ついに27つめの話に突入しました。
今日中には終わらない気がしますが、進められるところまで頑張りますので、よろしくお付き合いのほどを。今回はリクエストで「愛してるゲームを(なんかの罰ゲーム的に)することになったマサキとシュウ」です。
ネタがネタなので多少のおふざけは許されるかな、などと思いながら書き始めたら、先ず「愛してるゲーム」に辿り着くまでが長い!笑 簡単にはそこに辿り着けない! そりゃそうだ! リクエストを全文公開していないので、皆様におかれましては初耳だと思われますが、愛してるゲームをするシュウマサは「くっつく前のシュウマサ」です。おお、難易度高い!笑
ちなみに愛してるゲームについては各自検索していただけますと幸いです。
では本文へどうぞ!
今日中には終わらない気がしますが、進められるところまで頑張りますので、よろしくお付き合いのほどを。今回はリクエストで「愛してるゲームを(なんかの罰ゲーム的に)することになったマサキとシュウ」です。
ネタがネタなので多少のおふざけは許されるかな、などと思いながら書き始めたら、先ず「愛してるゲーム」に辿り着くまでが長い!笑 簡単にはそこに辿り着けない! そりゃそうだ! リクエストを全文公開していないので、皆様におかれましては初耳だと思われますが、愛してるゲームをするシュウマサは「くっつく前のシュウマサ」です。おお、難易度高い!笑
ちなみに愛してるゲームについては各自検索していただけますと幸いです。
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<Confession of love>
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酔ってはいたが、理性は残っていた。
補給で立ち寄ったコロニーの作業完了予定時刻までは、未だ一日以上ある。戦いに追い立てられる日々。休暇が欲しいと望んではいたものの、いざこれだけの時間を与えられてしまうと、余りある時間をどう使えばいいかわからなくなったものだ。どうやらそれはマサキに限った話ではなかったらしい。補給基地からそう遠くない場所にある繁華街にある居酒屋には、それなりの操縦者《パイロット》たちが顔を揃えていた。
男だらけのむさい飲み会。
彼らを集めたのは甲児だった。
補給の合間に酒を愉しむなんて――と、さやかは非難したものだが、それでお祭り男な甲児が止まる筈もない。非戦闘区域に指定されている宙域にあるコロニーとあっては、羽根も伸ばしたくなったのだろう。後でブライトが頭を抱えるような状況にならなければいいが。そうマサキは思ったものの、いざ酒と食事が運ばれてくると、所詮は類友。その誘惑には打ち勝てない。
甲児の強い勧めもあり、少しだけならと酒に口を吐けたが最後。
「てめえがこんな席に顔を出すとはな」
「あなたこそ」
早三杯目。それなりに酔いの回ったマサキは、しれっとその座に混ざっているシュウを隣に、ここぞとばかりに本人相手の鬱憤を晴らしていた。「大体、てめえは……」性格から香水。そして髪型にまで至ったマサキの絡み酒を、酔っ払いの戯言と受け止めているのだろうか。それとも相手にする必要性を感じないだけなのか。シュウは右から左へと受け流しては、アイスティーを片手に料理を抓んでいる。
「お前は飲まないのか」
「あなた方が羽目を外し過ぎないか見に来ただけですしね。補給完了まで一日以上あるとはいえ、戦時中には違いない。その辺で止めておいては如何です」
そんなことはわかっている。マサキは盛大にむくれてみせた。伊達にここまで魔装機神の操者として戦い続けてきた訳ではないのだ。だというのに、それを憎々しいまでの取り澄ました表情で指摘されたものだから、意地を張らずにいられなく。
「まだ酔ってねえよ。あと二、三杯ぐらいならいける――」
そうマサキが云ったのを、甲児は聞き逃さなかったようだ。
「いいねえ、いいねえ。流石はマサキ。よくわかっていらっしゃる」
そして勧められるがまま、立て続けに二杯の酒を煽った。
流石に視界がぐらつき始めたものの、シュウに啖呵を切ってしまったあと。絶対に彼にだけは酩酊状態にあることを悟られてはならない……努めて平静を保っている振りをしながら、どうかすると垂れてきそうになる頭に頬杖を付きながら、マサキは酔いが悪化しないように料理を抓み、「そろそろペースを落とすぜ」それでも尚、酒を勧めてくる甲児をどうにか遣り過ごす。
「さてさて、ではそろそろ座も盛り上がって参りましたし、これをやりますかねえ、皆さん」
マサキの酒が七杯目を数える頃。爆発的な盛り上がりを見せていた座は、そろそろしんみりと語り合う場に変わりつつあった。隣り合った者同士、思っていることを忌憚なく口にする。シュウもマサキに背を向けて、隣り合った操縦者とそれぞれの愛機の開発談義に花を咲かせている。忙しない艦内生活においては、こうしてじっくりと腰を据えて語り合える機会など稀。だからだろう。耳に届く言葉を拾ってみれば、戦争の意義といった深いところにまで話が及んでいるグループもあるようだ。
そんな真面目な空気がお祭り男には耐え難いものであったようだ。
碌なことを考えてない時ほど言葉遣いが改まる甲児が、割られた割り箸の束を両手に掴んで取り出して来る。それを目にしたシュウはひと目で甲児が何をしようとしているかわかったのか。碌でもない、と呟く声が、背中越しに聞こえた。
「何をやるって?」マサキは甲児に尋ねた。
「王様ゲームに決まってるだろ。女連中がいるとセクハラだなんだ煩いしな。こういうむさい飲み会の方が盛り上がるんじゃねえかって」
「地獄絵図にしかならねえ気がするけどな」
艦内の手空き時間に素面で女性陣を含めてやった時は最悪だった。男と男の組み合わせだろうが、女と女の組み合わせだろうが、男と女の組み合わせだろうがお構いなし。甲児が王様を取ろうものなら、即座にハグやキスを求めてくる。それに対してセクハラだと抵抗する女性陣。親交を深める為だと甲児は云い張ったものだが、その程度のゲームで親交が深まるのであれば戦争など起こりはしない。
むしろ亀裂が生まれたような気さえする。
女性陣が艦内の乗組員《クルー》に事の顛末を云って歩いたこともあって、暫くマサキたちは艦内で肩身が狭い思いをしたものだった。その悪夢を再来させようというつもりなのか。盛大に顔を顰めたマサキに、お祭り男たる甲児は細かいことはどうでもいいとばかりに、
「馬鹿、それが面白いんじゃねえかよ」
「甲ちゃん、懲りねえな……」
あまり思い出したくない記憶だったことに深掘りしてから気付いてしまったマサキは、げんなりと頭《こうべ》を垂れつつ、けれども抗議の言葉などこの男相手には何の意味も持たないのだと覚悟を決めた。
他の操縦者たちも、このまま堅苦しい話題を続けるのもと思ったのだろう。一部の操縦者たちはごねたものだったが、思った以上に広い範囲にすんなりと甲児の提案が受け入れられたこともあって、男だらけのむさい飲み会での王様ゲームはその幕を開けることとなった。
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