やっと二日目に突入しました!
ここからは怒涛の展開……になるといいなあ。そんなことを物思う朝です。
最近ぽつぽつと支部のフォロワーさんが増えたり、評価をいただけたりして、まだまだシュウマサは終わらんな!そんな思いを新たにしております。いいよね、シュウマサ!!!!そう世界に向けて叫びたい気持ちでいっぱいです。有難うございます。
拍手も有難うございます。この話もそろそろ折り返しに辿り着きそうです。皆様のお気持ちのお陰でここまで来れました。もし宜しければ最後までお付き合いのほどを。
リクエストもお待ちしております。締め切りまであと一週間ちょっととなっております。白河が中心なら何でもOK。シュウマサ、再リクエスト何でもござれ。宜しくお願いします。
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<記憶の底 ReBirth>
「救われた、ですか。平和というものは自らの手で築くもの。他人に守られることに慣れた結果、闘争心を失っていくでは話になりませんね」
けれどもシュウは、そういったマサキの事情にまでは考えが及ばなかったようだ。若しくは、地底人の他力本願な態度にそれだけ腹を立てているのか。そう吐き捨てると、酒を煽るようにティーカップの中身を飲み干した。
「誰もが戦う能力を持っている訳じゃないだろ。戦場に立ちたくとも立てない人間もいる」
「能力的な問題まで責めようとは思ってませんよ。ですが、平和を築く手段は戦争だけではありませんよね。外交、抗議活動、治安維持……地道な活動を支えるのはどういった感情です。闘争心もそのひとつではありませんか。平和を獲得してみせるという。フィールドが変わろうとも、闘争心が必要になることに違いはありません」
「平和を獲得する戦いとも云うしな」マサキはソファを立ったシュウを目で追った。
話に一段落ついたと思ったらしい彼は紅茶を淹れに立ったようだ。熱湯を溢れさせるのが怖いのだろう。そろそろとティーポットに湯を注いでいるシュウに、そこまで怖がるもんじゃないだろ。マサキは笑った。
「最初の頃に思いっきり熱湯を溢れさせてしまったんですよ」
「だからってそこまで慎重になることもないだろ。そういった動きに慣れるのも、今のお前で剣をきちんと扱えるようになる為には必要だぞ」
「頭ではわかってはいるのですが」
「失敗を恐れるなよ。お前はそういった面があるよな。負けず嫌いだからか、出来ないことを恐れるみたいなさ」
そうなのでしょうか――ややあってソファに戻ってきたシュウが、先ずはひと口と紅茶を口に含む。
テリウスたちを遠ざけてひとりの時間を過ごし続けてきた彼は、誰かと話をする機会が限られたのではないだろうか。喉が潤いました。久しぶりに大量に話をしているらしい彼は、そう云ってひと心地ついたような表情をみせた。
「ところで、さっきの話だが」
「続けるのですか? 僕はあなたが納得してくれたのだと思っていたのですが」
「ひとつだけ云っておきたいことがあってな」
彼の鼻を明かしたいといった考えではなかった。マサキはただ自らが9歳のシュウに感じているもどかしさを消化したかっただけだった。
彼の物事の捉え方は深層的ではあったが、同時に局所的でもあった。9歳という年齢にしては柔軟性欠ける結論。彼はひとつの真理を発見したと感じると、そこに固執したがる傾向がある。それは、様々な視点からひとつの物事の分析を繰り返し、そこから砂漠で一粒の砂金を拾い上げるように真理を導き出す現在のシュウにはないものだ。
十を知ることで、唯一を識《し》る。
世界の地平を眺めているような態度の男は、もしかするとその高みにいるからこそ、他人の心の機微にまで目が届くようになってしまったのかも知れなかった。栄華を知り、苦境をも知る。自由を知り、不自由をも知る。生を知り、死をも知る。それは目まぐるしく景色が移り変わるジェットコースターのような人生だったが、彼に深い洞察力を備えさせるのには大いに役に立ったに違いない。
鼻持ちならなく感じられる彼の物云いや、態度が懐かしく感じられるのは、彼が通り一遍な皮肉屋ではなかったからだ。
マサキは怪訝そうな表情を向けているシュウの顔を凝視《みつ》めた。
