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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

安藤正樹の開発日記(終)
これにて完結。久しぶりにエロを頑張りましたよ、私は!

エロの何がいいかって、理性と本能の狭間に置かれたキャラの葛藤なんですよ!快楽に抗う理性!そして流されてゆく本能!そこで生じる迷いのなんとエロティックなことか!

そう思いません?

まあ、それを書けたかはさておき……(そっと目を逸らす)

次回は久しぶりのモブマサです。モブマサはblogには置かないので、暫く投稿がないかも知れません。(息抜きにノーマルなシュウマサを書く可能性はあります)宜しくお願いします。



<安藤正樹の開発日記>

(五)

 ゆるりと|挿入《はい》り込んできたシュウの指が後孔を開いた。
 気恥ずかしさよりも、その先に待ち受けている快楽に対する期待が勝った。マサキは自らの腿を抱え込むように手を回した。二つに折られた身体。爪先は頭の上でシーツに沈んでいる。
 今日の始まりから延々弄られ続けた後孔は、これまで彼の手で加えられた愛撫もあって、驚くほどその蕾を柔らかく広げるようになっていた。
「いい眺めですよ、マサキ」
 ずうっと指を挿し入れられながら、全身を舐れられ尽くした後だった。日焼けの跡が残る肌のそこかしこに刻み付けられた紅斑が、自分のものでありながらやけになめかましく映る。マサキを見下ろしているシュウの顔は窺えなかったが、きっと愉悦に満ちた表情をしているのだろうと彼の声を聞いたマサキは思った。
 二ヶ月半が経っていた。
 |挿入《いれ》られる指の本数は三本に増えていた。
 決して細くはない彼の指で犯され続けたマサキの後孔は、すっかりその行為で快感を得ることに慣れてしまったようだった。今、どのくらい自分の後孔が開かされているのか――マサキの目にはそれが映り込むことはなかったが、彼の三本の指が入って尚余るくらいに穴を広げられているような感覚がある。
「あんま……見るなよ……」
 続きを。と、声を上げたくなるのを堪えながら、マサキは最後に残された羞恥心でそう言葉を吐き出した。
 理性を手放した瞬間は三度あった。後孔の奥を擦られて一度。乳首を舐られながら後孔を責められて、二度。男性器を扱かれながら後孔を嬲られて、三度。
 その都度、これ以上の快楽はないというぐらいの快感に全身をわななかせてマサキは果てた。
 形振り構わず声を上げ、シーツを引き寄せるように強く掴んで、弓のように背なをしならせ、そして脚を突っ張らせ……もう、以前の自分がどうだったかなど思い出せない。そのぐらいにマサキの身体はシュウの愛撫に慣らされてしまっていた。どこを弄られても、どこを舐られても気持ちがいい。その中でも乳首と後孔を弄られるのが、いつの間にか、マサキは殊の外気に入るようになっていた。
 さんざ自慰で弄ってきた男性器で得る快楽など、それと比べれば物の程でもなかった。
 彼の指、彼の舌。日常的に使い慣れている自分の手とはまるで異なる温もり。そこから生み出される快感の数々に、マサキはすっかり魅了されてしまっていた。
 日常のふとした瞬間に、こうして彼と過ごした時間を思い出しては身体を熱くした。三日と開けずに呼び出されるのは続いていたが、それでも恋しさが胸を焦がす。滾る欲望は、マサキを大胆にさせた。家に上がり込むと同時にジャケットを脱ぎ捨てて、彼の腕の中に飛び込むまでに。
「そろそろ舌が入りそうでうすね。この具合なら」
「見るなって……」
 マサキは変わらずにマサキの後孔に視線を注ぎ続けているらしいシュウに視線を投げた。薄明りに照らし出されている彼の前髪が静かに揺れている。
 冷静さを感じさせる口振りとは裏腹に、辺りに響く彼の呼気。それは彼の熱情――マサキに感じている欲の限りをあますところなく伝えてきていた。
 愛情と肉欲。泥臭くも根源的な欲を、彼はその対象で昇華するのを至上命題としているのだ。
 直後、抑えようにも抑えきれていない荒らぶった息をマサキの臀部に吐きかけてきながら、シュウがその谷間に顔を埋めてくる。ぬるりとした感触。そのまま、ひと思いに舌を蕾の中に挿し入れてきた彼に、マサキは眩暈を起こしそうなぐらいの恍惚感に包まれた。
 そこを弄られるのが好きなのだ。
 シュウの舌がひだを広げた蕾の浅い位置をゆるゆると舐め回している。舌で擦れられるだに、痺れるような快感が門を叩いた。ひ、あ。マサキは自分でも耳を疑うような細く高い声を放った。あ、ん。あっ、や。まるで女が啜り泣いているようだ。そう思いながらも口を衝く喘ぎ声を止められない。
 繰り返された愛撫で過敏になったマサキの後孔は、快感に慣れるということを知らないようだった。
 舐め回されれば舐め回された分、快感の度合いが強まってゆく。や、もうや。出る。シュウ、出る。肚の底に溜まっている体液が、尿道を伝って押しあがってくる。出る、出るって。鼻先近くで震えている自身の男性器から滴る糸状の汁。それが出口を求めて暴れ回っている欲望の|溢流《いつりゅう》であることに気付いていたマサキは、だからこそ儚くも抵抗を繰り返した。
