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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

夢の頂(1-後)
エロを!
あんまり!!!
入れられなかった!!!!

次は頑張ります!!!!!
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<夢の頂>

「あ、やだ。何か、それ、変」声が跳ねた。
 少し弄られただけでもツンと突き抜けるような快感が走る。ん、んん。マサキはきつく口唇を結んだ。そうしてつい洩れ出そうになる声を抑えた。旅人の指がマサキの乳首を抓む。声を出すのは嫌? 頭上から降ってくる旅人の声に、だって。と、マサキは声を上げた。
「誰かに気付かれたら」
「その方が都合良くもあるのですがね」
 旅人は時間をかけてマサキの乳首を嬲った。指の腹で撫でてみせては、抓んで擦る。時には引っ張られることもあったし、捏ねくり回されることもあった。そして折を見ては、これは? と尋ねてきながら新たな刺激を加えてくる。
「や、だ。それ、やだ」
 いつしかマサキの口唇は、自身の意識とは裏腹に開いてしまっていたようだ。熱い吐息が通り抜ける感覚に、更新を閉じようと思うも上手く身体に力が入らない。はあ、はあ……マサキは口唇を開いたまま、幾度となく喘いだ。自分の身体である筈なのに、自分の身体ではないような気がして仕方がない。それはきっとこれまで自ら弄ったことのない場所で快感を覚えてしまっているからなのだ――……。
 瞳を細めて俯いて。薄らぼんやりとした視界に、肌を愛撫する旅人の手を収める。
 旅人の指は乳首から逸れ、延々と乳輪を辿っている。じわじわと肌から降ってくるささめくような快感は、決して気持ちの悪いものではなかったけれども、乳首を弄られているのと比べると快感の度合いが違う。あの突き抜けるような快感が欲しい。触って、そこじゃなく触って。ついにマサキは堪えきれなくなって旅人にねだった。
 ここ? と、胸元を離れた旅人の手が腰巻布を捲った。恥ずかしくなるぐらいに膨れ上がった男性器が、マサキの目に晒される。とうに濡れそぼった自らの生殖器。そこにするりと旅人の手が絡み付く。旅人は片手でマサキの男性器を緩く扱き始めると、これを一緒に使ったことは? と、床の上に置きっ放しになっていた張り型を取り上げた。
「――――んッ……!」
 既に慣らしを始めて半月以上。すんなりと張り型を飲み込んだ菊座にそれまでとは異なる感覚が生じる。
 収まるべきところに収まるべきものが収まったかのような感覚。張り型を飲み込んでいる蕾の周囲が熱い。ほら、と旅人が張り型を動かし始める。や、め……っ。マサキは声を上げた。感じたことのない快感が腹の底から湧き上がってくる。
 マサキは旅人の腕に手を絡めた。あ、あ、あ。そして喘いだ。男性器と菊座を同時に責められている。それがどうしようもなく気持ちがいい。成人の儀式の為に入れ込んでいただけの張り型は、他人の手を介しただけでこんなにもその表情を変えてしまうアイテムであったのだ。
 イク。イク。マサキは立て続けに声を上げた。
 押し寄せてくる波。人間らしい思考を保つのが難しく感じられるぐらいに、マサキの陰部を覆い尽くしたそれが、ひと際激しさを増してマサキの下半身を突き上げてくる。
「あ、あ、ああッ……!」
 視界の隅にあった自身の男性器がぶるりと震える。全身を貫いてくる快感に、マサキは男の腕にしがみ付きながら果てた。あー……あー……と、形にならない声が洩れる。
 他人の手で達《い》かされる。生まれて初めての経験は容易にマサキの身体を浚った。余韻に限りのない快感の中、マサキの顔を仰がせて口付けてきた旅人にマサキは自ら抱き付いていくと、彼の遣り方を真似ながら、その薄く形のいい口唇を思う存分吸った。
 そのまま、もつれ合うようにして床に倒れ込んでゆく。耳に頬。首筋から鎖骨。旅人はまるで祭事の食事を味わうようにマサキの身体を味わっていった。乳首に乳輪、腰に臍。彼の腕の中でマサキはしなやかに身体を躍らせた。男性器に菊座、腿に足指。めくるめく歓喜。誰かと性行為に及ぶということは、こんなにも心地良いことであるのだ。
「あ……、あ……」
 全身を旅人にしゃぶられ尽くした後。膨張しきったマサキの男性器は欲望を訴え続けていたけれども、さんざ泣き喘いだ身体には最早気力らしい気力が残っていなかった。マサキは床に伏せた。ぐったりとした身体の上に重なる旅人の身体。いつの間にかローブを脱いでいた彼の素肌の温もりが心地良い。
「あなたを成人の儀式に参加させなくて良かったですよ。これではどういったことになったかわかったものではない」
 誰にともなくそう呟いた旅人はマサキの身体を起こさせると、再び膝の上に乗せた。
 そして背後から膝裏に手を差し入れてくると、その両脚を高く抱え上げた。腰が浮く。張り型で、指で、ほぐされきった後の菊座が緩く口を開いては閉じるを繰り返しているのがわかる。そこに押し当てられる肉の塊。次の瞬間、旅人はマサキの菊座に自らの男性器を突き立ててきた。
 そして腕の力を抜いたようだ。すとんとマサキの腰が落ちると同時に、彼の男性器が深く蕾を割って押し入ってくる。ああ……っ、とマサキは声を上げた。張り型とは異なる太さ。肉感に溢れた塊が、自分の身体の中で息衝いている。
 ――ほら、挿入《はい》った。
 旅人は腕一本でマサキの足を抱えると、空いた手でマサキの手を取って、深く彼の男性器を飲み込んでいる菊座へと導いていった。そして手を重ね合わせるようにして、マサキに自身の手で菊座を撫でさせると、
「わかりますか。これで交渉成立ですよ、マサキ。一緒に外の世界に行きましょう」
 マサキの耳元でそう囁きかけてきながら、緩やかに。旅人はその男性器を動かし始めた。

