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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

またしても異世界に召喚されてしまった安藤正樹
出オチです。一応ストーリーらしきものはありますが、大いに手を抜いています。



<またしても異世界に召喚されてしまった安藤正樹>

 同じところを延々と回り続けている自覚はあった。
 先程も目にしたばかりの景色。うっそうと繁る木々に覆われているソラマメ型の湖を目にした瞬間、マサキはそこはかとない絶望を感じずにいられなかった。またかよ。と、つい口を衝いて出るぼやき。二匹の使い魔はそれで主人の進行方向《ルート》選択が、恣意的ではないことに気付いたようだ。やいのやいのと途端に喧しくなった。
「またニャの、マサキ」
「迷ったんだニャ」
「そういうのは早く云わニャいと」
「気付いた時に引き返してれば、知ってる場所に戻れたかもしれニャいんだニャ」
「仕方ないだろ。どっちに向かってるかもわからねえってのに」
 マサキの膨大な気《プラーナ》は、しばしば精霊レーダーに甚大な問題を引き起こした。今もそうだ。球体のレーダーがぐるぐると回転を始めてしまっている。これではサイバスターが西に向かっているのか、東に向かっているのか、それとも北に向かっているのか、はたまた南に向かっているのかさっぱりわからない。マサキは髪を掻き毟りながら唸った。これが地上世界であれば、太陽の傾き具合で凡その見当が付けられたものだが、生憎ここは地底世界ラ・ギアスである。空のど真ん中に輝く太陽は、マサキがどちら側に向かっているのか全く教えてはくれなかった。
「どうしたもんかねえ」
「王立軍に救難信号を出すしかニャいでしょ」
「また迷ったんですねって云われるのかよ……」
「仕方ニャいんだニャ。下手に動き回って食料が尽きるよりはマシニャなんだニャ」
 シロとクロの言葉に、けれどもマサキの腰は重かった。
 月に一度どころか、週に二度はこの手の騒ぎを起こしている気がする。その都度、マサキの道案内《ナビゲート》に駆り出される王立軍。お陰でラングラン議会では、大真面目に『マサキ=アンドーの魔装機神の私用での使用禁止』を論じなければならなくなってしまった。
「サイバスターに乗れなくなるのは困るな」
「ニャあに、マサキ。議会でマサキの迷子癖が取り上げられたこと、まだ気にしてるの?」
「気にするに決まってるだろ。俺だけだぞ、俺だけ――」
 途方に暮れながら、マサキはメインモニターに映し出される景色を臨んだ。どこを見ても代り映えのしない自然ばかり――かと思いきや、湖から少し離れた森の中に、集落らしきものが存在している。
「丁度いい。あの村に向かうぞ」
「大丈夫ニャのかニャ」
「村の名前を聞いたぐらいで、自分の居る場所がわかるマサキじゃニャいと思うのだけど」
 不安を口にする二匹の使い魔に構わず、マサキはサイバスターを発進させた。流石にこの距離感では迷わない。村からほど近く離れた森の中にサイバスターを停めたマサキは、二匹の使い魔を連れてサイバスターから降り、木々の合間から顔を覗かせている村に向かって歩き始めた。
 踏みしだかれた土が道を作っている。
 道なりに真っ直ぐ往くと村の入り口に出た。木で作られた柵の前には、村人たちが総出になっているのではないかと思うほどに人が集まっている。祭事でもあったのだろうか? マサキは自分に視線を注いでいる村人たちの前に立って、ここが何処であるのかを尋ねようとした。
