※Piercingの続きになりますので、先ずはそちらをお読みなってからご覧になってください。
病み系白河と、そんな男が好きで堪らないマサキの話です。変な話の第二弾。あんまり魔装世界にこういったシチュエーションは合わない気がしたんですけど、むしろ公式がああいった世界観だからこそ萌えるってこともあるよね!と続きを書くことにしました。
思ったよりリハビリが進んだので、次はお題にチャレンジしようと思っています。
拍手、感想有難うございます。全てが私の励みです。
感想へのレスはもう少しお待ちくださいませ!では本文へどうぞ!
病み系白河と、そんな男が好きで堪らないマサキの話です。変な話の第二弾。あんまり魔装世界にこういったシチュエーションは合わない気がしたんですけど、むしろ公式がああいった世界観だからこそ萌えるってこともあるよね!と続きを書くことにしました。
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<pierced earrings of blood>
マサキが腰にタトゥーを入れることを決心したのは、それがシュウの勧めだったからだった。勿論、日常生活に制限が出るタトゥーを勧められるがままに身体に彫り込むなど、いくら股間にシュウの手で嵌め込まれたピアスをがあるとはいえ、昔気質な性質を持つマサキが躊躇わなかった筈がない。
マサキが腰にタトゥーを入れることを決心したのは、それがシュウの勧めだったからだった。勿論、日常生活に制限が出るタトゥーを勧められるがままに身体に彫り込むなど、いくら股間にシュウの手で嵌め込まれたピアスをがあるとはいえ、昔気質な性質を持つマサキが躊躇わなかった筈がない。
親から与えられた身体だ。自ら傷を付けるなど以ての外。ましてや一生残りかねない傷を、アクセサリーを飾るような感覚で付けるなど、幾らそれが情を立てる為の手段であっても無道に過ぎる。それだのにマサキは最終的にシュウの提案を受け入れてしまった。腰に片羽根のタトゥーを入れる。ファッションアイコン的なデザインは、マサキだけではなくシュウの腰をも飾った。右の翼はマサキの腰に、左の翼はシュウの腰に。並んで肩や腰を抱かれた時に、番となる片羽根のタトゥー。それをマサキが彫り込む決心をしたのは、シュウの執着心とも、独占欲とも、占有欲ともつかない自分に対する感情を鎮める術を他に持ち得なかったからだ。
――あなたの性格でそんな場所にピアスが入っていると思う人はいないでしょう、マサキ。だから、ですよ。もし仮にあなたが私から離れてゆく時が来たとして、その後に新たなセックスのパートナーを得たとしましょう。彼ら、或いは彼女らはあなたに絶対にそのピアスの意味を尋ねることでしょう。尋ねないにしても疑問を覚えるに違いない。そうした彼らの態度を見るにつけ、あなたは私を思い出すことになります。
あの日。マサキの男性器にピアスの穴が開いた日に、ベッドからマサキを連れ出したシュウは、マサキとともに午後のティータイムを過ごしながら、何ら感慨を感じさせない瞳でそう云った。
――そう、例え他人となったとしても、私の存在は無くならない。私はあなたと生涯をともにする決心が出来ているのですよ、マサキ。
別段、何かがあった訳ではなかった。ただ何気なく読んでいた雑誌で、ボディピアスの特集を目にしただけなのだという。シュウにとってはその程度のささやかな切欠《きっかけ》。けれどもそれは天啓を授かったような気分にさせた切欠でもあったようだ。
――ピアッシングの世界も奥深いものですね、マサキ。穴を開ける部位によって、見え方がまるで違ってくる。それを醜悪《グロテスク》と見るか、芸術的《アーティスティック》と見るかは評価が分かれるところではありますが、少なくとも私はあなたを飾りたくなる程度には、そこに芸術性を感じましたよ。
今更不満を口にしても過ぎてしまったこととは云え、せめてひと言云ってからにして欲しかった。そう口にしようとしたマサキの言葉に言葉を被せてきたシュウは、口元にうっすらと笑みを浮かべながらこう口にした。そうしてあなたを私に縛り付けたかったのですよ――と。
二ヶ月から最大で六ヶ月にも及ぶらしい禁欲生活。男性器という雑菌が繁殖し易い部位に穴を開けられたマサキは、シュウとともに過ごす時間に他に集中すべきことを得たかったのだ。シュウにタトゥーを彫ることを勧められてから、答えを出すまでに要した時間は三日間。自宅のベッドの上でひたすら答えを探し続けたマサキが、結果的に覚悟を決めてシュウの許を再び訪れたのは禁欲生活一ヶ月目のことだった。
