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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

EGO DANCE
楽しみました!私はやりたかったことをやれたので満足です!
 
ただご要望的な意味では、リベンジ案件な気がしなくもないので、もし不足を感じましたら、ご連絡いただけますと幸いです。(前置きはありますが、中身はひたすらなエロです。そういったマサキの扱いが苦手な方は回れ右をお願いします)
<EGO DANCE>
 
 間接照明ばかりの店内にシュウとともに足を踏み入れたとき、鼻腔を擽った甘ったるい香りに、マサキは少しばかり眩暈を覚えた。しかしそれも一瞬のこと。疲れが溜まっているのだろう。マサキはその原因を自らの体調にあるものだと考えた。
 ガラス天板の丸テーブルに籐製の椅子が二脚。食事をするわけでもないのだから、この程度の広さでも充分用を足す。メニューを見てもさっぱりなマサキの代わりにシュウが注文したハーブティは、やたらと愛想のいいウエイトレスによって直ぐに席に届けられた。
 そのハーブティに口を付けながら、マサキはシュウに早速今日の用件を切り出した。大した用件ではない。一杯のハーブティーをゆっくり飲み干す間には終わる程度の些細な用件。別にわざわざ、こうして城下街くんだりまで足を運んで顔を合わせる必要はなかったが、シュウがそれだったら王都に用事がある日についでにと場所を指定してきたのだ。
 ハーブティを飲み終えて、そろそろ店を出ないかとシュウを促す。何だろう。マサキはその頃になってようやく気付いた。やたらと視界がチカチカする。まるで、切れた電球が天井にかかったままの部屋にいるようだ。
 なんだか蒸し暑い。
 先に席を立っているシュウが「マサキ?」と、呼ぶ。倦怠感はないものの、身動きままならない身体が、マサキを椅子に縛り付けて離さない。
 シュウがあの愛想のいいウエイトレスを呼んだ。互いに嘲笑《わら》い合っているように見える。ウエイトレスの耳元に何事か囁いたシュウは、彼女の手にハーブティの代金としてはかなりの量の紙幣を掴ませた。
 おかしなことが起こっている。そうマサキは感じているのに、思考が上手く働かない。次の瞬間、シュウに抱え込まれるようにして、椅子から立ち上がらされたマサキは、思いがけない感覚に身体を震わせた。衣服が身体を擦るたったそれだけの感触が、どうしようもない快感となって、マサキの身体を駆け巡ったのだ。
「な……ん、だ。これ……」
 それだけ口にするのが精一杯のマサキに、シュウは言葉を返すことなく、マサキを担ぐようにして足を進めてゆく。
 従業員用だと思っていた扉の奥には細い通路。薄暗い照明がぼんやりとその道を照らしている。両脇に並ぶ赤い扉が六つなのか八つなのかマサキにはよく見えない。そのままシュウにその中のひとつの部屋に連れ込まれる。そこは一面を除いて鏡張りの室内だった。
 残った一面には拘束具。そしてトイレへと続くドア。中央には広めのベッド。奥の小さなテーブルにポットとティーセットが置かれている。これでこの部屋の意味するところが理解できなかったら、マサキはどうかしている。
「なんで、シュウ……こんな、こと……を……」
 ぷん、と薫る甘ったるい匂いはこの部屋にも充満している。もし、自分をこうした状態に陥れたものがあるのだとすれば、この匂いだ。マサキは思った。なのにシュウは涼しい顔をしている。自分とシュウの何が違うのか。ベッドにマサキを寝かせると、その髪を撫でながら、シュウがその答えを口にする。
「この香りはね、マサキ。あなたが飲んだハーブティと体内で結合することで、弛緩効果を伴う強力な媚薬となるのですよ。ふふふ……偶には趣向を変えて、こうした扱いをされてみるのもいいでしょう? 効果時間が短いのが難点ですが、大丈夫ですよ、マサキ。ハーブティのおかわりは、テーブルの上にあるポットの中にあるそうですから」
 言うなり服を剥がされる。言うことを聞かないマサキの身体は、シュウにされるがままだ。あっという間に一糸まとわぬ姿にされると、ぼんやりと宙を仰ぐことしかできないマサキの両手首を、シュウは壁にかけられていた拘束具を使ってベッドに繋いだ。
 マサキには輪郭がぼやけて明瞭りとは見えなかったけれども、天井の鏡に大の字に繋がれている自分の姿が映っているのはわかった。マサキの視線を辿ったシュウは、その意味するところを悟って、「いい眺めでしょう、マサキ。あなたはこれから、自分の感じる姿を自分で眺めながら、私に支配されるのですよ」
 そしてポケットの中から大きめの輪ゴムに見えるシリコン製のリングを取り出して、マサキの目の前に掲げてみせると云った。
