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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

SexuellesSpiel 2020 revenge.Ver(2)
一応、白河が何故こんなに欲情しまくっているのかには理由があったりして、次回には明かされる予定だったりします。しかし書いていて思うのですが、白河に言われたらなんでも受け入れちゃう辺り、うちのマサキ(エロ担当時)はAVの見過ぎなんじゃないかと……笑
 
多分、五回か六回で終わります。
<SexuellesSpiel 2020 revenge.Ver>
 
 具だくさんのポテトサラダにスモークチキンのクラブハウスサンド。トマトとキャベツとベーコンがたっぷり入ったコンソメスープ。サーモンのマリネにチーズの盛り合わせ。朝から夕食と呼んでも差し支えない種類の食事をテーブルに並べてみせたマサキに、シュウはどこか上機嫌な様子で、「偶には豪華な食事もいいものですね」と、その感想を述べた。
「今日、お前。機嫌がいいよな」
「何もせずとも美味しい料理が出てくる。これで機嫌が良くならなかったら、私はどうかしてますね、マサキ」
 食事を終えたマサキはシュウと分担して家事を片付けると、ママレードと精液でべたつく身体をシャワーで洗い流した。少しばかり、もしかしたらシュウが顔を覗かせるかも知れないと、マサキは警戒したものだったけれども、暗いうちからと食事前の二度で満足したのだろうか。ガラス戸の向こう側にある洗面所で歯を磨いているのを見かけはしたけれども、それだけだった。
 ママレードの付着した服を洗濯機に放り込み、新しい服に着替える。マサキがバスルームから出てくる頃には、太陽はすっかりその輝きを眩いものとし、コの字型にソファが並ぶリビングを強く照らし出していた。
 ソファの上では携帯型小型端末機を膝の上に、シュウが何かを打ち込んでいる。それを尻目に、マサキは庭と呼ぶには殆ど手入れのなされていない家の外の空き地に、洗濯物の入った籠を片手に出た。うららかな日差しの下。心地よい風を浴びながら洗濯物を干していると、まだ太陽も顔を覗かせぬ内から起きているのが祟ってきたようだ。
 開いても、開いても、落ちてくる瞼。立っていようとお構いなし。それもそうだ。まだ午前中にも関わらず、マサキは既に二回もシュウとの性行為を済ませていた。あまりアクティブに自分からあれをしたいこれをしたいと動かないマサキだったけれども、流石に|全く何もせずに寝ているだけ《マグロ》ではない。
 使う筋肉が違うのかも知れない。戦場で感じる疲れとは種類の異なる疲労感は、強い倦怠感を伴うものでもあった。マサキは手早く洗濯物を干しきるとリビングに取って返して、シュウが使っているソファとは別のソファに身体を預ける。とりとめのない考えが浮かんできていたのも数分のこと。あとはあっという間だった。マサキは深い眠りへと落ちて行った。
 