 ※ ※ ※

 マサキの報告を聞いた酋長は、そうでなくともいかめしい顔つきをいっそう険しくしてみせると、マサキに集落からの追放を云い渡した。とはいえ、相手は賓客扱いの旅人だ。このままマサキだけを追放して終わりでは、砂漠の民としての沽券に関わると考えたのだろう。追放は三か夜の儀式を済ませてからだ――と、息まく酋長にマサキは困惑した。
 三か夜の儀式とは集落に伝わる婚姻の儀だ。女性が結婚相手の男性の許に三日の夜に渡って通い、性行為に及ぶ。行為が終わった後には家の入口に羽で作られた飾りを掲げなければならない。ただ追放されて終わりだと思っていたマサキが困惑するのも無理はない。
 ――もしかすると、それは酋長なりのあなたに対するはなむけであるかも知れないですね。
 巻き込まれた形となった旅人は呑気にも一晩目の夜にそう云って笑った。砂漠の中にある集落で姦淫する相手は限られる。近い集落の民か、同じ集落の民だ。彼らを追放して新しいコミュニティを形成させることで、砂漠の民は過酷な土地での開拓を進めていった経緯がある。
 ――けれどもあなたは違うでしょう。外の世界の人間である私を相手にしてしまった。しかも目的とする土地は外の世界だ。ひとりで過酷な道を往くことが決まってしまっているあなたを、酋長はそのままにはしておけなかったのかも知れません。
 旅人は三晩の間、マサキを様々な形で抱いた。膝の上に乗せ、床の上に伏せさせ……のみならず、時にマサキに自身の男性器を咥えさせ、時にマサキに自ら腰を振らせと、まるでこの肉体関係がこの先も続くものであるかのようにマサキを扱ってくる彼に、マサキはそうであればいいと強く思った。
「大分、ここに男性器を受け入れるのにも慣れたようですね。吸い付くようですよ、マサキ」
 三日目の夜の旅人は、そう云って、明け方を迎えるまでマサキを抱き続けた。既に動くことすら億劫な身体を引き摺るようにしてテントの入り口に飾りを掲げ、仮眠と呼べるほどの僅かな時間を眠りに充てたマサキは、旅支度を終えた旅人とともにそうして濃密な時間を過ごしたテントを後にした。それから酋長に三か夜の儀式が無事に終わったことを報告し、誰に見送られることもなく集落を後にした。
「外の世界に出るには、長い時間がかかります。先ずはここから北にある別の集落を目指しましょう」
 焼け付くほどに鋭い陽射しが身体を打つ。永遠に続くかと思しき砂の世界。この果てに外の世界がある。
「ところで、あんた。何て名前なんだ?」
 荒寥とした世界を見渡しながら今更ながらの疑問を口にすれば、彼もその事実には気付いていたようだ。
「夫となった相手の名前をその後に聞くのもどうかと思いますが」
「いいだろ、教えてくれよ。知らないままじゃ呼ぶのに困る」
「教えないとは云っていませんよ」
 笑いながら荷袋を開いた旅人が、中に仕舞い込んでいた布をマサキに渡しながら、シュウですよ。と自身の名を告げてくる。マサキはその名を口の中で何度も繰り返した。シュウ。それがマサキの夢を叶えてくれた恩人の大事な名前であるのだ。
「さあ、行きましょう。のんびりしていると次の集落に辿り着くより先に日が暮れる」
 渡さればかリの一枚のマントを身体に巻く。長い旅の始まり。マサキは先を往く旅人を追って、その最初の一歩を踏み出した。


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