「これが何かご存知ですか、マサキ? ペニスリングですよ。男性器の根元を縛り付けることで、簡単に絶頂《オーガズム》に達し難くするのだそうです。いつもあなたは簡単にいってしまうでしょう? 少しは我慢を覚えてもらうのも悪くない」
 既に天を仰ぎつつあるマサキの男性自身に、シュウは躊躇いなくそのリングを嵌めた。ぴったりと嵌ったリングが緩くマサキの男性自身を締め付けている。怖い。そう思うマサキの身体をシュウの指先が這い始めた。
 首筋から、鎖骨。二の腕、脇の下から胸へ。腰周りを撫で、腿。
 服が擦れるだけでも快感を感じるほどなのだ。マサキは喘いた。全身の肌という肌が性感帯のようだ。いつも快感を感じる場所とは異なる場所ですら、シュウの指先が辿るだけで、微弱な快感が走る。
 天井の鏡に映って見えてしまう自分の乱れる姿。拘束されているにも関わらず、だらしなく身体を開いて、シュウの愛撫を受け続ける自分。羞恥が益々、マサキの快感を煽った。
「いい声ですよ、マサキ。あなたのその声は、私に愉悦を感じさせてくれる……あの風の魔装機神の操者が、こんな乱れた顔を晒して鳴くとはね。あなたの仲間にも見せて差し上げたいぐらいだ。しかも、随分長いことご無沙汰でしたものね。もう我慢が利かない様子ではありませんか」
 指先でマサキの男性自身をなぞって、シュウは低く笑った。
 根元を縛り付けられて痛くない筈がない。だのにマサキの男性自身は萎れるということを知らないのだ。はちきれんばかりに硬く反り返って、その精を吐き出さんと、次に与えられる刺激を待ち構えている。
 シュウの身体がマサキの上に圧し掛かってくる。舌で、口唇で。マサキの耳元を執拗に責めながら、滑らかな手がマサキの男性自身を嬲っている。ああっ、とひときわ高い声をマサキは上げた。絶頂《オーガズム》にも近い快感を感じているのに、その精を吐き出すことが出来ない。
 緩く嬲っては、スピードを増すシュウの手に、マサキは延々と声を上げ続けた。達《い》きたいのに達《い》けない。根元をきつく締め付けているペニスリングが、マサキをその終わりのない快感から解放してくれないのだ。
 絶え間ない絶頂が、何度も何度もマサキに襲いかかる。襲いかかっては、一瞬、なりを潜め、そしてまた牙を剥く。その繰り返しの中で、マサキは泣いた。
「やだ……シュウ、やだ……いかせ……」
「お気に召しましたか、マサキ? そんなに可愛らしい顔をして」
 マサキの男性自身から離れたシュウの手が、腿を割って、その足の奥に触れる。
「ここもこんなにひくつかせて、まるで私を待っているみたいだ」
「挿《い》れて、シュウ……お願いだから、いかせて……」
「まだですよ、マサキ」
 なりふり構わず懇願したマサキに、シュウはそう素直に応じてくれるつもりはないらしい。指がずるり、とマサキの身体の中に入り込んできた。それだけでもう強烈な絶頂《オーガズム》を感じる。
「ふふふ……いいのでしょう、マサキ。好きですものね、あなたは。ここを弄られるのが。自分でもよく弄っているのでしょう? こんなにスムーズに指が入る」
 かあっ、と頬が熱くなる。一度覚えてしまった快感は、マサキを普通の自慰行為では簡単に達せない身体にしてしまった。これまでの期間もそう。シュウとの性行為を思い返しては、マサキはそうやって自分を定期的に慰め続けてきた。それを見透かされている。マサキは小さくいやいやと首を振った。
「お願いだから、頂戴。シュウ、挿れて……もう、無理……」
 甘ったるい香りが漂う室内で、延々と自分の身体を弄ばされ続けている……それに終わりのない欲望を感じてしまっている自分。媚薬の所為だとわかっていても、この刻み込まれる快楽は、マサキの欲望を煽って止まない。
「そんなに欲しいのですか、マサキ? だったら、ちゃんとどこに何が欲しいか言わないと、いつまでもこのままですよ。私は愉しいから、それでも結構ですがね」
「……俺の中に、挿れて……シュウ……シュウの×××を挿れて」
 何も考えられなくなりつつあったマサキは素直にその言葉を吐いた。瞬間、弾かれたようにシュウの身体が動く。手荒にマサキの両足を抱え込むと、もどかしそうにスラックスのファスナーを下ろし、マサキの中に一気にその男性自身を埋めてきた。
 ぷちん、と小さな音を立てて、シリコン製のゴムが弾け飛んだ。何度目の絶頂《オーガズム》で溜まりに溜まった精が限界を超えたのだ。そこからはもう訳がわからなくなるほど、滅茶苦茶に突き上げられた。何度も、何度も。マサキの体内に流し込むように、シュウは自身の精を吐き出しながら、何度もマサキを貫いた。
 時に、ハーブティを口に含まされてはまた。その繰り返しの中で、悲鳴にも似た嬌声を上げ続けながら、マサキはぼんやりと思った。
 今日は、もう帰りたくない――……と。
 
 
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