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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

【R18】It's making me horny.
へきのさんが白河にビーチクを弄られるマサキをご所望だったので書きました。笑
大半それだけです。挿入なしなので、心を決めてどうぞ。



<It's making me horny.>

 唸るエンジンが微かに床を振動させている。周囲には任務を全うすべく行き交う整備士たちの姿。巡行中の戦艦の格納庫《バンカー》で、サイバスターの整備に付き合わされていたシュウは、その方針を決める会話の最中に突如として席を外したがったマサキを訝しんだ。
 トイレかと訊けば、そんなもんだと云う。
 そのまま席を外させても良かったが、手持ち無沙汰な時間が出来てしまうのが気に入らない。大まかな指針だけでもいいから聞かせて欲しいと頼んでも、妙に気もそぞろな様子で話にならない。そもそも整備を手伝えと頼んできたのはマサキの方である。何でも、調子に乗ってあちこち弄ってしまった結果、自分ひとりでは手に負えなくなってしまったのだとか。十指に及ぶ博士号を持つ|総合科学技術者《メタ・ネクシャリスト》を尻拭いに使おうとしている以上、指示出しぐらいは当然の義務であろう。
「あなたの不在の間に私が何をすべきか、だけでいいのですよ。指示を置いて行けと云っているのです」
「だから、方針を考えておけって云ってるんだよ」
「そもそもトイレみたいなもの、とは何です。トイレ、ならまだしも」
「あー、もう。痒くて仕方がないんだよ。早く席を外させろ」
 痒いとは何だ? 不意にマサキの口を衝いて出た言葉に、シュウは眉を潜めた。わざわざ席を外したがるぐらいである以上、手足が痒いといった話ではなさそうだが、かといってその程度で自分を放置されるのは癪に障る。何より、一から十まで自分に任せきりにしそうなマサキの態度がシュウには気に入らなかった。だったら掻けばいいでしょうに。と、マサキの行く手を阻むようにして立ちはだかれば、観念せざるを得ないと認めたようだ。「……くび」と、溌溂とした声が日常の彼にしては、珍しくも消え入りそうな声を発する。
「首、ですか? でしたら尚更ここで掻けばいいでしょうに」
「そうじゃねえよ」マサキがやけを起こした様子で続けた。「乳首だって云ってんだよ!」
「はあ……」
 思いがけない発言に、シュウの口から気の抜けた声が出る。
 女性であれば慎む部分ではあるが、マサキは男性である。しかも、|理由《わけ》あって肌を隠しているシュウとは異なり、暑さに負けてシャツを脱いでいることも珍しくない。肌を晒すことに躊躇いのない彼にしては可笑しなことを口にする。その、奇妙に感じる気持ちが顔に出ていたのだろう。あのなあ。と、口にしながら、マサキがシュウの胸を小突いてきた。
「すっげぇ痒いんだよ」
「ですから掻けばいいと云っているではありませんか」
「虫に刺されたんじゃないかと思うくらいに痒い」
「それは大変ですね。ですが」
「だから脱いで確認したいんだよ」
「それと席を外すことにどんな関係が」
「てめぇの所為だって云ってるんだよこの唐変木!」
 絶叫に等しい声に、シュウは納得した。
 昨日の性行為で残した|紅斑《キスマーク》は三か所。首に腹、そして内腿だ。首はジャケットの襟を立てて誤魔化しているものの、脱げば嫌でも他人の目に触れてしまう。腹も同様だ。シャツを捲れば見えてしまう。それを嫌がっているのだ。上目遣いに睨んでくるマサキに、シュウはしらと微笑んだ。そうした事態を想定せずして、どうしてその位置に|紅斑《キスマーク》を付けられたものか。
「虫刺されで済ませばいいでしょう」
「お、前……他人事だと思って……」
 勝気な瞳でシュウを睨み据えたまま、悔しそうに口唇を噛んでいるマサキの顔にシュウの背中が震える。
 いつでも覇気に満ちた彼が屈辱的な表情を晒すのを目にするのがシュウの愉しみのひとつでもある。とかく愛くるしい。余りにも愛くるしく感じるものだから、ついもっと困らせたいと感じてしまう程に。さて、どうすべきか。シュウは僅かに沈思黙考した。程なくして浮かんでくるひとつの閃き。思い付いたアイデアを実行に移すべく口を開く。
「わかりました。私が診て差し上げますよ」
「はあ? お前、何を云って……」
「私の所為でもあるのでしょう」シュウは声を潜ませて嗤った。「ほら、来なさい、マサキ」