そこから二ヶ月間。魔装機神の操者としての務めを果たしながら、その暇を縫ってシュウとともに彫り師のところに通い続けたマサキは、少しずつ形になってゆく片羽根のタトゥーを、まるで自分以外の誰かの身体を覗いているような感覚で眺め続けた。天に羽ばたく上向きに開いた翼。根元から徐々に羽根の先へと形を露わにしていくタトゥーは、同じ速度でシュウの腰部にも彫り込まれていった。完成するのが楽しみですよ。今日の分を彫り終えては、ふたりで過ごす時間に、シュウはそう云っては、マサキに彫り込まれたタトゥーを服の上から慈しむように何度も撫でてきたものだった。
そうして長い禁欲生活を慰めるように口付けを交わしては、そうしてまたそれぞれの日常へと帰ってゆく。
そういった逢瀬を繰り返した禁欲生活三ヶ月。揃いのタトゥーを彫り終えても、マサキの禁欲生活は終わらなかった。流石に自らの性の象徴《シンボル》を失いたくないマサキは真面目に消毒に励んだものの、如何に戦場での衛生経験があるとはいえ、素人であるシュウが空けた穴である。経過の判断は知り合いの口の堅い医師に任せますよ――そう告げられて向かった病院。経緯を知った医師は盛大にシュウとマサキを叱ったものだったが、幸い雑菌が繁殖しているといったことはなかったようだ。とはいえ、治癒の経過には個人差がある。結局、マサキがコンドームを外すことが出来るようになったのは、禁欲生活が始まってから四ヶ月が過ぎてからのことだった。
長い禁欲生活の終わりを医師に告げられたマサキは、シュウに連れられて辿り着いた彼の家で、即座にベッドルームへと招き入れられた。脱いでみせて。そうシュウから声をかけられたマサキは途惑った。性交時に脱がされることに慣れているマサキは、自ら服を脱いだ経験があまりない。ほら、マサキ。したいのでしょう。続けてかけられた声にマサキは小さく頷いた。
シュウの視線に晒されながら服を脱ぐことに抵抗を感じたものの、ようやく迎えたこの日。シュウの機嫌を損ねたくないマサキは、上着に手を掛けた。
これまでにも、長く肌を合わせないことはあった。魔装機神の操者であるマサキに、在野の研究者でもあるシュウ。多忙が日常のふたりは、二、三週間ぐらい顔を合わせないこともざらだ。だからこそシュウはその都度マサキを求めてきたものだったし、マサキもその都度シュウの求めに応じてみせたものだった。そして会えなかった日々の不足を埋めるように肌を重ね、愛欲に耽り、欲望を消化する。けれども我慢を重ねなければならない日々に、自慰を我慢して挑んだのは初めてのことだ。
はち切れそうなまでに膨れ上がってしまっている欲望は、簡単に抑えきれるものではなくなってしまっている。うっすらとした笑みを湛えながらベッドの端に腰掛けているシュウの目の前で、マサキは躊躇いながらも、一枚、また一枚、と衣服を脱いでいった。首に、胸に、腰に、股間に絡み付く視線。気恥ずかしさを押し殺して一糸纏わぬ姿になったマサキが面を上げると、ほらとシュウの手が差し出される。
膝上へと誘われたマサキはその手に誘われるがまま、背中をシュウの胸に預ける形で腰を下ろした。早速とばかりに背後から伸びてきたシュウの手が、マサキの男性器に触れてくる。亀頭の裏側に確かに存在している純銀製のピアス。両端に光り輝く石の付いたピアスの存在を、マサキの男性器を持ち上げて確認したシュウは、素敵ですよ、マサキ。そう耳元で囁きかけてくると、ポケットから新たなピアスを取り出してきた。
両端に少し小振りな大きさの赤い硝子玉の付いたピアス。マサキの目にはそう映ったピアスを、それまでのものと交換したシュウは、新たにマサキの男性器を飾ったピアスに満足そうに微笑むと、ブラッド・ピアスですよ、と云った。
「ブラッド・ピアス?」
「私の血で作ったピアスですよ」
どうやってと尋ねたマサキに、シュウが答えて曰く。真空の硝子玉に採取した血液を流し込んだものなのだそうだ。割れない厚さの硝子玉にする関係上、どうしても粒が大きめになってしまうらしいが、他に類を見ない世界にひとつだけの飾りの付いたピアスが完成する。
マサキの背中が、ぞくり、と震えた。
