区切りがいいのと、次回分を丸々Rにしたいのとで、今回ちょっと短めです。
私気付いちゃったんですけど、白河がぐるぐる回ってるシュウマサと、やきもきする微妙な距離感のシュウマサと、関係が変わる出来事を迎えたシュウマサと、ラブラブなシュウマサってここを回ってたら一生飽きない循環機能が出来るんですけど、天才か!?笑
いやー、いつかは飽きる日が来るのかなあ。なんて若かりし日は思ったものですけど、全然そんなことないな!何書いてもシュウマサは楽しい!!!!!そしていつまでも楽しい!!!
ということで、第三回です。ラブですラブ!
私気付いちゃったんですけど、白河がぐるぐる回ってるシュウマサと、やきもきする微妙な距離感のシュウマサと、関係が変わる出来事を迎えたシュウマサと、ラブラブなシュウマサってここを回ってたら一生飽きない循環機能が出来るんですけど、天才か!?笑
いやー、いつかは飽きる日が来るのかなあ。なんて若かりし日は思ったものですけど、全然そんなことないな!何書いてもシュウマサは楽しい!!!!!そしていつまでも楽しい!!!
ということで、第三回です。ラブですラブ!
<ZU-TTO>
身体や髪を洗い、海を眺めながらともにバスに浸かることニ十分ほど。シュウの愛撫に身を任せていたマサキが、いよいよ我慢の限界を迎えたらしかった。もう、出るぞ。そう云ってバスから立ち上がると、シュウの腕を取ってバスから身体を引っ張り上げてきた。
「手荒なことをしますね」
「何だ、お前。俺をひとり先にベッドに行かせて、自分は風呂でぬくぬくするつもりだったってか」
「そうは云ってはいませんよ」
どうやら相当に気が高ぶっているようだ。拗ねたような口振りで嫌味を口にしてさっとバスルームを出て行ったマサキに、けれどもそれが可愛く感じられて仕方がない。
シュウは笑みを零した。
照れ臭さが先に立つのだろう。ぶっきらぼうな物言いが先に立つマサキは、素直に自分の気持ちを口にしないことも多かった。何が好きで何が嫌いか。マサキとこうして距離を近くしても、シュウはかなりの期間、彼の好みを把握出来ないままだった。
性行為にしてもそうだ。肉欲自体は旺盛であるようで、ベッドに入れば情熱的に振舞ってみせたものだが、理性がブレーキをかけてしまうのか。そこに至るまでの感情表現がとかく回りくどかった。
それが今やこうだ。
自ら行為をねだり、焦らされれば拗ねてみせる。
バスルームを出たシュウは、タオルで身体をさっと拭い、バスローブを羽織って先に洗面台を占拠しているマサキの背後に立った。鏡に映るマサキの顔。精悍さは増したが、元の顔立ちが幼げであることも手伝って、歳を重ねていることを感じさせない。
「お前に付き合ってバスタイムを過ごすと、一生風呂から出られねえ」
戦場では大胆不敵に振舞うマサキは、日常生活では時にノミの心臓を発揮した。だからだろう。宿泊施設のベッドに濡れた髪で戻るのが嫌なようだ。丁寧さなど微塵も感じさせない豪快な手捌きで髪を乾かしている。
綺麗な髪が勿体ない。シュウは僅かな不満を口唇に乗せながらマサキの髪を梳いた。
距離の近いドライヤー。ベッドを濡らすのは嫌がる割に、髪が傷むのは気にならないようだ。とにかく速乾と熱風を吹き付けているマサキの手から、シュウはドライヤーを取り上げた。
気短な面のあるマサキは、自分の容姿を保つことにあまり頓着しない。
人並みに格好付けたがりな面もあるものの、それはどちらかというと精神面に於いて発揮されるようだ。それはマサキの見目にある種の野暮ったさを与えた。マサキ=アンドーという素材は実に優れているのに、である。
羽織っただけのガウンから覗くしなやかな肉体。極限まで引き絞られた身体のラインなど、相当に着せ甲斐がある。また、彼自身は好んでいないようだったが、愛くるしさを感じさせる甘いマスク。彼がラングラン国民の、主に女性から人気が高いのも頷ける。
その優れた素材を、彼は着たきり雀に近い衣装で覆ってしまうのだ。
装飾性よりも機能性。彼が衣装に求めるものは、実に単純明快だ。けれども、シュウはマサキはそれでいいのだと思っている。それはそうだろう。この上、ファッションにまで気を遣われて男ぶりが上がろうものなら、要らぬ心配ばかりをシュウはしなければならなくなる。
素のままのマサキの魅力を知るのは、自分ひとりでいいのだ。
「先にベッドで待っていなさい」
マサキの髪を先に乾かし終えたシュウは、そう云ってマサキをベッドに向かわせようとした。だが、気分の高まりきった彼はベッドでひとり待つ状態に心細さを感じたようだ。五分で終わらせろ。そんなことを口にしながら、鏡に向かうシュウに抱き付いてくる。
「この体勢では鏡があまり良く見えませんよ、マサキ」
「そこはお前が何とかするんだな」
「あなたの頭が邪魔で見えないのに、ですか」
「煩えよ。あんまりごちゃごちゃ抜かしてると、こうだ」
云うなり、耳の付け根に口唇を押し当ててきたマサキが、啄むように幾度にシュウの肌を吸う。
シュウはうっすらと赤く染まった自らの肌を鏡越しに覗いた。明日には消えてしまいそうな儚さ。見えるか見えないかの際を狙ってくるところが、照れ屋なマサキらしい。「それだけ?」シュウは揶揄い混じりにマサキに尋ねた。
「ホント、余裕ぶりやがって」
そうは口にするものの、口で云うほど腹を立ててはいないらしい。不敵な笑みを浮かべたマサキの頭がシュウの肩口に沈む。
シュウはマサキの身体を片手で抱いた。ドライヤーを当てるだけになってしまうのは、自らを身綺麗に整えていないと落ち着かない性質であるシュウからすれば本意ではなかったが、世の中には自らの主義主張を曲げてでも優先しなければならないものがある。
それがシュウにとってのマサキ。世界でただひとり、シュウの心を掴んだ存在だ。
シュウは鏡越しにマサキの顔を注視した。シュウの肩から首へと口唇を這わせている彼の欲に溺れた表情。細まった瞳の奥で妖しい輝きが揺らめている。時折、口唇の下から顔を覗かせる赤い舌が、例えようもなくエロティックだ。
「ほら、終わりましたよ、マサキ。ベッドに行きましょう。それとも私に運んで欲しい?」
電源を切ったドライヤーを洗面台に置いて、離れる気のないマサキの身体を両手で掻き抱きながら尋ねれば、上向いた彼の顔が口付けをせがんでくる。わかりました。シュウはマサキに口付けながら、臀部の下に腕を潜り込ませてその身体を抱え上げた。どうに硬くなった彼の男性器が、視界の端に映り込む。
「そんなに待ちきれなかった?」
「お前が長湯過ぎるんだろ。その間ずっと俺を触りっぱなしだし」
月の光を受けて、煌めきを返す夜の波。窓の向こう側に広がる深淵なる世界を臨みながら、シュウはマサキをベッドに運び込んだ。そして、ベッドに支柱に留められているレースカーテンを閉ざす。薄らぼやけた景色の中に、浮かび上がるマサキの肢体。もどかしそうにバスローブから袖を抜いたマサキを向かい合うように膝に乗せて、シュウは今一度、マサキに口付けた。
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