 ※ ※ ※

 マサキとともにサイバスターのコントロールルームに上がったシュウは、その操縦席に身体を重ねて腰を下ろした。
 仄暗いコクピットに計器類が薄い明かりを浮かべている。うう。と、気恥ずかしそうにしているマサキのジャケットの合わせ目を解いたシュウは、そろりとシャツの上から乳首を撫でてみた。ぴくりとマサキの肩が震える。そのまま円を描くようにして指を回してやると、もどかしさを感じたようだ。早く掻いてくれよ。と、マサキが声を上げる。
「毒性の強い虫に刺されていてはことですからね。先ずはきちんと診なければ」
 ぷっくりと膨れた乳首を指の腹で探ってみたところ、虫に刺されたのではなさそうだ。シュウは爪を立てて、マサキの両乳首を掻いた。生理的な現象であれば直ぐに痒みも収まるだろう。そう思いながら、掻くこと暫く。まだ痒いですかと尋ねてみれば、滅茶苦茶痒い。との返事。
 換気が行き届いている格納庫《バンカー》は、戦艦内の他の施設と比べると気温が低い。もしかするとその所為であるかも知れない。シュウは、ならば――と、人差し指と親指でマサキの乳首を抓んだ。んん。と、マサキの口から洩れ出る声。ゆっくりと指先を動かしてその膨らみを揉んでいく内に、おかしな気分になってきたのだろう。もう、いい。とマサキが声を上げた。
「痒みが収まったのですか」
「収まった。収まったよ、だから」
「なら、ここからはサービスですね」
 シュウはマサキの股間に手を這わせた。僅かに熱を帯びている男性器の感触が、デニム越しに伝わってくる。
「サービスって……」
「こうされるのが好きなのでしょう、マサキ」
 乳首の周りにそろそろと指を這わせてゆけば、なだらかにつばくむ乳輪の温もりが伝わってくる。その、直に乳首に触れられない感触が、別の快感を生み出しているのだろう。息を荒くし始めたマサキが、やだ……と、小さく声を放つ。
「……誰か来たらどうするんだよ」
「その時はその時ですよ。ほら、マサキ」
 シュウはシャツの上からマサキの乳首を食んだ。
 あ。と、声を上げたマサキの背中を撫でてやりながら、口の中に溜めた唾液をじっとりと布に含ませてゆく。布越しに浮き上がる膨らみ。一目で乳首と知れるシルエットが卑猥《エロティック》だ。たっぷり可愛がって差し上げますよ。シュウはそう言葉を口にしながら、マサキの乳首を吸った。
 吸って、舌で転がす。
 布が擦れる感触が、普段の愛撫とは別の感覚を生み出しているのだ。や、だ。と云いながらも、もどかしさに耐え兼ねた様子で腰を振っているマサキ。いつもそうだ。達したくなると彼は腰を振る。男性の本能的な動きをみせ始めた彼にシュウは笑みを零した。
 例えようのない優越感が込み上げてくる。
 彼の卑しさを知るのは自分だけだ。その気持ちがシュウの矮小な感情を満たしてゆく。
 恋や愛、などというものでは決してない感情。マサキ=アンドーは、女性にがつがつしない面も含めて、雄臭さを感じさせない青年だ。初心というよりは、達観しているようにも捉えられる信条《ポリシー》。彼は女性という生き物を、自分と別の性別と認識していながらも、必ずしも守るべき存在とは認識していないようだ。かといって隣に立つべき存在とも認識していない。ただひとつの『個』。彼にとって性別とは、個々人の属性のひとつに過ぎないのだろう。
 だからこそ、シュウは女性嫌いを自認している自分では到底到達出来ない地点に辿り着いているマサキに憎しみを抱くのだ。
「も、いいだろ……シュウ……」
「達《い》きたくないの、マサキ」
 シュウはマサキの股間を揉んだ。手のひらに感じる温み。すっかり硬くなった男性器の存在を感じ取る。
「いい。イカなくていい。だから、本当にもう」
 マサキはいつもそうだ。嫌がる素振りをみせる割には、力任せに逃れようとはしない。剣聖の称号に与っているマサキと無冠のシュウ。純粋な力比べで戦えば、どちらが勝つかはわかりきっているというのに、シュウの良心に訴えるように口先での抵抗を試みる。
「私はあなたが達《い》くところが見たいのですよ」
 つ、と、乳頭の先端を舌先で突いてやると、辛抱堪らない様子で甘い吐息を吐き出す。
 シュウは執拗に彼の乳首を舐った。
 乳輪を辿り、乳頭を吸う。どちらを嬲られるのも好きなようだ。マサキの喘ぎ声が甘ったるさを増してゆく。ややあっておもむろに口唇を離したシュウは、濡れそぼるシャツに透けてすっかり形を露わとしている乳首を指でなぞった。定期的に愛撫を施しているからだろう。肉体関係を結んだ頃と比べると、膨らみを増したように思える。
「あんま、そこばっか、弄んな……」
「ここを弄られるのは好きではない?」
「お前に触られると、おかしな気分になるんだよ」
「他の人に触らせたことがあるような台詞ですね」シュウは冷ややかな眼差しをマサキに向けた。「そういうつもりで触っているのですから、おかしな気分になるのも当たり前でしょうに」
 はだけたジャケットはそのままに、マサキの腹からシャツの裾を抜く。引っ張り上げて口に噛ませれば、シュウが怒りを覚えたのが伝わったようだ。微かに躊躇う素振りをみせたものの、素直にシャツの裾を口に含む。シュウは指をマサキの両の乳首に這わせた。自らの唾液で濡れた乳首が、計器類の明かりに照らされて輪郭を光らせている。
「誰に触らせているのでしょうね、あなたは。私が散々可愛がってあげた|こ《・》|こ《・》を」
 緩く揉んでやりながら問い掛ければ、答えられない体勢に持ち込まれたことを覚ったようだ。口の端からふうふうと息を吐き出しながら、何か云いたげな視線を向けてくる。駄目ですよ。シュウは残忍に微笑んだ。「今日は|こ《・》|こ《・》で達《い》ってもらいます」
 自分の身体が誰のものであるのか。浮ついた面もあるマサキにはしっかり自覚してもらわねば。
 シュウはマサキのジーンズのホックを外して、中にある|男性器《ペニス》を露出させた。先走った汁が亀頭を濡らしている。体勢を入れ替えさせて、背中からマサキの身体を抱え込んだシュウは、そこからじっくりと彼の乳首を嬲った。抓んでは引き抜き、押し込んでは撫でる。
 硬く嬲られるよりも、柔らかく撫でられるのが好みなようだ。口を封じられているマサキがいやいやと首を振る。
「なら、今後は他人に触らせてはなりませんよ、マサキ。わかりましたか」
 ん。と、声を発したマサキが首を縦に振る。
 理解したのであれば、きちんとした褒美を与えてやらねば。シュウはポケットから、いつぞや機器を組み立てるのに使用してそのままにしてあった|丸カン《リング》を取り出した。それをそうっとマサキの乳首に嵌めてやる。まるで誂えたニップルリングのようにぴたりと嵌まった丸カンは、マサキの乳首をより引き立たせた。
 マサキ自身も羞恥を煽られたようだ。シュウが指を離しているのにも関わらず、腰をぴくぴくと跳ねさせている。
 これなら遠からず、彼は乳首で達することだろう。シュウはいつも以上に丁寧に、マサキの乳首に愛撫を加えていった。指先で輪郭をなぞり、指で挟んでは揉み扱き、軽く乳頭を摩ってやる。特に摩られるのが気に入っているようだ。ん、ん。と、忙しなく声を殺しつつも喘いでいる。
「いいのですよ、達《い》っても」
 誰かに見られることを恐れたままでいるのか。首を横に振ったマサキに、シュウは指を速めた。手製のニップルリングを嵌めたマサキの乳首を、開いた手の指先で代わる代わる撫でてやる。繰り返していると我慢が利かなくなったのだろう。あ。と、口を開いたマサキが背なを大きくしならせた。
 ――あっ、シュウ。イク。それ、無理。イク。やだ、やだ。やだ……ッ!
 シュウの肩に後頭部を預けて鳴き喘ぐ姿が優越感を擽る。シュウは出来るだけ柔らかく、けれども素早く、マサキの乳首を撫で回した。
 ああっ。と、ひときわ大きな声を上げたマサキが、腰を激しく跳ねさせる。
 どろりと溢れ出た精液が、コントロールルームの床に飛沫を散らす。あ、ああ……快感の残滓に身体を震わせているマサキを背後から抱き締めたシュウは、汗に濡れた彼の頬に口唇を滑らせていった。

