なんか満足した。
ので、真面目な話を頑張ろうと思います。
そんなにエロくはなかった今回。久しぶり過ぎて自分でも設定忘れてたんですけど、白河、まだ常任になってなかったんですね!びっくり。もうとっくに学年主任になってたと思ってたよ!笑
次回はまた一年後ぐらいですかねえ。戦闘パートもやりたいんですけど、その野望が果たされるのはいつの日になることか……
忘れてました!今回使わせていただいたサイトはこちら!
中学校数学・学習サイト:https://math.005net.com/
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<個人授業>
直後に重なり合う口唇に、一も二もなく彼の頭に手を回す。
いつ以来の口付けかさえも忘れてしまった温もり。形のいい口唇がマサキの口唇を吸う度に、マサキは喉を鳴らしながら彼の口唇を貪った。心が震える。七月から十月までの約三ヶ月間、脳裏に思い描いた未来を実現する為に我慢に我慢を重ねた。もう我慢をしなくともいいのだ――。マサキの頬を一筋の涙が伝い落ちた。
指先の冷ややかさとは裏腹な温かみに感じるリアリティ。敵でもなければ味方でもない男に懐柔されているだけだとわかっていても、マサキはその温もりに身を委ねていくことしか出来なかった。
欲しい。終わりを先延ばしするかのように、マサキの舌を探ってくる肉厚なシュウの舌。欲しい。荒くなる息を取り繕うこともせず、マサキはシュウの舌に自ら舌を絡めに行った。自分に口付けを落としてくるシュウの口唇、自分の身体を愛撫するシュウの手、そして自分を貫くシュウの男性器、全てが欲しい。それはきっとマサキの口唇にも表れていたのだ。
ファミレスとベッド、どちらに行きたいですか? マサキの口唇から剥がれたシュウの口唇が、ひっそりと言葉を吐き出す。ベッドがいい。喘ぐようにそう告げると、シュウは小さく声を上げて笑った。
「あなたの欲望に素直なところは嫌いではないですよ、マサキ」
身を捩じらせてシュウの首に腕を絡ませにいったマサキは、次いでシュウが自分の身体を抱き上げるのを待ってから、滑らかなその首筋へと舌を這わせていった。少し待ちなさい。流石にそこまでマサキが自らの欲望に忠実な態度を取るとは思っていなかったようだ。シュウは苦笑しきりで寝室へとマサキを運んでゆく。
白い壁紙に、黒いブラインドカーテン。モノトーンに染め上げられた寝室の中央に、白いシーツも目に眩い黒いベッドが、まるでマサキを待ち構えているかのように陣取っていた。ここに身体を収めるのもいつぶりか。ベッドに横たえられた身体を深くシーツの海に沈めて行きながら、マサキは自らの身体に覆い被さってくるシュウの重みを全身で受け止めた。
耳に、頬に、首筋に、押し当てられる口唇が、性感帯を探り当てては湿った感触を残してゆく。そうして一枚、また一枚と、取り去られてゆく服。火照った身体の温もりを確かめるように、シュウの指が肌を辿った。
つい先程までその愛撫に晒されていたマサキの身体は、マサキ自身も驚くほどに感度がいい。ああ、ああ、ああ。マサキは我を忘れてよがった。恥じらいばかりが先に立っていたシュウとの|性行為《セックス》の記憶がちらと脳裏を過ぎったものの、飢え切った身体はシュウの手で与えられる愛撫を水を吸い込むように受け入れていく。シュウ、シュウ、シュウ。マサキは繰り返しその名を呼んだ。彼の髪に埋めた指を立てて、シーツの波に浚われそうになる身体を必死で繋ぎとめながら、指先に舌先と、リズムを奏でながらマサキを愛撫するシュウの温もりに身を委ねた。
鎖骨に、乳首、脇の舌から、側腰部。身体を返されたかと思えば、うなじから背筋を辿り、臀部の上の窪みまで。ああ、ああ、もっと。もっと、シュウ、もっと。更なる刺激を欲しがるマサキの男性器の先端から、じわりと精液が滲み出た。更に返された身体。背中をシーツに埋めたマサキの足首を掴んだシュウが、その指を舐めてくる。
びくん、とマサキの身体が跳ねた。
身体のそこかしこがシュウの愛撫を求めて疼いている。欲望が温もりを恋しがらせて限りない。だからなのだ。どこを触られても、どこを舐められても、気持ち良く感じられてどうしようもない。はあっ、ああっ、シュウ。マサキは腰を反らして喘いだ。纏わり付く汗。どろりと澱んだ空気が揺らいだ気がした。
そうしてシュウの手に導かれるがままに腿を開いたマサキは、菊座を探り始めた彼の指を腰を振って招き入れた。