「すまない。魔装機神サイバスターの操者、マサキ=アンドーだ。ここが何処の州なのかを教えて」
 全てを云い終えるより先に、村人が口を開いた。
「お待ちしておりました、勇者様!」
 ひとりが熱狂的な声を発すると、興奮が波のように村人に伝搬していったのがわかった。
「勇者様!」
「勇者様だ!」
 後は大合唱だ。勇者様、勇者様と声を上げながら、村人たちがマサキに迫ってくる。
「な、なんだ?」
「村をお救いください、勇者様!」
「いや、ちょ、待て」
 どうやらこの村はマサキの訪れを待ち望んでいたようだ。マサキを取り囲んで拝み、泣く村人たち。とはいえ、そういった村人たちの熱狂にマサキは迎合出来なかった。
「な、何なんだ。一体!」
 村人たちは勇者様、勇者様と繰り返すばかりで、事情がまるでわからない。マサキは村人たちの頭の向こう側にある村に目を遣った。湿気を避ける為だろうか? ラングランにはない筈の高床式の住居が並んでいる。
「もしかして、マサキ。あたしたち、ラングランを出ちゃったのかも……」
 そう云われれば、確かに村人たちが着ている服も、きらびやかなラングラン様式の衣服と比べると地味な感じがする。
「外交問題にニャっちゃうんだニャ」
「外交部の連中は煩えからな……」
 マサキは焦った。迷子になっただけでも大問題なのに、他国に入り込んでしまったとなっては、セニアだけでは話が収まらなくなってしまう。特に情報局の外交部だ。口煩い連中揃いの外交部に、我知らず領域侵犯をしてしまうマサキは何度叱られてきたことか。
「外交部だけで済めばいいのよ。議会まで動くようニャ話にニャっちゃうと」
「ヤバいどころの騒ぎじゃねえ」
 私用でサイバスターを動かせなくなろうものなら、マサキの行動範囲は大幅に制限されるだろう。ここは何としてでも村人たちから情報を聞き出ねば。マサキは周囲をぐるりと取り囲んでいる村人たちを見渡した。老若男女勢揃いといった顔ぶれ。その中から一人の少女が前に進み出てくる。丁度いい。マサキは彼女にこの村がラ・ギアスの何処にあるのかを尋ねようとした。
「そのー……何だ。ここは何処なん」
「勇者様、どうか私たちの村をお救いください!」
 マサキは天を仰いだ。
 誰も彼もマサキの言葉を聞いてくれない。
 だからマサキは思った。これではまるで――、そう、まるで、RPGの強制イベントではないか。そして続けてこうも思った。ということは、マサキが望む返答をしない限り、ここでの話はこれ以上進まないということだ――と。
「わーった。聞く。お前らの話を先ずは聞いてやる。だからもう拝んだり泣いたりすんな!」
 半ばやけっぱちになっての言葉ではあったが、効果は抜群だった。その場にいた村人たちの表情が一様に明るくなる。
「マジかよ……」マサキは呻いた。
 どういった状況に置かれているのかは不明だが、彼らは余程逼迫した状況にあるようだ。でなければここまでマサキの言葉を無視するような振る舞いに出もしまい。それ即ち、今の彼らとの意志の疎通は難しいということでもある。
「では、勇者様。どうぞこちらに」
 マサキの了承の返答を待っていたのだろう。少女が厳かに言葉を継ぐ。
 少女が歩を進めだすと村人たちの群れがぱっと左右に分かれた。その正面には他の家よりも高級そうに映る高床式の住居。柱に細かな意匠が施されているのが特徴的だ。この年若い少女がこの村の長であるのだろうか? 真っ直ぐに高級そうな住居に向かってゆく少女の後をついて行きながら、マサキは先行き不安な思いを拭えずにいた。