 暗い世界から覚めるのは一瞬だ。
 徐々に薄明るい世界を描き出すようになる眠りの淵。どのくらい深い眠りに就いていたのかはわからない。濡れた舌の感触を肌に感じたマサキは、黙ってその刺激に身を任せた。まだ覚醒には遠く、ままならない身体。起きようにも上手く目が醒めてくれそうにない。
 今日の朝からの流れからすると、この刺激は淫夢などではなく、恐らくシュウによって与えられているものであるのだろう。生々しさが違う。全身をくまなく這う口唇が、時折、マサキが感じやすい部分を吸い上げる。きっとみっともないぐらいに、体中が紅斑に染まっているに違いない。シャワーを浴びながら眺めた鏡に映っていた自分の姿がマサキの脳裏に浮かぶ。
 いつもシュウは後のことは知らないとばかりに、マサキの身体に所有印のようにキスマークを残す。日常に帰ってからのマサキが、その身体をどう人目に触れさせないかに苦心しているかも知らずに。だからといって、マサキはそうしたシュウの自分の身体の扱い方を嫌ってはいなかった。人付き合いが淡白な男の執着心を、自分だけが一身に受けている。身体中に刻み付けられた紅斑はその証でもあるのだ。
「シュウ……お前、また……?」
 ゆっくりと覚めてゆく意識と身体が自由を取り戻し始める。マサキはうっすらと目を開いて、ソファの上にある自分の身体の上に伏せているシュウの頭を見る。「あなたが美味しそうに見えて仕方がないのですよ、マサキ」腰周りを舐っていたシュウの顔が上がる。熱を帯びた目をしている。そうマサキが思うなり、上半身を起こしたシュウがその目覚めを受けて早速とばかりにその足を抱えてくる。
「待てよ……俺、今起きたばっか……」
「もう充分に慣らしましたよ、マサキ」
 時計を見れば、眠り始めてから二時間ほど。昼より少し前の時刻だった。「待って……待てって」性急に身体を重ねようとしてくるシュウにマサキは足を閉じた。どちらかといえば性欲過多な面のあるマサキだったけれども、細かく間隔を開けてというよりは、一度に何度も済ませてしまうきらいがある。だからだろう。シュウにとっては充分に時間を取った愛撫を、眠っている間に受けていたマサキの身体は、そこまで反応が強くなるほどの刺激とは受け止めなかったようだ。まだ快感に対する感覚が鈍い。
 せめて、もう少し時間を空けてくれてからだったら。身体の隅々まで行き渡る愛撫を受けながらも、気乗りのしないマサキはそう思いもしたものの、普段から言っても聞かないこの男のこと。引くようにみせておきながら、結局は自分の要求を通してしまうシュウに、抵抗はするだけ無駄だ。
「だったら、マサキ」
 男にしては白く細い指に手入れのされた綺麗な爪。そんなシュウの指先がマサキの口唇をなぞる。なぞりながら耳介を舌で舐ってくる。その口でして。低い声がマサキの耳元で熱い息とともに言葉を吐き出す。そのぐらいだったら反応の鈍い今の自分でもできるだろう。マサキは身体を起こすと、ソファを下りた。
 ソファに座ったシュウの前に膝を折って座る。腿に手を置いて身を乗り出したマサキは、シュウの足の奥へと顔を埋めた。硬くなった熱い昂ぶりを味わうように、その隅々まで舌を這わせてゆく。伸びかかった髪が邪魔だ。マサキは顔にかかる自らの髪を耳に掛ける。そうしてシュウの男性自身を時に吸い、時に舐り、時に咥え込む……どうしろと教わった訳ではなかったけれども、シュウの遣り方を真似ての行為は、シュウをそれなりに満足させているようだった。
 その男性自身の窪んだ部分を舌で一周するように舐める。そこから先端へ。こうされるのがシュウは好きらしい。そのことにマサキが気付いたのは、こうして口で奉仕するようになってからそれほど経たない内のことだった。
 声を殺しているらしいシュウが、時折、堪えかねたように喘ぎ声混じりの吐息を洩らす。この声を聞くのがマサキの愉しみでもあった。いつも自分ばかりが弄ばれているように感じるシュウとの性行為で、唯一、自分が能動的に快感を与えていると感じられる瞬間。その声を聞くのが好きだからこそ、マサキは熱心その行為に耽った。何度も舌先を往復させる。時々、少しだけ口に含んでは、その中で更に舐りながら。
 マサキの頭を撫でていたシュウの手が、頬を滑り、顎に下りてくる。仰がされる、顔。マサキの顔を見下ろしながら、この世の愉しみの全てを目の前にしたような微笑みを口元に湛えたシュウが言う。
「咥えて、マサキ。この口で」
