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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

OUT OF BLUE
さっくり終わるエロです。久しぶりのシュウマサでしたが、思う通りに書けたかというとそんなことはなく。もっと白河を意地悪にしたかったんですが……
シュウマサへの今夜のお題は『崩れ落ちる / 舌を入れる / 「何でも言うことを聞くから」』です。」という診断メーカーのお題を消化したものでした。多分、サイトには収録しません。

ぱちぱち有難うございます。最近のワタクシは強欲なので、出来れば感想も下さい。

ところでいつ30の物語の更新を再開するのかという話なんですが、@kyoさん辞書を買ったんですよ。「難読漢字選び辞典」と「感情ことば選び辞典」。創作の役に立てばと思ったんですけど、それが届くのが今日なんですね。(ちなみにエロ資料用に官能小説も買いました)
私、言葉が大好きなので、それを読めば創作気分が高まるんじゃないかと期待しているんですよ。なのでもう暫くお待ちくださいませ。我儘で申し訳ございません。

P.S.pixivの白河祭り2010を非公開にしました。今後はサイトでお楽しみください。
<OUT OF BLUE>

 巨大戦艦の非常階段の影で身を隠すようにして思い悩んでいる様子たった。
 思春期から青年期にかけて、人は様々な出来事に心を揺さぶられては眠れぬ夜を過ごす。それは傍若無人に振舞っているように見えるマサキにしても同様だったようだ。何が彼をしてそこまでの表情をさせたものか。まるで世界の終わりに立ち会ったかのように思い詰めた表情をしているマサキは、それを踊り場の影から見上げているシュウの存在に気付かないまま、ひっそりと。その黒々とした眼《まなこ》から一筋の涙を流した。
 内に抱えた悲しみを静かに溢れさせているマサキを間近にして、黙ってその場を立ち去ることを選べなかったシュウは、次の瞬間。きっと涙がその緊張を解いたのだろう。ふっ、と身体を弛緩させたマサキの表情に鼓動を早めずにいられなかった。
 それはいつかのマサキがシュウとともに過ごした夜の合間にしてみせた表情そのものだった。声を放つまいと堪えながらも緩んでしまう口唇に、押し寄せる快感に攫われまいと足掻いてみせるながらも細まる瞳。僅かに歪んでいる眉や滲んだ涙までも、まるで二重写しのように在りし日のマサキに重なって映る。異なるシチュエーションでありながら、酷似するふたつの顔。シュウとの秘めやかな時間を想起させるマサキのその表情は、だからこそどうしようもなくシュウの情欲をそそった。
 これではまるで襲われることを待っている獲物ではないか。
 シュウは自らの中に瞬間的に湧き出たマサキに対する嗜虐性を抑えきれずに嗤った。何にせよ、この場で彼のそうした表情を目の当たりにすたのもまた必然の力による巡り合わせである――と、衝動の赴くがままに階段を上がる。その靴音でマサキはシュウの存在に気付いたようだ。慌ただしく手の甲で涙を拭うと、「何だよ……いたなら声ぐらい」涙を見られた気まずさからだろう。物憂げな表情を晒すマサキに、シュウは言葉を返すこともなく。その目の前に立ち、マサキの肩を掴むと、力任せにその身体を壁に押し付けた。
「お、前……っ、何を考え」
 そのまま、突然の出来事に身体が対応しきれていないマサキの口唇をシュウは奪った。そして薄く開いたままだった口唇に、迷うことなく舌を差し入れた。流石に今さっき涙を流したばかりの感情を直ぐには切り替えられないのだろう。首を振って抵抗するマサキにシュウはその顎を掴んだ。動きを封じられても大人しくとはいかないマサキの腿を続けざまに膝で割る。そして胸を叩いてくる手には構わず、強引に口付けを与えた。
 舌を絡ませ、口唇を舐め、時にそれぞれ吸っては、深く。
 次第に弱まってゆくマサキの拳の感触に、シュウはその肩を開かせた。すんなりと腕を落として壁に背中を預けたマサキに、口唇を離して表情を窺う。涙に濡れていた瞳は変わらずに潤んでいたものの、その濡れ具合の意味するところは異なるようだ。熱っぽく自分を見上げているマサキの揺れる瞳に、どうされたいの? とシュウは囁きかけた。
「好きにしろよ……どうせ俺が何を云ったって聞きやしないだろ、お前……」
「そんな目をして云っていい台詞ではないですね」
 云いながらジャケットの合わせ目を解いてやると、何かを期待するかのようにマサキの身体がぴくりと震えた。ほら、と指をシャツの上から乳首に這わせ、そうっと刺激を与えてゆく。まともに目を合わせるのが気恥ずかしいのだろう。顔を伏せたマサキは、暫くの間、時々ひくひくと引き攣らせるように身体を揺らしながらシュウの愛撫に身を任せていたが、やがてどうにも堪えきれなくなったようだ。シュウの腕を掴むと肩に顔を埋めるようにして、あ、と小さく声を上げた。
 あ、あ、と、断続的に声を上げるようになったマサキに、シュウは腿を割っていた膝を滑らせた。硬さを増しつつある男性器の感触を確かめるように何度も繰り返してやりながら、その口元にシャツの裾を咥えさせる。そして露わになった肌にゆっくりと、腰から手を忍ばせてゆく。
 んん……と、乳首をなぞられたマサキが、シャツを噛んでいる口の端から声を洩らした。シュウの愛撫にすっかり身を任せきっているマサキの身体を、シュウはそこからじっくりと時間をかけて嬲った。指の腹で乳首を擦ってやりながら、腿で男性器をなぞってやる。たったそれだけの刺激は、けれども繰り返されるうちに、マサキの身体をどうにもないところへと追い込んでいったようだ。早く、と腰を振りながら言葉を発したマサキに、まだですよ――シュウは力の加減を変えながら、執拗に刺激を与え続けた。
 そろそろ、となっては力を抜き、まだまだ、となっては力を加える。そうやって高ぶったマサキの男性器をコントロールし続けるシュウに、我慢が限界を迎えたようだ。「も、やだ……っ、いい加減に……」と、とうに頬を染めきってだらしなく口を開くだけとなっていたマサキが、一筋の涙を零しながら声を上げる。
 そこでシュウはマサキから手を離した。
 続けて膝から脚を抜いてやると、腰をがくがくと云わせながらその場に崩れ落ちる。そのまま何もせずにマサキの前に立つだけとなったシュウに、行為の終わりを悟ったのだろう。絶頂寸前まで煽り立てられては鎮められ続けたマサキは自尊心を失った様子で、やだ、と口にしながら、シュウの脚に手を伸ばしてきた。
「もう充分愉しんだでしょう、マサキ。続きはご自分でどうぞ」
 涙に濡れた瞳がシュウを見上げている。蕩け切った表情は一転して絶望に歪んでいた。愛撫に時間をかけただけあって、余程の飢えを感じている様子だ。わななく口唇が、やがて焦れ切った声の調子で言葉を紡ぐ。
 ――何でも云うことを聞くから……だから、シュウ。達《い》かせて。
 そのマサキの欲望に支配された姿にこれ以上とない快絶を感じながら、「その言葉、確かに聞き届けましたよ」シュウはマサキを自らの欲望の餌食にすべく、その身体に手を伸ばして行った。


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