すっかりこれを打っていたことを忘れていました!
「ちっちゃいの~奇跡の一日~」
目が覚めると隣はもぬけの殻だった。いつものことだ――恐らくは朝食の支度に勤しんでいるに違いないシュウを追って食卓に着くべく、マサキは今の自分ひとりには広過ぎるベッドを降りた。そして着替えの服を探しかけて、それが用意されていないことに気付く。
ふと気になってベッドを振り返ると、研究にでも没頭したかったのだろうか。それとも書物でも紐解きたかったのだろうか。どうやら昨晩のシュウはマサキを寝かしつけただけで、ベッドには入っていないようだった。
これは今日の朝食は遅くなりそうだ――と、マサキが覚悟を決めて自らの着替えの服を探していると、主人たるシュウの不在時にはマサキのお目付け役を果たすこともある口煩い使い魔(ファミリア)のチカが、器用にもドアの隙間から顔を覗かせて、
「ああ、起きてらしたんですね、マサキさん。ですが、朝食にありつけるのはまだ先になりそうで」
「なんで?」マサキが問いかけると、
「どうかしちゃったんでしょうかね、ご主人様は」首を捻るとチカは言葉を継いだ。
「それは猛然と研究に勤しんでおられてですね。まあ、もともとマサキさんを元に戻すための研究なんですから、あのくらい身を入れてやるのが当然というか、今までがスローペース過ぎたというか、いつまでもいちゃついてないで、もう少し真面目に考えて行動しろって話だったんですが」
チカも口にした通り、最初の頃こそ、マサキを元に戻す研究に余念のなかったシュウだったが、時が経つにつれ、それが容易ではないことを悟ったようだった。段々と書物に向かう時間が増え、それに比例するようにマサキの面倒を見る時間もまた増えていった。
マサキが日長、ひとりで過ごす寂しさに耐えられなかったこともある。何より、ひとりでできることに限度ができてしまった以上、そうした際にはシュウの助けが必要となるのだから、仕方がないとも言える。けれども、それが結果的に、シュウの"マサキを元に戻す研究"に制限をかけてしまったのだから皮肉なものだ。
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