ゆるゆると埋め込まれた指が、やがて緩やかに動き始める。彼の指はマサキの身体を、その内側から自在に煽り立てていった。ほら、達《い》きなさい。直後に男性器に襲いかかる突き刺すような快感。そうでなくとも過敏に刺激に反応するようになっている身体に、長くは持たないと察したマサキはいやいやと首を振った。あ、やだ。やだ、シュウ。しかしそう云ってみたところで、身体は正直だ。特に男の身体ともなれば、わざわざ覗き込んだりせずとも、腹の上に横たわる男性器の具合で欲望の度合いが知れてしまう。こんなに濡らして。下腹部から突き出ているマサキの男性器は、今にも溶け出してしまいそうなまでに濡れそぼっていた。
「どうされたいの、マサキ?」
快感に踊らされる自分を見下してみせる男。愉悦に満ちた彼の表情を、マサキはもう憎らしいとは感じない。
揶揄うように尋ねられて、欲しい。マサキは憚ることなく懇願した。何を? 重ねて尋ねられたマサキは、動きを止めないシュウの腕を掴んで、もう一度。
欲しい。
獰猛な光がシュウの目に宿る。だったら――と、言葉を継いだ彼の口元には残虐な笑み。
エミュレイターにせよ、ウィザードにせよ、それがただの人間でしかなくとも、自らと対立をする者と認識したが最後、彼は誰であろうと等しくこういった表情をしてみせたものだった。冷静に物事を処理してみせながらも、本心は別のところにある男……マサキを見下ろす双眸には、今にも舌なめずりを始めそうな歓心の色が浮かんでいる。
「そろそろこの口も躾けてあげないとならないですね」
シュウの手がマサキの顎にかかった。出来るでしょう、マサキ。顎を掴みながら親指で口唇を辿ってくるシュウの云わんとしていることを理解したマサキは、何でもする。そう言葉を発しながら、ベッドに沈めていた身体を起こした。
「なら、その気にさせるのですね。あなたのその口で」
シュウの股間に顔を重ねるように自ら膝を付いたマサキの積極性に、彼は例えようのない充足感を感じているようだった。聞き分けのいい生徒は好きですよ。髪を撫でながらマサキの顔を仰がせると、今日も脱ぐことのない黒衣の内側から既に充分に昂っている男性器を引き出して、口元へと押し当ててくる。
マサキはすぐさま口を開いた。
煽りに煽り立てられた身体が欲しがっているモノを目の前に突き付けられて、理性を保てと云うのは無理な話だ。マサキはシュウの男性器に口付けた。口付けては舐め、舐めては口付ける。決して慣れた行為ではなかったものの、欲には打ち勝てない。マサキは心を突き動かす欲望の赴くがままに、シュウの男性器に舌を這わせていった。そして時折、彼の満足の度合いを窺うように視線をその顔へと向ける。
そういったマサキの姿は、従属を受け入れているようにシュウの目には映っていることだろう。口元に湛えた笑みを慎む様子もなければ、冷徹にマサキの様子を捉えている瞳の残酷な輝きを隠す様子もない。マサキの奉仕を、その主体性に任せて受けている男はいつもそうだ。最終的にはマサキに全てを委ねてくる。だのにそんな男が、マサキには憎々しくとも恋しく感じられるのだ。
だからこそ、次第に焦れる身体。満たされたと思ってもそれは一瞬だ。シュウの温もりを恋しがって悲鳴を上げ始めた肌に、まだ……? マサキは幾度目かもわからない口付けを、彼の男性器に捧げながら尋ねた。
結構ですよ。ベッドに腰を落としたシュウが、その膝の上へとマサキの身体を導いてゆく。マサキはシュウと向き合いながら彼の腿を跨いだ。ほら、腰を下ろして。菊座に押し当てられた男性器が、腰を少し沈める度にずるりとその内側に|挿入《はい》り込んでくる。
三ヶ月に渡る禁欲生活は、マサキの身体からその熱を受け入れるだけの柔軟性を奪ってしまったようだった。少し受け入れてはまた少し。時間をかけてシュウの男性器の全てを腹の中に収めたマサキは、息を荒らげながらシュウの口唇に口付けた。早く、動けよ。急かしたところでシュウが自らのペースを崩すことなどないとわかっていても、ねだらなければ続かない。動けってば。マサキは言葉を重ねた。その瞬間に終わりにすることさえ躊躇わない男が相手となれば、どれだけ初心なマサキであっても饒舌にならざるを得ない。
「|性行為《セックス》に溺れた結果、あなたの学習の記憶が上書きされてしまうのでは本末転倒。おさらいをしましょう、マサキ。答えられたら動いてあげますよ」
ぞっとしない台詞が耳に飛び込んできたその瞬間、マサキは悲鳴に似た声を発していた。
「お、前……本ッ当に、意地悪だな……っ!」
「答えられればいいだけの話でしょう。中学数学ですよ、マサキ。高校三年生ともなれば、本来造作もない話でしょうに」
「だったら早く問題を出せよ。答えればいいんだろ。答えれば。その代わり、答えられたら動けよ」
