あと二回で終わると言っておきながら嘘でした。しかもエロ回と予告しておきながら、まさかのラブラブ回。書いた本人が一番びっくりです。鞭ばかりでなく飴の時間もないとね!と都合のいいことを言っておくことにします。
私は断眠を患ってまして、夜の睡眠時に一時間から二時間くらい寝て起きてしまってはまた寝てまた起きるを繰り返す人なんです。眠剤(リスミー&サイレース)を処方されているのですが、飲んでも三十分から一時間くらいしか変わらないという笑
仮眠を取るには丁度いいサイクルなので、仮眠を取る時には薬を飲まずに寝るのですが、昨日は脳が暴走を始めてしまって全然仮眠にならなくてですね。脳を休めないと文章が思い浮かばないので、必死に寝ようと頑張ったのですが無理でした。ということで、更新が遅くなってしまって申し訳ありません。
私は断眠を患ってまして、夜の睡眠時に一時間から二時間くらい寝て起きてしまってはまた寝てまた起きるを繰り返す人なんです。眠剤(リスミー&サイレース)を処方されているのですが、飲んでも三十分から一時間くらいしか変わらないという笑
仮眠を取るには丁度いいサイクルなので、仮眠を取る時には薬を飲まずに寝るのですが、昨日は脳が暴走を始めてしまって全然仮眠にならなくてですね。脳を休めないと文章が思い浮かばないので、必死に寝ようと頑張ったのですが無理でした。ということで、更新が遅くなってしまって申し訳ありません。
<DARKNESS MIND>
いくら自らの意思がままならない状態であるとはいえ、マサキはシュウのその趣味に付き合うことを選んでしまったのだ。
兵士が去った後、その意味を考えながら、マサキは姿見に自分の身体を映してみた。首輪を嵌められたままの身体。顔が少し痩せたように見える。身体はどうだろうか? マサキは服を捲ってみた。紅斑が酷い。そんな胴体回りも、食後でありながら肉が減ったように見える。夕食はもう少し食べなければ。マサキはくちた腹を撫でた。
ベッドの上に寝転がって、昨夜の出来事を振り返る。自らそういった扱いをシュウに強請《ねだ》ってしまった。とはいえ、しなければしなかったで欲望を燻らせただろうし、したらしたで情欲が煽られる。どちらにしてもマサキがシュウを求め続けるのは変わらない。だとしたら、マサキが感じているこの何とも形容しがたい感情は充足感であるのだろう。
信用してしまっているのだ、あの男を。こんな扱いをされて尚。
それこそシュウの思う壺なのかも知れない。けれども、手荒に扱われているように見えても、実のところシュウはマサキを本当に乱暴に扱うような真似はしていない。シュウはシュウなりにマサキの意思を尊重しているようだ。でなければ、いくらモニカのことや首輪の件があるとはいえ、マサキは無条件にそれらの行為を受け入れたりはしないだろう。目が覚める瞬間が確実にあるのだ。だったら、それはあの兵士が言うように、そういった趣味からくる行為《プレイ》の一環でしかない。
そういった行為にもし問題があるとしたら、いざ日常に戻るとなったときに、こうした扱いに慣れてしまった自分が、元居たその生活に馴染めるようになるまでに、どのくらいの時間がかかるだろうかということだけだ。
「少しは節制をしねえとな……」
ストレッチをして、筋トレ。床の上で少しだけ、無理のない範囲で身体を動かす。いざとなったときに身体が思うように動かないでは笑い話にもならない。マサキは気を引き締めた。それだけ、デリケートな情勢に自分は身を置いている。その自覚までは消えていない。
その最中にシュウが戻ってきた。戻ってくるなり、長椅子に腰掛けてマサキを自分の元に来るよう手招く。マサキもシュウに話をしたいことがある。マサキは少し疲れた様子で長椅子に横になったシュウの上に乗った。
「何だよ、疲れるようなことでもあったのか」
「あなたの相手はそれだけ体力を使うということですよ、マサキ」
胸の上に身体を横たえて、少しの間、布越しに伝わってくるシュウの胸の鼓動を聞く。疲れているというのは本当らしい。静かに脈打つ鼓動が時々跳ねては途切れ、途切れては跳ねる。マサキは眉を顰めた。不規則な鼓動は生活態度に因るところが大きいと聞く。
「あまりいい状態に思えないな。今日の用事が終わったっていうなら、少し眠ったらどうだ?」
「敵を気遣うような真似をして。あなたは自分の立場を自覚しているのでしょうかね」
「腹上死とか洒落にならねえだろうよ。俺だって寝覚めが悪い」
「確かに。後世にまで語り継がれそうだ」声を上げてシュウが笑う。