※ ※ ※

 出されたお茶を飲みながら、少女の話を聞くこと暫く。マサキは彼女の話から、ここがラ・ギアスでも地球でもない第三の世界であることを知った。
 村の名前はハージャマ。国の名前はアルヘルムというらしい。当然ながらそういった名前の国家は、ラ・ギアスにも地上世界にもない。王政を強いているのはラングランと同様であるが、王都より遠く離れたこの村では、王政による有難みを感じる機会は薄く、実質的には領主が統治者の立ち位置を務めているとのこと。この辺り、王政が行き届いているラングランとは異なる点だ。
 どうやらマサキは何かの弾みで次元の壁を超えてしまったようだ。
「地上世界に出ちゃうニャんて、まだ可愛い方だったのね」
「まさか異世界にまで迷い込むとは思ってもニャかったんだニャ」
 ついにただの迷子では済まなくなった主人の迷いっぷりに、二匹の使い魔は大いに驚き、そして呆れ果てていたが、気付いたら地上世界にいたことも珍しくない主人のしたことである。少しもすると「そんニャこともあるのかも知れないニャ」と、事態を柔軟に受け入れる姿勢をみせた。
「それでニャにがあったのかしら?」
「それが……どこからお話したものか……」
「好きに話せよ。あとは俺が判断するさ」
「わかりました」
 ラングランでは成人と呼べる年齢ではあるものの、この国ではどう扱われるのか。まだまだ幼さが目立つ面差し。マサキが連れている猫が喋っていることにも直ぐに適応してみせた彼女は、空色の瞳を大きく瞬かせながらことの経緯を説明し始めた。
 異変が起こったのは三日前のことだった。
 村から北に少し行ったところにある洞窟に水汲みに向かった村の青年たちは、そこであらぬものを目にしてしまったのだそうだ。
 巨漢三人分はある巨大な繭。水場を塞ぐ形で横たわっている巨大な繭に、青年たちは恐れ慄いた。当たり前だ。自分の身の丈よりも大きな繭が突如として出現したのだ。これで驚かない方がどうかしている。
 もしかすると新種の生物なのかも知れない。
 少女の父親は様子を見ることを選択したが、翌日、二回り以上大きく成長した繭を目にして考えを改めた。とかく毒々しいのである。紫色にショッキングピンクのまだら模様。普通に糸を吐いて出来た繭であれば浮かびようのない模様に、これは緊急事態だと覚った村長は取るもの取らず村を出た。行き先は領主の元である。
 明けて一晩。三日目となった繭は羽化の時を迎えようとしていた。捲れ上がった繭の下から、なんとも形状しがたい生物の姿が覗いている。紫色の複眼に、緑色の触手。背中に生えている羽根は赤黒い。胴体には人間のような形をした器官もある。こんなものを世に放ってはならない。村長の娘として村を任されている少女はそう思ったが、いかんせん辺境の村である。生物を斃せそうな戦士は存在していなかった。
「そこに俺が姿を現したと。だからって勇者ってのは、その、短絡的じゃないか?」
「先祖代々我が家に伝わる云い伝えがあるのです」
 そう口にした少女は、続けてその云い伝えをマサキに語って聞かせた。

 世界に巨悪が生まれしとき
 白き巨人と勇者が現れる

「随分ふわっとした予言ニャんだニャ」
「ラングランの予言も似たようなもんだろ。あれだって大分ふわっとしてるぞ」
 云い伝えを耳にしたマサキは成程と思うと同時に、ますますRPGめいてきたと思わずにいられなかった。
「おいら良くわかんニャいけど、斃せばラ・ギアスに戻れるんじゃニャいか?」
「この世界にもゲートみたいなもんはあるのかねえ」マサキは少女に視線を向けた。「それよりも旅の扉って云った方がいいか?」
「すみません、私には何の話かさっぱり……」
 ラ・ギアスに召喚されたときもそうだったが、マサキは現実離れした出来事に直面すると、取り敢えず自分が理解出来そうな範囲に話を納めてしまう癖がある。今回もそうだ。次元を超えて異世界に迷い込んでしまうという異常事態を目の前している以上、まともに考えるだけ馬鹿を見る。だからこそゲームの話に例えてみれば、当然と云うべきか。少女には伝わらなかった。
「どうするの、マサキ。ひとりで斃せるようニャ化け物ニャのかしら」
「つーてもなあ、このまま見過ごす訳にもいかねえだろ」
 この世界が異世界である以上、サイバスターに搭載されている転移システムを使えばラ・ギアスに戻れる可能性はあった。だが、一度戻ってしまったが最後。この世界には戻ってこられなくなるだろう。この世界が宇宙のどこに存在している惑星であるのかはさておき、こうして行きすがってしまった以上は、放置して帰るのも躊躇われる。「しゃーねえな」マサキはソファから立ち上がった。
「サイバスターから剣を取ってこないとな」
「やるんだニャ?」
「ああ、やる。やって、大事にならない内にラ・ギアスに帰る」
 マサキにとって恐ろしいのは、ラングラン議会で槍玉に挙げられることである。今こうしている間にも、自分の行方が不明になっているこが騒ぎになっているのではないかと思うと、おちおち休んでもいられない。特に元老議会だ。曲者揃いの議員たちにつるし上げられるのは、マサキとしては御免被りたい。
 村長の家を出たマサキは真っ直ぐにサイバスターに向かった。
 途中で何人かの村人から窮状を訴えられたが、安心するよう云い含める。まあ、何とかなるだろ。サイバスターのコクピットに置いておいた剣を手にしたマサキは、これまでの経験から楽観的な気持ちでいた。

