忍者ブログ

あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

ご隠居さん/野口卓

ここ四日ばかり寝っ放しの生活を送っていたワタクシです(´・ω・`)
鏡磨きのおじいさん(イケメン)が、方々のお宅に伺っては、鏡磨きのついでに、自分が知っている小話を話して歩くというストーリー。鏡磨きのおじいさんには何か秘密がありそうなのですが、それを探られては口先三寸で逃げ回ります。おじいさんの正体は一体何なのか!
 
懐かしい話を沢山読みました。
「三すくみ」や「酒虫」、「番町皿屋敷」など、子供の頃に夢中になって読んだ話の数々が、おじいさんの小話に出てくるのですが、「どれも知っている懐かしい話ばかりだな……」と思っていたら、なんとまあ!(ここから先はネタバレ)
 
おじいさんは某商家の大旦那さんで、元は鏡磨きをしていた出入りの業者でした。商家の一人娘に見初められて、旦那となったおじいさんは、奥さんと一緒に教養を付けるために落語などを良く聞きに行っていたそうです。成程!納得!
私は子供の頃、落語に一時期ハマって、全集を読んだりしていたのですが、それで知っている小話が多かったのかと。よくよく思い返してみれば、小説内の小話も落語の小話の中に出てくるような話ばかりです。
 
落語に興味のない人にとっては、面白みが欠ける小説家も知れませんが、「三すくみ」の由来といったちょとした知識を求めるのには最適な小説ですよ。いやーしかし、私の子供の頃の夢は「ハマ(おじいさんの奥さん)みたいになりたい」だったんですよね。月日が経つのは恐ろしや……。
 
PR

コメント