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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

長瀬くんのこと
翼くんが退所の時に翼くんの話を書いたのに他のことをは書かないの、と思ったり思われたりするのもアレなので書きます。昔にも書いた話ですし、私の記憶用でもあるので、読まなくとも結構です。
 
次は森田くんのことを書きます。いつか剛くんのことも書く日がくるのかなあ。
二十代のいつの時だか忘れてしまった。私がDTMを始めてからのことなのは間違いない。高校時代のクラスメイトを紹介してくれと光一から電話があった。
どうやら同じく元クラスメイトであった(光一にとっては兄、私にとっては幼馴染みでもあった)私の元夫から聞きつけたらしい。「自分だって元クラスメイトなんだから、自分でやればいいのに」と、思ったりもしたのだけれど、高校三年間を通して私の方が彼と親しかったからなのだろう。私の顔を立ててくれたに違いない。そう思うことにした。
 
「紹介って、何で?」
「長瀬くんがDTM始めたいんだって」
 
えー……? 私は脳内をフル回転させ始めた。クラスメイトは高校入学とほぼ同時にDTMにハマり、高校卒業後は音楽の専門学校に進学。そこで能力を認められ、その学校の講師を務めるまでなっていた。
これだけ見れば、ジャニーズアイドルに紹介するのにも遜色ない経歴に見えるかも知れない。けれども私は知っているのだ。クラスメイトが誰に影響を受けてDTM沼に落ちていったのか。
 
高校の音楽の教師。
 
彼は最初の音楽の授業で「私は音楽の授業はしません」と宣言をした。「授業中は好きに寝て結構。テスト前にはテストに出す問題一覧を解答付きで渡します。何故ならあなたたちに音楽が理解できるとは思わないから」そんなことを云ってのけた。
じゃあ音楽の授業をしないのなら何をするのかと云うと、ひたすら彼が喋るのである。話題は彼のポリシーに関わることが大半。そして時々、今日の一曲をかけてくれる。
この一曲が曲者でピンク・フロイドだったりジョン・ケーシーだったりととにかくフリーダム。何故かパッヘルベルのカノンがかかったこともあったけれど、その日の彼のトークが音楽に関するものだったかというと、恐らくそんなことはなかった筈だ。
高校の設立に関わった初代校長が頭を下げて引っ張ってきた人材だけあって、かなり奔放に振る舞える立場にあったらしい彼は、今は無き総合音楽部の顧問をしていた。そこで三年間みっちしごかれたのがクラスメイトだ。それは私の脳も、”長瀬くんを汚染させる訳にはいかない”という方向にフル回転を始める筈である。
 
(アレを紹介しろとか元夫もさー……少し考えればジャニーズに入れちゃいけない色だってわかるでしょうよー……)
 
とはいえ、きちんと起きて彼の”授業”を聞いていた私と違って、ひたすら眠りを貪っていた元夫では、彼に対する印象が違うのも無理はない。そしてそれが彼の弟子たるクラスメイトへの認識の差となって現れてもおかしくない。
 
(ホント何でこんな面倒臭いことになっちゃったんだろうなー……)
 
幼馴染且つ元夫の弟且つ自分が名前を付けた子供がジャニーズアイドルになってしまったという現実を最初から受け入れたくなかった(それどころか子供の頃から大いにその阻止を企んでいた)私は、自分と自分の周りの人間たちの「おかしさ」を自覚していたからこそ、ジャニーズアイドルたる彼らをこちら側の世界には近付けたくなかったのだ。
 
「別に彼を紹介しなくとも、DTMは始められるわよ?」
「そうなの?」
 
YAMAHAのXG音源と出会ったことでDTMの世界に目覚めた私は、独学でコード進行を学び、独学で作曲をするようになっていた。今振り返れば稚拙な作品ばかりだったけれども、私にとってはどれも可愛い子供たちだった。
そんな風に独りでもやれば出来ることを知っていた私は、「むしろ最初は自分の色を生かす為にもそこから始めて、後々きちんとした先生を得た方がいいのではないだろうか」甘ったれにもそんなことを考えたものだ。
 
「事務所でそういった先生は探してもらえないの?」
「うち、そういうのは自分たちでやれ、なんだよね」
 
えー? じゃあ何? マネジメントしかしないってこと? アイドルの寿命を伸ばす為には、そういった教育も必要だと思うんだけど……光一の思いがけない事務所の内情暴露に驚きつつ、それだったら尚のこと自分で学ぶことが大事になるだろうと考えた私は、銀座にある山野楽器の本店を教えることにした。有楽町で働いていた時に、この店によくDTM機器を見に行っていたからだ。
 
「店員さんに初めてなことを告げて、どの辺を使えばいいか聞きなさい。大丈夫。店員さんはちゃんとわかっているから」
 
そんな内容のことを云うと、「わかった。行ってみる」光一は幾分、緊張したような様子でそう云ったものだった。
 
※ ※ ※
 
暫くしてまた光一から連絡があった。どうやら長瀬くんと一緒に銀座に行ってきたらしい。
 
「店員さんが凄く親切でね、初めてでしたらこの辺はどうですか?って丁寧に教えてくれてね……」
 
それでね、あれでね、と子供のように無邪気に話をする光一に、あなたたちが楽しかったのならそれでいいのよ、と私は思った。何を始めるにしても、自分で手探りで始める段階が一番楽しいのだ。それを経験させてあげられてよかった。ここからはもっと楽しい時間が待っている……でも、と興奮しきりな光一に私はちょっとだけ気がかりだったりもしたものだ。
 
あなたは充分に楽しんだみたいだけれど、長瀬くんはどうだったの?
 
その後の長瀬くんがどういった道を辿ったのかわからないけれども、テレビ番組で長瀬くんの仕事部屋が紹介されたときに、部屋に揃っていたDTM機器を見て、私はこの時の自分の判断は間違っていなかったと改めて思ったものだった。
 
※ ※ ※
 
私はリアルで長瀬くんと会ったことはない。
 
この後、光一が私の仕事先に長瀬くんと松本くんを連れて来てしまったことがあったのだけれど、その時の光一の用件が「車に長瀬くんたちを待たせているから、仕事が終わったら一緒に食事をしよう」という恐ろしいものであった為、理由を付けて顔を合わせることを避けてしまったのだ。
一緒に働いていた他の子たちは「私だったら絶対に行く!」と息巻いていたけれど、いやね、あなた方ね、ちょっと想像してみてくださいよ。顔面が国宝級の男ふたりと(光一は数に入っていない。私には光一の顔は(´・ω・`)に見えるのだ)容姿が微妙な女が一緒に食事をしている光景ですよ? あなたファンだったらどう思います?
 
無理でしょ!ホントそんなの絶対に無理!あの顔の前に私の顔を晒せ!?
私は恥を知っているのよ!!!!!!!
 
 
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