 促されるがまま、マサキは深くシュウの男性自身を咥え込んだ。シュウがソファから立ち上がる。マサキはその昂ぶりを口に収めたまま膝を立て、シュウの腰を掴む。掴んで、ゆっくりと口唇で吸い上げるように顔を動かし始めた。喉近くまで吸い込んでは、顔を引く。その繰り返しの中で、少しだけシュウの顔を盗み見る。こうした瞬間に自分を見上げるマサキの顔が堪らないのだと、いつだったかシュウが洩らしたことがあった。それからマサキは意識してシュウの顔を見上げるようになった。
 満足そうな表情でシュウがマサキを見下ろしている。その手がマサキの額にかかる前髪を払い、耳へと掛ける。何度か撫でられる頭に、その温もりを心地よく感じながら、マサキは深く、浅く、シュウの男性自身を咥え続けた。
「どちらがいい、マサキ? 口の中に出されるのと、身体の中に出されるのと」
 どちらでもいい。マサキは思った。シュウが満足してくれるのであれば、どちらでも。「答えて、マサキ」口の中から抜き取られた男性自身に、そうマサキが答えると、「なら、飲んで」
 再び口の中に含まされたシュウの昂ぶりを、マサキはその口腔内で存分に味わった。舌を絡めながら口唇を窄め、時に内頬に擦り付けては喉近くに収める。その繰り返しの果てに、シュウの手がマサキの髪を掴む。掴んで、いっそう深く男性自身をマサキの口の中へと押し込んでくる。その精を口腔内に放たれたマサキは、それを喉を鳴らしながら飲み込みつつ、溜息を洩らしたくなるほどの愉悦を感じていた。
 シュウが初めからマサキの精を口に含むことを躊躇わなかったものだから、マサキはそれが当然のことだと思いそれに倣って今日まできた。舌に残る慣れた味を、ゆっくりと咀嚼する。「美味しい?」訊ねられて、頷く。そして口の中でまだ熱を残している昂ぶりに、続けて舌を這わせた。その瞬間、少しだけ、シュウの身体が震えたようにマサキには感じられた。
「ねえ、マサキ。中にも出しては駄目?」
 奉仕を求められるだけで情欲を感じてしまう。意識がない間の愛撫よりも、明確に性行為に対する衝動を抑えきれなくなりつつあるのを、マサキはその行為の合間に感じ取っていた。最初は口で済めばと思ってもいたし、シュウもそれを見越して提案した節があったものの、時間が経てば意識も変わる。断る理由はどこにもない。マサキは口にシュウの男性自身を含んだまま頷いた。
 きっと今日の自分は、シュウと同じでどうかしているのだ。マサキはそう思いながら、シュウの手で促されるがまま、その男性自身から口唇を剥がす。
 求められることに悪い気はしない。けれども、それだけでは性行為には及べないのだ。身体を屈めたシュウが、マサキを床の上に敷かれた毛足の長いラグマットの上に伏せさせる。体調にも左右されれば、感情にも左右される。そのマッチングの結果。少しだけ腰を浮かせたマサキの双丘を割って、シュウが男性自身を埋めてくる。深く、浅く、貫かれ始めたマサキが物を考えられなくなるまで、そうは時間はかからない。
「ふふ……マサキ、こうされているのは好き?」
 好きでなければ誰が身体を許すのだろう。マサキは吐息混じりの喘ぎ声を空に放ちながら、その合間に頷いた。「言葉で聞かせて、マサキ」浮いた腰の下にシュウの手が潜り込んでくる。既に濡れつつあるマサキの男性自身を少し強めに掴む。思いがけない刺激に、びくん、と腰が跳ねた。
「あ……、好き……」
「私に抱かれているのが好きなの、マサキ?」
 シュウの手で男性自身を嬲られながら、シュウの男性自身に貫かれている。その快感がマサキから思考を奪っていく。「好き、ああ、シュウ。好き……」シュウに翻弄される身体を、マサキは自分では鎮める術を持たない。
「他の人でもいいのではなく?」
「嫌、それは嫌」
 快楽に飲み込まれながらも、シュウの甘ったるい声が冴え冴えと耳に響いてくる。マサキは問われては素直に言葉を返した。「可愛いですよ、マサキ。そんなあなたの姿もね」シュウの腰が、マサキの身体の中の深い所を貫いて、小刻みに動いている。「あ、あ、それ……」マサキは頼るものを求めてラグを掴んだ。シュウの手が淫らにマサキの男性自身を弄んでいる。
 熱に浮かされたように口を吐き続ける、自らの甘い喘ぎ声。三度目ともなると、疲労感で上手く身体が動かせない。「ああ、ああっ……」だらしなく開いた口を戻せないまま、マサキは自らの精をシュウの手のひらに放った。
 
 
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