今回のお題は「声我慢しちゃうマサキVS啼かせたいシュウみたいです!ふぁいっ!」です。
これ甘い話にすべきだったんかなあ。と思いつつも、書いている内にどんどん筆がすべっていきまして……昨日までのテリマサの甘々っぷりが嘘のようになり申した!
それではご覧ください。
これ甘い話にすべきだったんかなあ。と思いつつも、書いている内にどんどん筆がすべっていきまして……昨日までのテリマサの甘々っぷりが嘘のようになり申した!
それではご覧ください。
<トロフィーワイフ>
戦時の合間に訪れる束の間の平穏を謳歌しているのだろう。朗らかに響き渡る笑い声。ドア一枚隔てた通路の端で、彼の仲間たちが立ち話に興じているようだ。
シュウは目の前のマサキに目を遣った。ドアに背中を預ける形となった彼の表情は苦悶に満ちている。
高く掲げさせられた両手の手首に絡み付いている魔力の渦。シュウが作り出した魔法拘束具は、マサキの動きを完膚なきまに封じるという意味で、その役目を充分に果たしていた。それでもマサキは諦めていないようだ。身体を左右に振って、その拘束から逃げ出そうと藻掻き続けている。
無駄なことを――シュウはひっそりを嗤った。
伊達にラングラン王家で三位の継承権に与っていた訳ではない。無尽蔵に等しい魔力。調和の結界を永続的に維持出来るだけの魔力を保持しているシュウは、がっちりと拘束されているマサキの両手首にこれ以上とない愉悦を感じていた。
――そういやマサキは何処に行ったんだ? さっきそこを通って行ったのを見たが。
どうやらマサキの不在に気付いたようだ。彼らのひとりが口にした疑問に、シュウの誘いに無策で乗った自らの愚かさを悔いたのだろう。しぶとく藻掻き続けているマサキが、くそっ。と、忌々し気に声を上げた。
――格納庫にでも行ってるんじゃないの? マサキの機体って、整備が難しいんでしょ。
薄いドアは通路側からの声を実に良く通した。その薄さたるや、彼らの間でどういった会話が繰り広げられたのかを、資料室でマサキの訪れを待っていたシュウですら全て再現出来るくらいだ。
シュウはマサキの様子を窺った。
彼らの声がこれだけ聞こえるということは、シュウとマサキの声も同じように彼らに聞こえてしまうということである。
|自尊心《プライド》の高いマサキが彼らに助けを求めることなどないに等しかったが、これまで幾度も窮地を脱してきた実力の持ち主だ。万が一の事態が起こらないとも限らない。何せ相手は剣聖の|称号持ち《タイトルホルダー》である。武力に長ける彼を向こうに回して戦うのは、さしものシュウでも骨が折れる。
シュウはマサキの手首を戒めている魔法庫装具の魔力の濃度を上げた。そして、マサキの身体の経路に沿うように自らのプラーナを張り巡らせた。
それが癇に障ったのだろう。マサキの身体の揺れが激しくなる。
各々固有の波長を持つプラーナ。当然、シュウにはシュウの、マサキにはマサキ独自のプラーナがある。シュウはマサキの体内に張り巡らせたプラーナをゆっくりと揺らした。魂に最も近い場所。生命エネルギーの通り道である経路への愛撫の効果は覿面だ。やめろ、やめ……にわかに動きを止めたマサキが、力なく言葉を吐いた。
「あなたが手間を掛けさせるからでしょう、マサキ」
シュウはマサキに手を掛けた。
トレードマークのジャケット。その襟をはだけさせて、中に着用している赤いシャツの裾を捲り上げる。露わとなった乳首。胸板に浮かぶ膨らみは、見ただけでも硬くなっていると知れる。
「お仕置きですよ」
新たに作り出した魔力の塊で、両の乳首を包み込む。と、く……と、奥歯を噛み締めているマサキの肩がぴくりと揺れた。
幾度にも及んだ性行為。滅多なことでは素直に身体を開くことのないマサキだったが、シュウが仕掛けた性体験の記憶は確実にその身体に刻み付けられているようだ。早くも小さな反応をみせたマサキに、ここまで手間をかけて躾けてきた甲斐があった……密やかな達成感を覚えたシュウは更なる記憶をマサキに刻み付けるべく、プラーナに同じく、魔力の塊を揺らし始めた。
「如何です、マサキ。身体の内側と外側を同時に刺激されるのは」
「さ、いあく、だ――……」
まだ云い返せるだけの余裕はあるらしい。顔を上げてきりりとシュウを睨んでくるマサキに、小さな苛立ちが込み上げてくる。そうですか。抑揚のない声でそう返したシュウは、問答無用とマサキの体内に注ぐプラーナの量を増やした。
経路から滲み出たシュウのプラーナが、表皮に届かんばかりに膨れ上がる。混じりそうで混じり合わないふたつのプラーナ。淡い輝きに包まれたマサキの身体が淫らに揺れる。あっ。声を裏返して短く喘いだマサキが、目をきつく閉ざしながら頭を垂れた。プラーナと魔力による慰撫。乳首の表裏に同時に受けている刺激は、快楽に慣れた彼の身体ではさぞや耐え難いものであることだろう。