それはシュウがマサキに向けている占有欲の結実でもあった。マサキの大事な部分でもある男性器に、自らの血液で作ったピアスを嵌め込む。既にシュウがマサキに語って聞かせている通りに、もし仮にマサキがシュウの許を離れたとして、新たなパートナーと性行為に及ぶことになったとしても、これでは平穏な気持ちでは行為に励めない。
亀頭の裏側に隠れるようにして存在しているたった数センチのゲージのピアス。勃起した状態でなければ人目には触れない位置にあるからこそ、シュウの血液で作られた飾りを得たピアスは、その事実を突きつけられたマサキの心と身体を雁字搦めに縛った。
「出来ればこちらを付けていて欲しいですけれども、少し粒が大きいですしね。これまでのものは帰りに渡しますよ。生活し易い方を選んで付けるといいでしょう」
そんなピアスを外して生活出来る筈がない。いい、と首を振ったマサキに、これはこれで特注品なのですよとシュウは小さく声を上げて笑った後に、そうっとマサキの男性器に手を這わせてきた。びくっとマサキの身体が揺れる。そのまま亀頭の先端を指の腹で擦られたマサキは、ああっ、と早くも声を上げた。谷間を描く緩いカーブを割るように、何度もシュウの指が動いている。
――あ、あ、やだ……少し、待って……
おかしいとは感じていたのだ。先程もそうだった。少しばかりシュウがピアスの存在を確認する為に触れてきただけでも、男性器の底から快感が駆け上がってきた。禁欲生活の長さが自らの身体を敏感にさせているのだろうか。即座に熱を帯びて硬さを増した自らの男性器に、マサキはそう考えながらも途惑いを隠し切れない。過敏に快感を拾い上げる自らの男性器は、そうでなくとも性感帯だらけであるのに、マサキの与り知らぬところでその数を増やしてしまったかのようだ。まだ僅かな時間しか経っていない筈だのに、マサキはもう、大人しくシュウの膝の上に座っていることすらままならない。
首の位置を保っているのですら難しい。マサキはシュウの肩に頭を置いて、何度も腰をしならせた。
――はあっ……ああ、あ……っ、シュウ、や、そこやだ……
甘ったるいマサキの声がベッドルームに、遠く、近く。言葉を変えては反響を繰り返す。いくら歯向かってみせたところで、これでは抵抗も形無しだ。ああっ、ああ。止め処なく溢れ出る喘ぎ声。天を仰ぎながらマサキが喘いでいると、気持ちいいでしょうとシュウが嗤った。
「ここに穴を開けると感度が増すそうですよ、マサキ。人によってはピアスがあることで生じる違和感に耐えられなくなることもあるそうですけど、あなたはそうではなかったようですね。まだ先端を少しばかり弄っただけだというのに、もうこんなに男性器《ペニス》を硬くして。お陰で愉しみが増えましたけれども」
ぞっとする台詞を吐いたシュウは、そこから時間をかけてじっくりとマサキの男性器を嬲った。亀頭を摩《さす》っては、陰茎を扱《しご》き、それぞれを少しだけ繰り返しては陰嚢を揉む。全体的に感じ易くなっている男性器だたけれども、特にピアスに近い亀頭周辺は敏感さを増しているようだ。僅かに触れられただけでも、襲い掛かる快感の量が倍以上に及ぶ。マサキは喘ぎに喘いだ。まだ達《い》っては駄目ですよ。シュウはそう云いながら、時々マサキの陰茎を根元を強く握った。
痛みで正気に返されては、また快感に理性が剥がされる。きっとシュウにとって今のマサキは、自らの思い通りに動く人形のようなものであるのだろう。そのぐらいにマサキはシュウの愛撫に翻弄されてしまっていた。はあ、ああっ。力の上手く入らない身体。わななく口唇は閉じることも難く、口の端から涎を溢れさせてしまっている。
――いい、いいから、シュウ。早く達《い》かせて……
どれだけそうして焦らされ続けていたのかわからないほどに時間が経った頃。マサキが形振り構わずに懇願をするようになったのを見計らったかのように、シュウはマサキの両膝を抱え込むと大きく脚を開かせた。肩口から覗き込んでくるシュウの視線が、膝の上で双丘を開いている臀部の中央に注がれる。こんなに口を開いて。早くと待ち望む気持ちが菊座を収縮させてしまっているのだ。それを指摘されたマサキは、自らの欲望の深さを目の当たりにさせられたことに恥ずかしさを隠し切れずに。反射的に顔を伏せていやいやと首を振ると、その所作が堪らなく感じられたのだろう。シュウは揶揄い混じりの声でこう言葉を吐いてきた。
「欲しくないの、マサキ」