※ ※ ※

 実際、何とかなったのだ。
 何せ相手は羽化前の繭である。まともに動けない状態では、剣聖であるマサキの剣技に敵う筈もない。五分もせずに切り刻まれ、そして叩き潰された不気味な生物に、村は歓喜に沸いた。その気持ちは、不気味な生物を目の当たりにしたマサキには理解出来た。ヴォルクルスのように禍々しい気《プラーナ》。こんなものを世に放ってはならないという少女の予感は正しかったのだ。
 しかし、マサキは素直には喜べなかった。
 不気味な謎の生物を始末したマサキは、早速ラ・ギアスに帰還しようとした。だが、元々地上に出る為のシステムだからか。サイバスターの転移システムが作動しない。座標をどこに入力してもエラーばかりが返ってくる。これでは戻るに戻れない。悩んだマサキはその夜を村長の家で過ごした。村人たちは村を救った英雄マサキを歓待したがったが、それらを全て断って部屋に籠った。ラングランに戻れないかも知れないという恐怖がじわじわとマサキの心を蝕み始めていた。
「どうするの、マサキ。このままラングランに戻れニャかったら」
「この村で一生を過ごすしかねえかも知れないな」
 そう強がってみせても、胸の内は落ち着きを欠いていた。上手く回っていたラングランでの生活が恋しく感じられて仕方がない。地上から地底世界に召喚されたときのマサキには、家族と呼べる存在はいなかったが、今はプレシアという大事な義妹がいる。突然姿をくらました義兄を彼女が心配しない筈がない。戻らないとなったら尚更だ。ベッドに横になりながら、マサキは様々にラングランの思い出を振り返った。賑やかな日々が恋しい。突然湧き上がってきた感情に、マサキはラングランが自らの確かな故郷であることを覚った。
 その矢先だった。
 村の北から巨大な振動音がした。
 マサキはベッドから飛び起きた。剣を掴んで部屋を飛び出す。少女も驚いて起きたようだ。勇者様! と寝間着のままマサキに駆け寄ってくる。
 ――もしや処分の仕方が甘かったか。
 ヴォルクルスと同じ存在《もの》だった、不気味な繭。念の為に、細胞の一片からでも再生出来るヴォルクルスの処理と同じ処理をしたが、もしかすると残っている細胞があったのかも知れない。嫌な予感に脳を焼かれるような気分になりながら、マサキは村長の家を出た。
 直ぐ目の前の広場に村人たちが集まっている。どうやら全員が音のした方向を見上げているようだ。
 マサキは彼らの視線の向き先を辿った。村長の家の少し裏側に、不気味に屹立する不穏な形状の巨大な何かがある。闇の中に浮かび上がるシルエットをマサキは目を凝らして見詰めた。この大きさとなると剣では対抗しきれない。サイバスターを出動させねば――と、思ったその瞬間だった。
「探しましたよ、マサキ」
 空から降ってきた声にマサキは驚いた。ここは異世界である筈だ。なのに聞き慣れた声が聞こえてくるとはどういうことだ。
 暗がりに高く伸びるシルエットに更に目を凝らす。ややあって、村の明かりを受けてグランゾンの輪郭が浮かび上がってくる。闇夜に浮かぶグランゾンの全貌は、不気味な生物同様に禍々しく映る。これが、ラングラン最凶の汎用人型兵器であるのだ……次元の壁を超えて自分を追いかけてきたシュウに、そして彼と彼の愛機の底知れぬ能力に、マサキは絶望的な無力感を覚えた。
「……何でお前がここに」
 程なくして、マサキの目の前に姿を現したシュウにマサキは尋ねた。
「サイバスターの信号が途絶えたとセニアから連絡があったのですよ。地上に向かったのとは異なる信号が出ていたとね。それであなたを探し回ったのですが、まさかこんなところにまで足を踏み入れているとは――」
「お前、ここが何処か知ってるって口を利くな。何処なんだ、ここは」
「それはセニアに尋ねなさい」冷ややかな眼差しがマサキを貫く。「さあ、帰りますよ、マサキ。議会が大騒ぎにならない内にね」