 ※ ※ ※

「いつまで付けてるんだよ、これ」
 計器類に繋いだモニター画面を確認していたマサキが不意に口にする。
「何を、です」
 痒みが収まったことで気が散らなくなったからだろう。その後の整備の方針は直ぐに決まった。割と|尖った《ピーキーな》チューニングにはなるが、サイバスターの搭乗者である依頼主《マサキ》が望んでいるのであれば受け入れるしかない。彼の好みに合わせてバランサーの調整していたシュウは、背後で膨れているマサキを振り返った。
「リングだよ、リング。お前、外させずにシャツを着せやがって」
「私がいいというまでに決まっているでしょうに」
「何でだよ。これ付けてると変な気分になるってのに……」
 頬を微かに紅潮させているマサキは、乳首を締め付ける丸カンに情欲をそそられているようだ。
 射精後のマサキに話を聞いたところ、男同士でふざけ合っている際に、手が乳首にふれてしまうことがあるとの話だったが、だからといって気安く触らせている状態をシュウが許す筈はない。淫猥な彼の身体に触れていいのは自分だけだ。マサキを征服し続けていたいシュウが丸カンを外させなかったのは当然の帰結であると云える。
「なら、さっさと整備を済ませるのですね」
 シュウはバランサーに向き直った。
 心はとうに決まっていた。昨日今日と立て続けの性行為《セックス》は、マサキは愚か自分にも余計な疲労を与えることだろう。それでも、滅多に目に出来ない彼の姿が見られるのだ。その為であればシュウは無茶を厭わない。
「……それからなら、相手にしてくれるってか」
 勿論とシュウが頷くと、やる気が出たようだ。俺にも何か手伝わせろと、シュウの背後からマサキが顔を覗かせてきた。





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