モブマサで出来ることがシュウマサで出来ないことに鬱憤が溜まってしまった@kyoさん。自分の欲だけしかないシュウマサセンシティブを書くことを決意。
私の中のイマジナリー白河はご立腹ですが、我慢が出来ませんでした。そういう内容ですので、ある程度覚悟してお読みください。※アダルトグッズが出てきます。
私の中のイマジナリー白河はご立腹ですが、我慢が出来ませんでした。そういう内容ですので、ある程度覚悟してお読みください。※アダルトグッズが出てきます。
<実地研究>
馬鹿じゃねえの。と、ベッドの上でマサキは声を上げた。
好奇心が強い|総合科学技術者《マッドサイエンティスト》は、性行為の最中に常軌を逸した提案をマサキにしてくることがあった。バイブやディルドの人工工学設計はどこまで正しいのか。手枷や足枷の耐久設計はどこまでの力を許容するのか。それらを自分で試せばいいものを、逐一マサキを使って|観《・》|測《・》しようとする。
計測ではない。観測である。
きちんと機材を持ち込んでの計測でない辺りで、シュウの思惑は知れたようなものだ。新しいプレイの提案。長く身体の関係を続けていると、偶には刺激の強い体験をしたくなることもあるのだろう。オーソドックスな性行為で充分な満足を得ているマサキからすれば、シュウが持ち込んでくるアダルトグッズの数々は異物感が強いものではあったが、その程度であれば許容してやってもいいと受容してしまったのが良くなかったのやも知れない。
今回、シュウが持ち出してきた器具は乳頭吸引機だった。ふたつの吸盤にチューブ製のパイプがついていて、スイッチを入れることで乳首の吸い上げを自動で行ってくれるのだとか。その効果を試したいのだそうだ。愛撫の手を止めて切り出してくるには、かなりグロテスクでもある提案。シュウの好奇心の強さに呆れ果てたマサキは盛大に溜息を吐いた。
「その効果を試すことで、俺にどんなメリットがあるんだよ」
「大きくなるかも知れませんよ」
「乳首が」
「ええ」
「馬鹿じゃねえの」マサキは再び口にした。
愛撫に時間をかけたがるシュウの所為で、マサキの乳頭は、性行為を知る前とはすっかり様相を変えてしまっていた。上がった感度に、増した膨らみ。日常では乳輪に埋もれていることもあって、さして気になることもなかったが、風呂に入るときともなると、現実を思い知らせるように顔を覗かせてくる。
今だってそうだ。突き出たマサキの乳首は、指でつつけば震えるぐらいには膨らんでしまっている。
「それで嬉しいのはお前だけじゃねえの」
だからこそ抵抗の意を唱えてみれば、誤魔化すように口付けられる。
軽く口唇を啄まれたマサキは、身体を退いてシュウの端正な面差しを見詰めた。嫌になるほど真摯な眼差し。これだけでも退く気がまるでないのが伝わってくる。
「気持ちいいのが好きではない?」
「大きさ|=《イコール》感度じゃねえだろ、こういうのは」
「面積の増加は、感じる箇所の増加とイコールですよ。快感の総量が増えるのであれば、試す価値はあるのでは?」
どうあっても使いたいようだ。屁理屈に輪がかかったシュウの論理に、抵抗する気力を奪われたマサキは項垂れた。
「わかったから、欲に塗れた台詞を口にするなよ。俺の中のお前のイメージが壊れる」
「騙し討ちをしないだけマシだと思っていただきたいものですね」
「それはそうなんだけどな」
マサキはシュウが手にしている乳頭吸引機に視線を注いだ。
奇怪な形状に、何とも表現し難い感情が湧き上がってくるも、全く興味がないという訳でもない。ただ、対象が自分であるということが気に入らないだけだ。
「……本当に、使うのかよ」
マサキはそろりと吸盤に触れてみた。吸い付き具合は流石のシリコン。柔らかい感触が肌に馴染みそうである。
これで乳首を吸われるというのはどういった感触であるのだろう。気にはなるものの、自ら口にしてしまうのは負けな気がして気が進まない。マサキはシュウの顔を見上げた。うっすらと口元に浮かぶ笑みは、自らの勝利を確信しているようでもある。
「わかった。早くしろよ。身体が冷めちまう」
「あなたの物わかりがいいところが好きですよ、マサキ」
再びシュウに口付けられたマサキは、そのままベッドに横たえられた自らの身体に胸を高鳴らせた。
つまるところは似た者同士であるのだ。
吸盤を乳首にセットし始めたシュウに、奇妙な感覚に陥りながら、マサキはその瞬間を待った。既に少しばかり吸い上げられている感覚ある。どうなるのだろう。期待と不安に胸を掻き乱されながら待つこと暫し。動かしますよ。耳に降ってきた低い声に、マサキはこくりと頷いた。
ひゃん。
思いがけず口から飛び出た声に焦りが生じる。咄嗟に口唇を噛み締めるも、乳頭吸引機の動きは止まらない。
「これは思ったよりもパワーがありますね、マサキ。具合はどうです?」
「さい、あくだ……」
吸盤の中で乳頭が大きく上下を繰り返している。その都度、乳首に走る快感。声を殺して耐えるのが精一杯になったマサキは、自分の呆気なさに嫌気を感じながら身体を捩らせてシーツを噛んだ。どうかすると口を衝いて出そうになる喘ぎ声。こんな器具に踊らされるのは御免だ。そう思いながらも、乳首に熱が集まるのを止められない。
「気持ちよさそうな表情をして」
シュウの手が膝を割る。続けて蕾の中に潜り込んできた指に、マサキは激しく首を振った。
「や、だ……止めろよ、これ……」