嫌気を感じるくらいに整った顔。端正な面差しは、まるで切れ味鋭いナイフのようだ。その印象に違わぬ言説を放っていた男は、今はマサキの記憶の中にしか存在していない。9歳の自分という稚い精神を抱え込む器としては大き過ぎるシュウ=シラカワという存在は、自己を失って何処に向かうのだろう。
マサキはそれを見たくなかった。
だからマサキは、心の底に溜め込んでいたその想いを口に乗せることにしたのだ。
「お前は救われた人間をラ・ギアス世界の人間に限ってるだろ。でもそれはそんな単純な話じゃない。魔装機という力は俺たちも救ってくれたんだ」
それは。と、シュウが言葉を詰まらせる。
「お前は救われた人間をラ・ギアス世界の人間に限ってるだろ。でもそれはそんな単純な話じゃない。魔装機という力は俺たちも救ってくれたんだ」
それは。と、シュウが言葉を詰まらせる。
聡明な彼のことだ。この言葉だけで全てを悟るだろう。マサキは空になったカップを手に立ち上がった。粉をたっぷりと使って泥水のようなコーヒーを淹れる。それにシュウが反応をみせない辺り、彼は様々に考えを巡らせているようだ。
どこまでシュウがマサキとの会話に時間を使うつもりかは、彼の匙加減ひとつにかかっていたが、出来得る限りそれに付き合ってやりたいとマサキは思っている。そうでなければどちらのシュウも報われない。マサキはここに来て、初めてシュウの記憶を取り戻してやりたいと願った。確かに彼はマサキに対して不埒な振る舞いに及んだ。身体に残っている性行為の記憶は今尚マサキにシュウを強く警戒させると同時に、渇望をも呼び込んでみせている。けれども、どれだけマサキにとって厄介な性質を持つ人間であろうとも、彼としての自我が奪われたままの状態であっていい筈がない。
とある人間をその人物足らしめているのは、それまでの経験が詰まった記憶であるのだ。
ソファに戻ったマサキはコーヒーを啜った。不味い。シュウの茶の淹れ方にあれこれ思う割には、彼のことなど微塵も云えない出来。これならシュウに任せた方が良かった――マサキは身勝手にもそう思わずにいられなかった。
シュウはかなりの時間を沈黙するのに費やしていた。
マサキの思惑が何処にあるのか。その意図は何か。そして言葉が意味するもの。彼がそれらを正しく汲み取ってくれたのかは、マサキにはわからない。けれども彼は、きちんとそれらに思いを馳せたのではないだろうか。暫くして顔を上げたシュウは、込み上げてくる感情を抑えているような声で、「僕は知らなければならないことが多いようです」とだけ口にした。
そして、気を取り直した様子でマサキに向き直ると、
「だから、マサキ。僕にあなたが見てきた僕の話をしてくれませんか。あなたがラ・ギアスに召喚されてから今日まで。あなたにとって僕がしてきた行動がどう映ったのか。遠慮は要りません。正直な感想を聞かせてください」
※ ※ ※
寝慣れないベッドの上で目を覚ましたマサキは、けたたましく起床時刻を告げている目覚まし時計を手探りで止め、暫くブランケットの中でまだ抜けきらない睡魔に必死に抗った。
シュウとの話は深夜にまで及んだ。
彼にとって未来の自分の行動は疑問が先立つものばかりだったようだ。何故? どうして? 細かく尋ねてくる彼に、マサキはどう答えたものか言葉に窮したりもしたが、どうにか現在に至るまでの経緯を説明しきった。
飲んだコーヒーの数は5杯を数えた。
部屋に戻っても中々寝付けなかったマサキは、彼との性行為を脳裏に蘇らせながら自慰に耽った。部屋ひとつ挟んだ隣に9歳の彼がいるこの場でよくもまあ――とは、マサキ自身も思ったことだったが、元来ストレスがピークに達すると身体を慰めずにいられなくなる性質だ。仕方のないことだとマサキは自分に云い聞かせて、欲望に溺れた。
限られた空間で精神を後退させてしまったシュウとふたりで生活する。戦場の過酷な環境に比べれば遥かに恵まれた世界にいるのはわかってはいたが、理性で封じ込められるような本能でもない。マサキにとって自慰とはストレス発散の方法であり、自身のアブノーマルな嗜癖を満足させる手段でもあり、本能的な衝動でもあるのだ。
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