感が減るんです。
これに対して、私がいる部署はDXオンリーです。全てがオンラインで完結する世界なので、日本全国津々浦々の企業の業務を請け負っています。業務内容は以下になります。
・サイトチェック業務
・サイト移行業務
・web広告制作
・ソフトウェアやwebシステムのバグチェック
NDAに抵触しちゃうのでどこの仕事をやったとかは云えないのですが、かなりの数の大企業のサイトチェック業務に携わらせていただけており、毎回「マジか?ここのサイトのチェックやれるの?」とテンアゲで仕事をさせていただいています。
勿論、小さいサイトだからって手は抜きませんよ!どこのWEB屋さんも流石はプロな素晴らしいコーディングやデザインをされているので、自分のサイトに生かすべく目を光らせる毎日です。笑
いや、本当に為になるんですよ。
ただCSSを勉強するより、やれることがわかった上でやった方が学習効率は上がります。プロの方が作っているサイトを見ると、「ここはこうやって処理してるんだ」とか、「ここは何故こう処理しているんだろう?」という気付きがあるんですよね。それを自サイトに活かそうと勉強を重ねる日々。そりゃ業務も捗るってもんです。私には本当にこの業務、天職だと感じております。笑
バグチエックは情報技術科卒のプライドを懸けた戦いです。笑 ここは恐らくこう処理している筈だから、こういうバグが出るんじゃないか? その読みが当った瞬間の快感!堪らないですね!逆に何もバグを出せなかった日は落ち込みますが、プロがどうプログラムを組んでいるのかが感じ取れるので、私はこの業務も大好きです。
移行作業は多少のHTMLやCSSの知識が必要になります。企業さんによってこちらに求めるレベルが異なるので、確認は怠れません。場所によってはお任せなんてところもありますので、培った知識と技術でそれっぽく作り上げます。笑
web広告はアオリ文も私たちで考えています。バズっているのを見ると嬉しい半面、あんまり反応がないのを目にしてしまうとちょっと複雑です。ただ私は負けず嫌いなので、闘志が湧きますね。次こそは!という気になります。
そんな感じで我が作業場のお仕事を紹介してみました。
法改正後一年が経過し、環境が大分変りましたね。利用者も大分入れ替わりました。生産性第一となってしまった以上は仕方のないことなのですが、昔のゆったりとした雰囲気が懐かしくもあります。とはいえ働く場所を失う訳にはいきませんからね!今後もチャレンジを重ねて、更なる飛躍をしていけたらと思う次第です。
今年からは段階的な法改正が進むとあって、B型作業場が試練の時を迎えると云われています。
とはいえ、B型は工賃制じゃないですか。しかも「働くこと」を目的にしている人ばかりではないのですよ。私が支援員をしていた作業場では「社会と繋がりたい」という目的の人の方が多かったぐらいです。そりゃそうですよ。いきなり就労なんて、これまで家に篭らざるを得なかった人たちにはハードル高過ぎるじゃないですか。
ですから、ここには生産性などというクソつまらない理論を持ち込まないで欲しいなと思いつつ、福祉を削っていっている自公民政権では期待が出来ないのもわかっています。今の政権の流れは、「とにかく障害者を社会に出したい」ですからね。その為には先ず企業側へのアプローチ(障害者雇用の場をきちんと整える)が必要不可欠なのに、法定雇用率を上げるばかり。これじゃあ障害者も企業も疲弊するばかりです。
皆さまにおかれましては、その点を心に留めておいていただけますと幸いです。
そんな感じで今日の日記はおしまい!
ではでは!
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