ラブラブしているシュウマサ書くのは楽しいなあ!!!!(挨拶)
ここのところシフトの関係で毎日の活動が難しかったんですけど、やっぱり私には彼らとともにある生活が必要なんですよ。心の穏やかさが違う!これよこれなのよ私の日常は!
白河って暇さえあれば研究に時間を費やしているインドア人間(その割には人間関係をアクティブに構築しようとするところがありますが)なんですけど、だからこそ力いっぱい遊んでいる白河が見たかったんですよね。前回、それを叶えられたので、私としては「もうこの話に求めることは何もない」ってくらい満足してしまいました。
5万字+8万字の文字数は彼にそうさせるだけの根拠を与える時間だったのかも知れません。
と、いったところで本文へどうぞ!
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ここのところシフトの関係で毎日の活動が難しかったんですけど、やっぱり私には彼らとともにある生活が必要なんですよ。心の穏やかさが違う!これよこれなのよ私の日常は!
白河って暇さえあれば研究に時間を費やしているインドア人間(その割には人間関係をアクティブに構築しようとするところがありますが)なんですけど、だからこそ力いっぱい遊んでいる白河が見たかったんですよね。前回、それを叶えられたので、私としては「もうこの話に求めることは何もない」ってくらい満足してしまいました。
5万字+8万字の文字数は彼にそうさせるだけの根拠を与える時間だったのかも知れません。
と、いったところで本文へどうぞ!
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<Lotta Love>
始まりは敵だった。
斃すべき敵、シュウ=シラカワ。マサキの養父の命を奪い、壊滅した王都でマサキの自尊心を打ち砕いてみせた男は、追い縋るマサキの存在には目もくれずに地上へと姿を消した。圧倒的な能力差。ようやく得た心の拠り所を失ったマサキは、それを思い知らされてもシュウを追うことしか出来なかった。
全てを賭して戦うことでしか、償えない。
自身とサイバスターの能力に思い上がっていたマサキは、己の慢心が招いた取り返しの付かない事態に動揺していたのだ。
無力さに苛まれた日々。杳として知れぬ彼の行方を手探りで探し続けた。喪ったものを取り戻せないことはわかっていても、そうすることでしかマサキは自分を救えなかった。失われた自尊心、傷付けられた誇り、そして二度と還ることの出来ない輝ける日々に対する執着心が、マサキの闘争心を駆り立て続けた。思えばあの頃のマサキは、突き付けられた現実に対するやりきれなさをぶつける相手を探していたのだろうと思う。
そういった意味で、シュウ以上に適した相手はいなかった。
ラセツであったり、ゼツであったり、ルオゾールであったりと、あの頃のマサキには戦わなければならない敵が数多くいたけれども、その中でマサキが敢えてシュウを選んだのは、目に見える直接的な被害をマサキに齎したという事実は勿論のことだったが、それ以上に彼の不合理な振る舞いに直感的な危機感をマサキが覚えたからだった。
決して敵意を剥き出しにすることのない男。それどころかマサキなど相手の内にも入らぬと感じているようでもあった彼は、そうした態度を隠そうともしなかった。顔を合わせれば合わせただけ逆撫でされる神経は、決してマサキの精神状態を健全には保ってくれなかったが、今思えば、むしろそうであったからこそ、彼――というより、彼の中に潜んでいた破壊神サーヴァ=ヴォルクルスの野望を食い止められたのだ。
彼は決定的にマサキと対立することを避けた。わざわざそうしなくとも世界を滅亡へと導くのは容易いとばかりに、マサキの存在を見逃しては自身の欲望に邁進した。もしかするとそれは、サーヴァ=ヴォルクルスの呪縛から逃れたがっていたシュウの計算高き行動であったやも知れない。
彼は自分ではままならない自身の行動を誰かに止めて欲しかったのだ。