 ――やだ。やだって……。
 流石にこれ以上の我慢は無理だ。脳の奥で伸びきった自制の糸が切れかかる。
 その刹那――だった。
 臀部から上がったシュウの顔が無言で高く離れてゆく。色を失くした瞳。表情を消した彼の顔が、無言でマサキを見下ろている。とはいえ、紙一重で守られた尊厳だ。マサキは醜態を晒さずに済んだことにほうっと息を吐いた。
 けれども続いて耳に届いた音に、マサキは血の気が引いた。
 カチリと小さく空気を裂いた金属音。服の留め具を外したと思しき音は、その時の訪れを表していた。
「ちょ……っと、待て……」
 答えはない。
 無言でマサキの臀部を抱えたシュウが、猛った男性器の先端をマサキの蕾に潜り込ませてくる。や……ッ。短く声を上げたマサキの背なにぞくぞくと、怖気混じりの快感が走る。
 ――あ、あ、あっ。
 亀頭が|挿入《はい》れば後は早かった。ずるリ――と、滑り込んでくる陰茎。息を吐く間もなく根元まで押し込まれたシュウの男性器がマサキの腹を押す。快感を伴う圧迫感に、マサキはそれまで必死になって堪えていたものが呆気なく押し流されてゆくのを感じ取った。
「や、あ、シュウッ。やっ、ああ――……っ」
 びくん、と、腰が大きく跳ねる。そのまま腰をぐいと上げてきたシュウに快感が爆発する。
 右も左も上も下もわからなくなるぐらいの浮遊感。同時にマサキの顔に、白濁とした自らの精液が吹きかかった。
「|挿入《いれ》られただけなのに」クックと喉に溜まる嗤い声が降ってくる。「|達《い》ったの、マサキ?」
 快感の余韻が肌を震わせ続けている。マサキは濡れた顔もそのままに、両腕をベッドに投げ出して、壊れた人形のようにこくこくと頷いた。
 ただ挿入されただけでこうなるのなら、動かれた日には正気を保てる気がしない。
 けれども今更、ようやく本懐を果たしたこの男がマサキを解放してくれたものか――臀部から腿へと手を滑らせてきたシュウが自らの脚を抱え込むのを感じ取ったマサキは、うっすらと目を開いて、も、無理。彼の良心に訴えるべく言葉を吐いた。
「駄目ですよ、マサキ。今日という今日こそは、最後まで付き合ってもらいます」
「でも、俺。今いったばっか……」
「少しもすればまた良くなるでしょう。だから辛抱なさい」
 そう言葉を吐いたシュウが、早速とばかりに腰を動かしてくる。その都度、蕾を擦って出入りを繰り返す男性器。|潤滑油《ローション》で濡れそぼった後孔が、酷く淫らな音を立てた。
 ――はっ、あ、あっ……シュウ、シュウ……
 またぞろ快感が立ち上ってくる。首を振りながらシーツを強く掴み、唾液の溜まった口を開いて喘ぐ。深く、より深く、後孔の底を叩くように押し込まれる男性器。刺し貫くような快感が、断続的にマサキの身体を襲った。
 もう、身体に上手く力が入らない。
 ただひたすらに後孔を犯し続ける肉の塊。刺し貫かれる度、全身が痺れる。
 自らの喘ぎ声で満たされた室内は澱んだ空気に満たされていた。肌に纏わり付くような暑さ。マサキ、と、時折、悦びを滲ませたシュウの呼び声が耳に届く。ああ、ああっ、シュウ――……マサキは彼の為すがまま、様々に体位を変えて彼の男性器を受け入れ続けた。時にベッドに伏せ、時に彼の膝に乗り、時にシーツに膝を立て……そのどれもが、マサキにこれまで感じたことのない悦楽を与えてくる。
「出しますよ、ほら……」
 最後は正常位だった。
 顔を近くに付き合わせて、幾度も口付けを交わしながら、汗ばんだ身体を折り重ねる。そうして、そうして。
 マサキの腹の底に精液を吐き出したシュウの身体が、勢いを失って覆い被さってくる。それをマサキはしっかと抱き留めた。訳のわからない達成感が胸に満ちている。その感情の赴くままにシュウの髪に口付けながら、そこでようやくマサキは長い『訓練』が終わったことを覚った。

(結)

 そこから三日、マサキはシュウの家に篭った。
 ベッドの上で、ソファの上で、キッチンで、バスルームで。シュウに求められては応じる日々。気の向くがままに愛欲に耽り、そうして泥に囲われているかのように疲れ切った身体を互いに寄せ合って眠った。
 その間、外に放置されっぱなしだった使い魔たちは、ようやく招き入れられた家の惨状に、盛大に呆れ果てていた。
 埃の積もった家具に溜まった洗濯物。そろそろ荒れ始めた家を、シュウと一緒に片付けて回ったマサキは、その後に帰途に就いた。
 ――『訓練』が終われば、『本番』だ。
 マサキはサイバスターの移動スピードを極限まで早めた。区切りを付けて帰ると決めたものの、シュウと離れた途端に身体が火照って仕方がない。ひとり寝が辛くなりそうだ。疲れが抜けきらぬ身体を操縦席に深く埋めたマサキは、そうして四日ぶりに帰還を果たす我が家に向けてひた走った。

<了>





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