長々とお付き合い有難うございました。今回のリクエストは、
「シラカワさんと二人でのクリスマスディナーの準備に奔走するマサキ」
でした。幸せなふたりを書けて、私自身とても幸せな気持ちになれました。
リクエスト有難うございました。
これにてクリスマスイベントの第一話は完結になりますが、イベントはまだまだ続きます。明日からは第二話の執筆を開始しますので、よければそちらもお付き合いくださいませ。
では、本文へどうぞ!
「シラカワさんと二人でのクリスマスディナーの準備に奔走するマサキ」
でした。幸せなふたりを書けて、私自身とても幸せな気持ちになれました。
リクエスト有難うございました。
これにてクリスマスイベントの第一話は完結になりますが、イベントはまだまだ続きます。明日からは第二話の執筆を開始しますので、よければそちらもお付き合いくださいませ。
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<X'masMarket>
シュウの持ち物であるパジャマの上着一枚だった。
長い性行為《セックス》を終えたマサキが、杯を重ね過ぎた酒にノックダウンして即座に眠りに落ちてしまったシュウを置いて、放置しっ放しだった料理が乾燥しないようにシートを被せておこうとリビングに戻ってみれば、どうやら長時間に及ぶ時間潰しにも飽きてしまったようで、とうに戻って来ていたらしい三匹の使い魔たちは、それぞれ場所を確保して休んでいる様子だった。
クリスマスツリーの根元にて微睡んでいるシロとクロに、トップスターと肩を並べるようにしてツリーで身体を休めているチカ。三匹の使い魔たちはようやく姿を現わしたマサキの姿を目にするなり、吃驚仰天と目を丸くすると、めいめいが口々にその驚きを表す言葉を発し始めた。
「いやはや! 予想はしてましたよ、ええ! 予想はしておりましたとも! だからといってこんな有り様になっているとまでは予想しておりませんでしたよ! あんの腐れ外道にはあんまりマサキさんに無体を働くなときつく云い含める必要がありますね!」
「去年ニャんかの比じゃニャいんだニャ! あんまりシュウを付け上がらすニャっておいら云ったのに! ニャんでマサキはこんニャにシュウに甘いんだニャ!」
「服を替えてくれニャいと目の遣り所に困るのね! マサキ、それ、ニューイヤーまでに消えるの!? 跡が残って大問題に発展してもあたしたちは知らニャいわよ!」
それに対して煩えよと返して、黙々と。テーブルの上に残っているグラスや取り皿、使ったナイフやフォークを片付けたマサキは、明日もクリスマスは続くんだぜ。そうとだけ呟いて、料理の乾燥を防ぐシートをテーブルの上に掛けた。
「あのー……それって明日も、ご主人様とぎったんばったんなさるってことですかね?」
「馬鹿、そうじゃねえよ。お前らも料理を片付けるのを手伝えよ。今度は三匹とふたりのクリスマスだ」
そう云って欠伸をひとつ。盛大に口を開いて放ったマサキは、心地良い疲労感に身を委ねて寝ようと、寝室に戻るべく辺りを見渡した。
三匹の使い魔が好奇心から弄ろうものなら事故に繋がりかねないものが残っていないか……魔法生物の割には、動物の本能に従っているような動きをしてみせる彼らのことだ。明日にはクリスマスのオーナメントが全て外れてしまっていてもおかしくない。とはいえ、今の所、彼らの関心事はマサキとシュウがクリスマス休暇の残りをどう過ごすかにあるようだ。
「あたしは絶対明日もシュウに追い出されると思うのね。いつもそう。あの男、うちの主人をニャんだと思ってるのかしら」
「思ったんだけど、おいらたちこういった時にはマサキに付いて来ずに、留守番をしていた方がいいんじゃニャいか?」
「止めてくださいよ! あたくしにひとりで気まずい思いをしろと!? これまでも苦楽をともにしてきた仲じゃありませんか! そう、毒を食らわば皿まで! 最後まで気まずさを共有しましょうよ!」
彼是《あれこれ》と騒々しい三匹の使い魔に寝るぞと声を掛けて、キャンドルの火が消えていることを確認したマサキは、他にすべきことは何もないとばかりにリビングを後にした。マサキの言葉を聞いていたのか、いなかったのか。相も変わらず騒々しくリビングから響いてくる数々の声。寝付くのに時間がかかりそうだ。そんなことを思いながら、マサキはベッドの下に隠しておいたプレゼント入りの巨大ソックスを、そうっとシュウの枕元に置いた。
そうしてベッドに入った。
マットレスに加わった重みは、眠りに就いている筈のシュウに、習慣付いた行動をさせたようだった。彼はマサキの方に身体を向けてくると目を閉じたまま、その腕《かいな》にマサキを抱いた。シュウ? 声をかけてみるも返事はない。酒臭い息。ささやかな幸せに気分を満たされたマサキは、自らもシュウの背中に腕を回して、
―――おやすみ、シュウ。
そう言葉をかけると、使い魔たちの会話を子守歌替わりに眠りに就いた。
※ ※ ※
先に目を覚ましたシュウが枕元に置かれていた巨大ソックスを片手に、その中身を確かめているのを、今しがた起きたばかりのマサキはぼんやりと、ベッドの中から眺めていた。ラッピングを解かれる前のプレゼントボックス。金色のリボンが太陽の光を受けてきらきらと煌めいている。
※ ※ ※
先に目を覚ましたシュウが枕元に置かれていた巨大ソックスを片手に、その中身を確かめているのを、今しがた起きたばかりのマサキはぼんやりと、ベッドの中から眺めていた。ラッピングを解かれる前のプレゼントボックス。金色のリボンが太陽の光を受けてきらきらと煌めいている。
途惑いがちにこれは……? と、尋ねてくるシュウに、
―――云っただろ、サンタクロースはいるって。
そうしてプレゼントを開けるように促したマサキは、昨日の疲れでまだまだ眠りを欲している身体を休めようと、結果を見ることなく目を閉じた。程なくして、身体に感じるシュウの重みにマサキが再び目を開けば、上に乗っかっている男は瞼やら頬やら口唇やらと、彼方此方《あちこち》に口付けるのに忙しい。やがてマサキの身体を抱き上げた彼は、マサキを膝の上に乗せたまま、その目の前で、腕に嵌めた銀製の三連ブレスレットを大事そうに撫でてみせた。
「今日はこのお返しになるプレゼントを、一緒に選びに行きましょう」
そのシュウの満足しきった様子に、ようやくマサキは今年の苦労が報われたと感じたのだった。
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