その根源的な希《のぞ》みが、マサキたち魔装機神の能力をサーヴァ=ヴォルクルスに誤認させた。そう考えるのは穿ち過ぎであろうか。秘して多くを語らぬ性質であるところの彼は、未だにあの頃のことを数多く語ろうとはしない。ただ、マサキに対する度を越した執着心は、彼が一度の死を経てから生じたものだということは、他人の感情に鈍感なマサキでも理解出来ている。
主客が転倒し、追う者と追われる者の立場が逆転したマサキは、その始まりに於いて、彼の執着心を敵意と勘違いしたこともあった。きっと自信家で自尊心の高い彼のこと。本来であれば、サーヴァ=ヴォルクルスの呪縛も、自身の力のみで解決したかったに違いない。それを阻んだマサキ=アンドーという人間に対して、彼は屈折した怒りを感じているのだと。
そうではないらしいと思い始めたきっかけが何であったのか、今となっては判然としない。ただ、その後の流れゆく季節の中で、マサキは彼に対する評価を改めていくこととなった。彼は自身の感情を表すことに不器用であるだけなのだ――いつでも理知的に言葉を紡ぐことに慣れてしまっている彼は、恐らく自身の欲求を素直に口にすることに不慣れだったのだろう。もしかすると王族育ちであることも関係しているやも知れない。自己を極端に抑えてしまう。フェイルロードというある種出来た人間を知っているマサキは、彼と似た性質をシュウの中に見出すこともあるのだから――……。
「あなたの気持ちは聞かせてくれないの、マサキ」
暫くマサキを抱き締めていた腕の力がふと解けたかと思うと、マサキの顔を覗き込んできたシュウが、揶揄うような声の調子て尋ねてきた。
マサキは返す言葉に詰まった。シュウに自分への好意を表されることには慣れたマサキだったが、自分の感情を伝えることには未だ慣れない。そういった意味ではマサキもシュウと似た者同士手あるのだろう。
「昨日の夜、云っただろ」
「もっと明瞭りとした言葉で聞きたいのですよ」
額を付き合わせてきた彼の瞳が、間近にマサキを捉えている。かあっと頬が火照る感触に、無理だって。マサキは顔を背けようとした。直後にシュウの手に包まれる頬。聞かせて。吐息混じりの声が囁きかけててきた言葉の密やかさに、思わず腰が跳ねた。
――好きだよ。
震える口唇でそう告げると、水が染み出るように間近にしている顔に笑みが広がった。嬉しいですよ、マサキ。シュウが自分の名を呼ぶ声は、いつだって柔らかい。マサキは自分の名前に、両親が付けてくれたもの以上の意味を感じることはなかったが、彼に呼ばれるだに、その名にそれ以上の意味があるのだと感じずにいられなくなったものだ。
彼が呼ぶ、自分の名は尊い。
人は自分の生れてきた意味を見出そうとする生き物である――とは、シュウの言葉であったが、もしマサキの生にひとつだけ意味があるのだとしたら、それはこうして彼と出会う為にあったのではないだろうか。
ラ・ギアスへの召喚もサイバスターの操者に選ばれたことも、全てはそこへの通過点。彼ほどマサキを必要としてくれる人間はいなかったし、彼ほどマサキを理解しようとしてくれる人間もいない。彼ほどマサキと対等であろうとしてくれる人間もいなければ、彼ほどマサキに辛辣且つ寛容である人間もいない。だからこそ、毎日顔を付き合わせることもなければ、次の再会まで数か月以上の間が空くことも珍しくもない日常にあっても、マサキは常にシュウの存在を一番身近なものとして感じていられるのだ。
軽く額に触れてきた口唇が、名残惜しさを感じさせることもなく離れる。次は何をしましょうか。シュウの言葉にマサキは笑った。云わされた言葉に対する気恥ずかしさにいたたまれなさを感じてしまう。その解放感がマサキに自然と笑みを零れさせた。
「もう少し、プールにいようぜ。フロートマットで浮いてさ、のんびりしたら街に出よう」
息が上がるほどに暴れた訳ではなかったが、このままプールから上がるのでは気忙しくて仕方がない。そうマサキが云えば、その通りですね。シュウが云って、プールの隅に浮かんでいるフロートマットを引き寄せてきた。
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