欲しいか欲しくないかの二択でいったら、それは欲しいに決まっている。何度も何度も軽いドライオーガズムを感じながら、次第に頂点に上り詰めてゆくあの感覚。それは男性器を弄られているだけでは味わえない感覚だ。マサキは再び首を振った。だったら、と口唇にシュウの指が触れてくる。シュウは上唇から下唇へと、マサキの口唇の形に沿って指先を這わせながら、
「ちゃんと云って。この口で」
そして再び亀頭を摩り始めた手のひらに、マサキは身体を震わせて細くも短い喘ぎ声を何度も放った。その合間にシュウにねだった。欲しいから、挿《い》れて。俺の×××の中に、シュウの×××を挿《い》れて。次の瞬間、身体を引き倒されたマサキはベッドの上。はあ、と深く息を吐き出して解放感に浸ったのも束の間。ぐっと二つに折り曲げられる身体。両脚を深く抱え込まれた根元にある菊座の窪みに、シュウの男性器が押し当てられる。
ずるり、と孔の中に入り込んできた男性器が、あっという間に奥まで捻じ込まれ、限界まで焦らされた身体が歓喜の咆哮を上げる。その瞬間、マサキは今まで堪えていたものが一気に弾け飛んでゆくのを感じずにいられなかった。
――ああ、ああ、ああ……
足を突っ張らせながら、長く続く嬌声とともに精を放ったマサキは、それを終えた後にも続く余韻に暫く身体を震わせ続けた。やがてシュウがふふ……と密やかに嗤う。これからの愉しみが増えましたよ、マサキ。膝から片腕を抜いたシュウは、マサキの身体を二つ折りにしたまま。抜いたその手でマサキの男性器に触れてくると、過敏に反応する身体を休ませることもせず、自らの昂った男性器をマサキの菊座の中で抽迭《ちゅうてつ》させ始めた。
繰り返すだけでなく、時として連続して襲ってくるドライオーガズム。マサキは啼《な》いた。何度も何度も声を上げて啼いた。四ヶ月分の性欲を解消するようにマサキを求めてくるシュウに応えるように、マサキもまたシュウを求めた。その果てに。マサキの身体を蹂躙しきったシュウが ついに男性器を抜き取った。どろりと孔の奥から垂れてくる精液の感触。何度も精液を注ぎ込まれたマサキの菊座は、その射精の跡がありありと窺える状態だった。
繰り返すだけでなく、時として連続して襲ってくるドライオーガズム。マサキは啼《な》いた。何度も何度も声を上げて啼いた。四ヶ月分の性欲を解消するようにマサキを求めてくるシュウに応えるように、マサキもまたシュウを求めた。その果てに。マサキの身体を蹂躙しきったシュウが ついに男性器を抜き取った。どろりと孔の奥から垂れてくる精液の感触。何度も精液を注ぎ込まれたマサキの菊座は、その射精の跡がありありと窺える状態だった。
もう一滴たりとも精液が出そうになければ、腕をついて立ち上がる気力もない。ぐったりとベッドに伏せるしかなくなったマサキの背中に、同じく疲労を感じているらしいシュウの身体が圧し掛かってくる。一週間あっても足りない。その重みを感じながらそうシュウが呟くのを、ぼんやりとした頭でマサキは聞いていた。
自身が企んだことであったとはいえ、シュウをしても四ヶ月の禁欲生活は相当に堪えるものであったようだ。考えられたことはそれだけだった。少しの間、そうしてマサキは背中でシュウの重みを受け止め続けた。ややああっておもむろに上半身を起こしたシュウが、完成したマサキの腰部の片羽根のタトゥーを、いつものように。けれども今日は布越しにではなく、肌の上から。愛おし気に撫でてきた。
「自由の先に広がる世界を見たいのですよ、マサキ」
「だから翼にしたって?」
「そう。どこまでも羽ばたいていけるように」
そう云ったシュウは、マサキの身体を起こさせると、向かい合わせに膝の上に乗せた。そして口付けを一つ。続けて二つ。次いで三つ……何度もマサキの口唇に触れてきたシュウは、先ほどまでの激しさはどこに消えたのか。壊れ物を扱うようにマサキの身体を抱き締めると、その耳とで。かつて聞いたことがないぐらいの優しさに満ちた声で言葉を奏でた。
――あなたは私のものだ。
眩暈がするほどの恍惚感。これを超える快楽はこの世に存在しない。
誰かに必要とされ、その誰かに所有される。孤独を知るマサキにとって、シュウの執着心はこの世に自分を繋ぎとめてくれる縁《えにし》であるのだ。わかってるよ、そのぐらい。マサキは深く頷きながらそう答えて、そっと、傷が走るシュウの鎖骨に顔を埋めた。
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