※ ※ ※

 グランゾンの転移システムによってラングランに帰還を果たしたマサキは、その足で情報局に向かった。信号異常に気付いていたからだろう。思ったよりは怒っていなかったセニアに、マサキはシュウが残した言葉の意味を尋ねた。
「アルヘルム王国のハージャマ?」
「だって云ってたぞ。俺が会った少女は」
「随分と非常識な迷子のなり方もあったものね」溜息混じりに吐き出したセニアが続ける。「七万年前にあった王国の名よ、それ」
「七万年……だと……?」
 とうことは、マサキが異世界だと思っていた世界は、過去のラ・ギアスの世界であったということである。
 マサキは動揺を隠せなかった。
 迷子となって過去の世界に迷い込んでしまった自分はさておき、シュウはどういったシステムでもってあの世界に姿を現したのか……考えることも憚られるようなグランゾンの性能に途方もなさを感じたマサキは、「あのよ」と口を開いた。
「俺はさておき、シュウはどうやってあの時代に」
「ストップ、マサキ。それ以上は云わないで」
「何でだよ」
「危険過ぎるのよ、グランゾンはね。地上と地底を行き来できるのみならず、時代を超えることも出来てしまう――なんて知れたらどうなると思う?」
「そりゃあ、まあ、利用しようとする奴が出るよな」
「だからこの話はあなたと私の胸の内に秘めて置いて頂戴。いい、わかった?」
「あ、ああ。まあ、お前がそこまで云うなら」
 顔を間近に寄せて念を押してきたセニアにマサキは気圧された。
 やけに真剣なセニアの表情が、ことの重大さを伝えてくる。そうでなくとも、設計図がオープンになっている魔装機と異なり、シュウのグランゾンは様々な謎を抱えている。単騎で地上と地底を行き来出来る能力にしてもそうであったし、ブラックボックスに秘められていた悪意あるシステムにしてもそうだ。マサキにとってはそこにひとつ、時代を超えられる能力が加わった程度の認識ではあったが、確かにセニアが云う通り、この情報が外に洩れれば、利用したがる輩が群がるのは避けられないだろう。
 歴史を改変出来てしまうのだ。
 ぞっとした。
 それだけの能力を有していながら、正当な手段で以て戦いの場に赴いているシュウ。もしかするとシュウは、マサキが思っているほど危険な人間ではないのかも知れない――情報局をあとにしたマサキは、増えてしまった秘密に胸を重くしながら、自らを窮地より救い出したシュウにお礼を云うべく、サイバスターをひた走らせた。






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