笑って、マサキの背中に手を回すと、そっと抱き締めてきた。見た目以上に疲れを感じているのか、それ以上の行為に及ぶ気配はない。マサキはシュウの肩に顔を伏せ、じっとその抱擁を受けた。
シュウは何をするでもなく、暫くそのままマサキを抱いていた。
「今日は大人しく過ごすとしますよ。時間はまだありますしね」
「そうしろよ。俺は逃げようにも逃げられないんだし」
マサキは首輪を指差す。そうですね、とシュウが頷いた。幾らマサキが捕虜であっても、彼らにとってシュウは味方。モニカを捕らえているからといって使い捨てにもしまい。
偶には静かにふたりで過ごす夜があってもいい筈だ。
事態が動きそうな予感がしているのだ。マサキには確信めいた思いがあった。例の兵士、彼は動く。だったら、シュウとマサキ、どちらの消耗も最小限に抑えおくべきだろう。モニカを助ける為には、そのときに動ける体力が必要なのだ。マサキはそっと、シュウの耳元に口を寄せた。
(疲れてるところ悪いんだがな、例の兵士から話を聞いた。自警団と地方議会の考えが違うらしいってことがわかった。例の兵士を揺さぶれないか? 自警団の目的は融和政策下でも叶えられる。奴らを動かして、地方議会を押さえ込めれば、モニカの件も解決し易くなると思うんだが)
(あなたがそうまで言うということは、彼の話がそれだけ踏み込んだものだったということですね。わかりました。後で彼と話をしてみますよ)
(俺からはこれだけだ。そっちは?)
(あなたを人質として外に連れ出す許可が欲しかったのですがね。中々信用を得るのは難しい。そのついでに首輪を偽物《フェイク》と取り替えたくあったのですが、それは諦めた方がいいのかも知れません。背後関係についてはまだ。第三国の可能性が高いとは思っていますが)
(だったら、地方議会を封じ込めれば手を引かせられそうだな。ここまでの状況になっても姿を見せないんだ。バゴニアとラングラン、両国を傀儡《かいらい》なしに相手にする気はないってことだろ)
マサキの髪をシュウが撫でている。話をしながらずっと。もしかしたら、マサキは思った。マサキとてこの状況に不安を感じなくはないのだ。モニカを捕らえられているシュウは、もっと不安を感じているのではないだろうか。
そっとその表情を盗み見る。端正な横顔が静かに一点を見詰めて何かを考え込んでいる。モニカのことだろうか……それとも例の兵士についてだろうか……それとも……少しして、そんなマサキの視線にシュウは気付いたようだ。ふ、とその口元に微笑を浮かべると、
「ところで、私にそう言ってくるということは、あなたは今日は大人しく過ごしたのですか」
「俺だって身体が持たないんだよ。午前中は寝てた。午後はご覧の通りだ。気を紛らわせるには身体を動かすのが一番だしな。そもそも、記憶が吹っ飛ぶほど犯られて、そこまで貪欲でいられるか」
「それは残念。ようやく待てを覚えたのだと思ったのに」
「覚えさせたかったら、そういう扱いをしろよ」マサキはシュウに抗議すべく身体を起こした。「躾けるって言う割には滅茶苦茶ばかりしやが」
頬に触れた手が、滑るようにしてマサキの頭の後ろに回される。引き寄せられるがままマサキは顔を伏せ、シュウの口付けを受けた。少し触れては、口唇を開き、舌でマサキの口唇を舐めてくる。マサキには、シュウのその口付けが、まるでマサキに口唇を開けと言っているように思えた。
「何だよ。今日は大人しくするって……」
「あなたが可愛らしいことを言ってくれるからですよ、マサキ。大丈夫。今日はこれだけですよ」
その言葉の通り、その後は何事もなく過ぎた。
ふたりで食事を取り、シャワーは別に浴びた。先に休むといってベッドに入ったシュウの隣で、マサキはテレビを眺めて過ごし、偶に巡回してくる例の兵士と少しだけ話をした。
「偶にはこういった当たり前の光景を眺めるのもいいものだね。君たちの関係が良くわかる」
その感想をマサキは苦笑しきりで聞いた。自分が捕虜となってしまったばかりに、とんでもないことに巻き込んでしまった。その思いが拭えない。そうマサキが伝えると、「大丈夫だ」彼は言った。
「バゴニアとラングランの戦役のときには、自治区内でも酷い光景を数多く目にしたものだ。それと比べれば、色々あるにせよ、君たちは同意が取れている。私がどうこう考えることではないのだろう」
そう言って彼は口元に微笑を浮かべてみせた。彼なりにシュウとマサキの関係について考えているところがあるらしい。それを聞けて安心したのかも知れない。眠気に襲われたマサキも早めの眠りに就くことにした。
深い眠りだ。身体がベッドを通り抜けて床に沈み込んでゆくような。