それでも理性を手放す気はないのだ。あ、くぅ。喘ぎかけてはそれを必死に飲み込もうとするマサキに、シュウの嗜虐心が燃え上がった。鳴かせたい。シュウはマサキに更なる刺激を与えてやることにした。
だぼついたジャケットに覆われて、普段は目に入ることのない細腰。彼の臍の下に手を伸ばしたシュウは、力任せにジーンズを引き下げた。勿論、プラーナと魔力の振動を止めるような真似はしない。や、め……と、小さく声を上げたマサキに構わず、下着に手を掛ける。
「く、そ……野郎……」
「最上級の褒め言葉ですね」
膝に溜まったジーンズと下着は拘束具の代わりだ。シュウは視線を上げた。マサキの股間で早くも鎌首をもたげている男性器。言葉とは裏腹なその様相に、悪魔的な計画がシュウの脳裏を掠める。
シュウは新たなる魔力の塊を作り出した。
そして容赦なく、マサキの股間に向けてそれを放った。
やや小ぶりな感がある亀頭がすっぽりと魔力に飲み込まれる。あ、や。いや、だ。やめ、ろ……小声で制止の言葉を吐くマサキに、それで止められる欲望ならそもそもこういった行為に及びもしないでしょう。シュウはそう囁きかけてやりながら、声を潜めて嗤った。
更に魔力の塊を増やす。
日頃の性行為ではこういった行為に及ぶのは難しい。シュウは欲望に忠実に、三つ目の魔力の塊をマサキの臀部の合間に滑り込ませた。すっかり異物を受け入れることに慣れた感のあるマサキの|菊座《アナル》に迫る蛇のようなうねり。その恐ろしさを感じ取ったのだろう。ば、か。無理……声を上げたマサキが腰をよじる。
そこで情けを懸けられる男であるのならば、そもそもこういった関係を結びはしない。シュウは抵抗するマサキに構わず、魔力の塊を菊座の奥へと押し込んだ。
――……アッ――……
反射的に上がった顎。口を大きく開いたマサキが、声にならぬ声を放つ。
わななく口唇が、ここまで扇情的に映る相手もそうはいまい。シュウは間近にしたマサキの猥りがわしい表情に、胸の中にある|空洞《あな》が満たされてゆくのを感じ取った。
――アハハハハ……
その直後、通路側から複数の笑い声が聞こえてきた。相変わらず座が盛り上がっているようだ。簡単にはその場を離れそうにない彼らの声に、シュウは忌々しさと同時に愉しさを覚えずにいられなかった。
跳ねっ返りの強い少年を、我が意のままによがらせる。その姿を彼らが目にしようものなら、どう感じたものか。
けれどもそれらの声は、マサキに正気を取り戻させてしまったようだ。さっと表情を変えると、ぐっと両の手を握り締める。光が宿る双眸。ここぞという場面で見られる彼の底力は、こういった場面でも健在らしい。
「巫山戯ろよ、お前……」
「その意地もいつまで持つでしょうかね、マサキ」
シュウの自信は揺らがなかった。
これまで幾度もマサキを快楽に従属させてきた実績がある。それがシュウに計画の成功を確信させていた。何せ、プラーナに魔力の重ね掛けだ。ふたつの流体エネルギーで嬲られる経験など、さしものマサキにもありはしまい。
「さあ、鳴きなさい。マサキ」
意地を張る姿を見れば見た分だけ、その牙城を崩したくなる。シュウはプラーナと三つの魔力の塊を巧みに操って、マサキのしなやかな肉体を嬲った。才能に恵まれたシュウであっても、これだけの流体エネルギーを扱うのは初めてのことだ。
――く、う……あっ……
ややあって、マサキの瞳から光が消えた。だらしなく宙を仰いでいる顔から、先程までの覇気は失せてしまっている。
どう喚こうとも、肉体の記憶の記憶に勝るものはないというか……シュウはひとときたりともマサキを休ませなかった。プラーナに魔力。ふたつのエネルギーを縦横無尽に駆け巡らせながら、マサキを絶頂へと導いてゆく。
「や、だ。イク。シュウ、イクから、抜けって……」
駄々を捏ねる子どものような口調。腰を前後に揺すり始めたマサキの顔を間近に捉えつつ、シュウは冷酷に言葉を継いだ。
「お仕置きだと云ったでしょう。|達《い》きなさい、マサキ。私に触れられることなくね」
シュウは三つの魔力の塊を、異なる動きをするように操作した。
乳首には舐るような刺激を。
男性器には吸われるような刺激を。
後孔には擦られるような刺激を。
それはマサキに劇的な変化を齎した。ひ、く。と、引き攣った声がマサキの喉から飛び出してくる。声を放つのも難儀な快感に襲われているのか。それともそれはマサキの最後の意地だったのだろうか。こんなので――……そう呻いたマサキが悔しそうに口唇を引き絞る。次の瞬間、彼の男性器の先端から白濁とした液体が迸った。
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