「どうして? 好きでしょう、ここを同時に弄られるの」
「おかしく、なる」
「なればいいのに」
抜き差しされたかと思えば、しこりを擦られる。脚の力が抜けるほどに気持ちがいい。あ、あぅ。上下に一度に襲ってくる快感に、ついに耐え切れずマサキは声を発した。満足そうに自分を見下ろしているシュウの視線に晒されながら、必死になって指先でシーツを掻く。
「も、やめ。本当に、やめ」
「素直になりなさい、マサキ」
「やぁだぁ……」
既にシュウの愛撫を受けて濡れそぼっていた性器から、更に精液が滲み出てくる。ほら。と、陰茎に口を付けられたマサキは、糸となって残されていた理性を手放した。
「ああ、ああ、シュウ。あぅ、ああ……っ」
じとりと絡んでくるシュウの舌に、真っ当な思考が働かなくなる。はぁう、あぅ。高く、細く、喘ぎ声を響かせながら、マサキは本能の赴くがままに腰を跳ねさせた。出したい。陰嚢に蟠っている熱に感じるもどかしさを、一刻も早く発散したい。胸に食らいつく卑しい感情を振り切る勢いでよがり狂う。
「いくぅ、やだ、いく。それ、いくぅ」
「イキたくないの?」
「いきたい、でも、あぅ、これじゃ、やだ」
マサキは身体を曲げて、シュウの肩に手を伸ばした。そして、力任せにシュウの身体を引き剥がしにかかる。
「嫌なの?」
蕾から抜き取られる指。顔を覗き込んで尋ねてくるシュウに、マサキはこくりと頷いた。
快感に溺れるのは嫌いではなかったが、ひとりで喘がされ続けるのは寂しさが勝った。性行為の醍醐味はふたりで快感を覚えるところにこそある。潤み切った瞳の奥に揺らめくシュウの表情からは、マサキの考えが伝わっているかは判然としなかったが、最後にはマサキの訴えを聞き入れてくれる男だ。なら、一緒に気持ち良くなりましょう。耳元で囁かれたマサキは、次いで脚にかかったシュウの手に、ようやく達せるのだ――と、気持ちを楽にした。
ここからが本当の責め苦だと知っているのに。
抱え込まれた脚の奥で収斂を繰り返している蕾に、シュウの男性器が押し当てられる。そのうなじにマサキは手を回した。は、やく。額を突き合わせるようにして求める言葉を吐けば、ぬとりとその昂ぶりが挿入《はい》り込んでくる。
乳首に与えられている刺激は終わる気配を見せない。
あ、あぅ。はぁう。ゆっくりと挿入される男性器に、マサキは背なをしならせた。世界を掌握しきったかのような万能感に満たされながら、ややあって抽送を始めるシュウの男性器の動きに合わせて腰を振る。
「ああ、奥、奥がいい」
深く貫かれることを幸福だと感じるようになったのは、シュウと性行為に耽るようになって大分経ってからのことだ。シュウに愛を囁かれた瞬間に感じた絶頂。シュウのあの言葉がなければ、マサキはこの底知れぬ快楽に慣れることはないままだっただろう。
「どう、マサキ? 気持ちがいい?」
「いい、いいから、もっと動いて」
シュウを貪欲に求めることを、今のマサキはもう恥ずかしいことだとは思わない。幾度も口唇を合わせながら、彼の男性器が与えてくれる陶酔感に浸る。あぅ、はぁう、ああ、ん。乳首を包み込む吸盤の卑猥な動きさえも、もうマサキには意識外の出来事だ。
「い、くぅ。いく、いく、いくぅ。いく」
やがて蕾の奥に溜まった熱が弾ける。
繰り返し、繰り返し、喘いだ先に訪れた絶頂は、マサキにまたこれ以上とない性行為の記憶を刻み付けた。
※ ※ ※
「もう、やらねえ」
※ ※ ※
「もう、やらねえ」
吸盤を取り去られたマサキは、乳輪の周りに跡が残る乳首を掻きながら憮然と呟いた。
心なしかまた大きさを増したように感じられる乳首は、長い時間を吸い上げられ続けたからか。痒みを生じるまでになっている。
「気持ち良くはなかった?」
シュウの言葉に首を横に振る。なら、何故。と、問われたマサキは、ベッドの脇に置かれた乳頭吸引機に目を遣った。
気持ちは良かったのだ。気持ちは。
だからといって、それが満足感に直結しないのが性行為でもある。シュウとしては、同じことの繰り返しに変化を与える程度の心づもりであったのだろうが、マサキからすれば、強制的に快感を与えられているような感覚に他ならない。そう、マサキはシュウの温もりが欲しいのだ。ただ抱き合って眠る以上の熱い交わり。シュウとの性行為をマサキが諾々と受け入れているのは、それ以外の理由がないからでしかなかった。
「お前じゃなきゃ、やだ」
「私に吸われて大きくなるのはいいの?」
「大きくするところから離れろよ」
「そうは云ってもね」シュウがマサキの乳頭に触れてくる。「以前よりは大きくなったように感じられますし」
「それは仕方がないことだろ」
「どちらも一緒のように私には感じられますけれど」
何だと云いつつ、マサキの乳首を膨らませたいようだ。未練を感じさせるシュウの口振りに、マサキは乳頭吸引機を取り上げた。
没収だ。と、続ける。
「それは残念」
「育てたきゃ手間を惜しむんじゃねえよ」
どうやら図星であったようだ。マサキの言葉にシュウが肩を竦める。
けれども直ぐに気を取り直したようだ。なら――。と、続けてマサキの乳首を吸い上げてきたシュウに、まだやるのかよ。マサキは簡単に満足しない男の自らの身体への執着心の強さに呆れつつも、そうっとその頭に手を置いて、続く愛撫を一身に受けた。
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