耳元に響く嗤い声。シュウの要求を躊躇いがちに受け入れることしか出来なかったマサキが、三ヶ月の禁欲生活を経て出した答え。その急激な変化が彼には面白く感じられて仕方がないようだ。そんなに動いて欲しいですか。揶揄うように尋ねてくる。マサキはこくこくと頷いた。
「なら、問題です。2y+14を因数分解しなさい」
「馬鹿にすんなよ、このぐらい……2(y+7)だろ……」
「良く出来ました」
途端に突き上げられる身体。待ち望んでいた刺激を得られたマサキは、震えながらシュウの身体にしがみ付いた。だのに根性の捻くれた化学教師はそれだけで話を済ませる気はないようだ。続けましょう。と次いでマサキに囁きかけてくる。
「答えられたら続けてあげますよ、マサキ。x2+8x+12を因数分解しなさい」
「4×3……6×2……っ……(x+2)(x+6)……」
「では、x2-a2」
「あっ、やだ……っ、そこ、突くなって……」
「動けと云ったり突くなと云ったり忙しい人ですね。答えは?」
「……(x+a)(x-a)……も、やだ……普通に、しろって……」
けれどもシュウはマサキを攻めるのを止めないばかりか、どうあっても今日の学びを無駄にさせたくないらしい。あと四問ですよ、マサキ。声を上げて嗤いながら続けられる出題に、マサキは喘ぎ声を放ちながら、その一つ一つに答えていった。
「ねえ、何かマサキ、最近やつれてきてない?」
「ねえ、何かマサキ、最近やつれてきてない?」
シュウの個人授業が始まって三週間もすると、流石に彼の尋常ならざる指導方法は効果を発揮したようだった。或る朝、教室でマサキの顔を覗き込んでくるなりそう言葉を発したミオに、当たり前だ。マサキはそっぽを向いて答えた。
「勉強してんだよ。察しろ、そのぐらい」
「あー……そっか、そうだよね……」
マサキの初級公務員試験の結果は既にクラス中に広まってしまっていた。無理もない。唐突に学校を休んだかと思えば、遅刻や早退も当たり前。珍しくも一日中学校にいたかと思えば、その大半は寝こけていたりするのである。これでマサキが真っ当な高校三年生だと受け止める学生はそうもいまい。
案の定というべきか、クラスの半数はマサキを不良生徒と同一視しているようだ。
その不良生徒であるところのマサキが、何を血迷ったかお堅いにも限度がある公務員を目指しているのだという。これで噂話にならない方がどうかしている。かくてその結果は噂千里を駆けるとばかりに、あっという間に三学年に広まってしまった。
「でもまだ来年の試験シーズンまで間があるんだし、そこまで根を詰めなくても」
「卒業させるってあの野郎が煩いんだよ! それに俺だって卒業はしてえ!」
「え? マサキ卒業する気あったの?」
「当たり前だろ! 卒業見込みも取れずにどうして公務員になれるんだ!」
「そんなスパルタな性質だっけ、あのセンセ。てかマサキだけ依怙贔屓する訳にはいかないとか前に云ってなかった? まあ、卒業まで半年切ってるし、そろそろ可愛い生徒の為に本性表したとしてもおかしくはないけど」
そうなのだ。マサキは宙を睨んだ。
マサキたち三年生の卒業まであと半年を切った。卒業後のシュウがどういった道を辿るのかマサキにはわからなかったが、この学園で彼とともに過ごせるのはあと半年もない。だから、なのだろうか? 最近とみに増えたシュウからのスキンシップ。マサキはそれを三ヶ月の禁欲生活の所為であると思っていたが、もしかすると――。
「あまり大声でそうした話をしないで欲しいものですね、ミオ」
気配を殺していつの間にか背後に立っていた黒衣の化学教師に、さしもの強化人間も驚きを隠せないようだ。びくん、と身体を震わせると、「……ここが学校で良かったって思ってよね、センセ」と、表情のない瞳で言葉を吐く。
「妙な所であなたと出会わないことを願っていますよ」
進路のこと……シュウとの関係……腹に一物ありそうなミオの目的にしてもそうだったし、暴力的なリューネの愛情をどう処理するかもそう。マサキが卒業までに片を付けなければならない問題は山積みだ。
半年か。マサキは朝礼を行うべく教壇に立ったシュウから目を逸らした。そして窓の外に広がる青空を眺めた。10月の秋の空は、涼やかな風をマサキの許へと届けてきてくれたものの、マサキの心は晴れなかった。半年後の俺はどうしているんだろう。卒業後の自分とシュウの関係に思いを馳せたマサキは、明るくない未来しか思い描けない二人の関係に、ひっそりと溜息を吐いた。
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