黒い闇が延々と続く眠り。夢のない眠り。
起きて、と声がする。シュウの声だ。「起きて、マサキ」まだ疲れが残っているのだろう。頭と身体が泥のようだ。もう少し。マサキはそう言って、ブランケットを身体に巻き付けるようにしながら寝返りを打った。
「もう昼ですよ、起きなさい」
ずっと神経が覚醒していた。強い刺激を与えられては、また次。その興奮状態がマサキから深く長い眠りを奪っていたのだろう。
何事もなく過ぎた一日の後に訪れた途中覚醒のない眠り。それは高ぶり続けたマサキの精神を静めてくれたようだ。もう少しだけ、その眠りの中にいたい……まだ目を覚ましたくないマサキは、シュウの声にいやいやと首を振った。
「起きなければ、無理にでも起こしますよ」
涼やかな風がマサキの顔を撫で、通り過ぎてゆく。その心地よい風を受けたマサキはうっすらと目を開けた。カーテンのない窓。鉄柵の嵌ったそれが開いているのが目に入る。
いつもは空調に頼りきりな換気を、今日は窓を開けて行うつもりなのか。肺にひんやりとした新鮮な空気が入り込んでくる。ああ、これなら頭が覚めるのも早そうだ。そんなことを寝起きのぼんやりとした頭で考えていると、ブランケットの中、シュウの身体が忍んできた。
背後から回される手が、早速とばかりにマサキの身体に絡み付き、まだ感覚が鈍いままの全身を這った。ぞくり、とマサキの身体の奥に火が灯る。「何だよ、朝から……」と言えば、「もう昼ですよ」と返ってくる。そのまま耳介を喰《は》まれて、マサキは腰を反らした。
(午前中に彼と話をしましたよ。本音を話させるのは少々難しくもありましたが、モニカの件をどう考えているのか訊ねてみたところ、やはり面白く感じていなかったようですね。心境を吐露してくれましたよ。自警団内の意見の擦り合わせもあって、直ぐには難しいようですが、最短でも二、三日中の蜂起を考えているようです)
蜂起。その言葉に、マサキは目を覚ました。彼は動く。そう働いたマサキの直感は間違っていなかったのだ。
(作戦についてはこれからということもあって、詳しい話は聞けませんでしたが、できることがあれば協力すると伝えてあります。勿論、あなたもね)
片手で腰を抱えられたまま耳を責められてマサキは仰け反った。呼吸が上がる。細く高い喘ぎ声が、喉の奥から絞り出てくる。「ねえ、マサキ。気持ちいいの?」マサキは小さく頷いた。するりと股間に滑り込んでくるシュウの手が、当たり前のように、硬くなりつつあるマサキの男性自身を嬲り始めた。
「失礼します。食事をお持ちしました」
「ああ、そこに置いておいてくださって結構ですよ」
例の一般兵。いつもマサキが眠っている間にその後始末をしてくれているらしい彼は、少しばかり目の前で繰り広げられている光景に面食らったようだった。申し訳ない。目を丸くして、言葉なく立ち尽くしている彼の姿を、横目で盗み見たマサキは思った。
それでもそこは職務中の兵士。直ぐに表情を引き締めると、「では、こちらに置いておきますね」と食事のトレーをふたり分、ローテーブルの上に運び込むと、「失礼しました」と、来たときと同じ生真面目さで去っていった。
「食べないのか……?」
「まだですよ、マサキ。あんまり可愛い顔であなたが寝ていたものだから、一度は達かせないとね。私の気が済まないのですよ」
その台詞にマサキの腰が跳ねた。劣情を煽る言葉に激しい快感を覚えてしまうマサキだったけれども、本来は、自分をストレートに可愛がってくれているのが伝わってくるこの手の言葉の方が好きなのだ。
激しい快楽は毒だ。身体に染み付いて更なる欲を生み出す。穏やかな快楽は薬だ。身体に染み込んで欲を満たしてくれる。欲を生み出してばかりだった日々の終わりが見えてきたのを、シュウもまた感じ取っているのだろう。
弄ぶようにマサキの男性自身に指を這わせているシュウの手に、マサキは自分の手を重ねた。焦らすだけ焦らしてから、とでも考えているのだろうが、食事もある。そうした扱いは後でいい。マサキは指を絡めるようにして、シュウの手を動かし始めた。
「なあに、マサキ。そんなに達きたいの? だったら、ほら、もっと自分で動かして」
自分で動かしているのに、自分の手ではない感触に包まれている。その落差がマサキの快感を高めてゆく。滑らかな手が、ときにマサキの動きを裏切って動く。それがより深く、マサキにその瞬間を味あわせてくれるのだ。
「ああ、出る……出る、シュウ」
マサキはシュウの手にその精を放った。
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