忍者ブログ

あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

夜離れ(21)
kyoさん、現在絶賛同人活動を始めて最長の濡れ場を書いているワケです。それ即ち、その現実に些かばかりの不安を感じなかったりもしなくないワケでして。
 
でもその、タイトルがこれですし、別に最長になってもいいよね!←開き直った(よくわからない人の為にご説明しますと濡れ場を書くのがkyoさんは苦手なのです)
 
私にとっては残念なことに、この濡れ場まだ続きます!
書ききれたら褒めてー!!!
 
※シュウ×モニカの性描写があります※
夜離れ(21)
 
 伏せた姿勢のモニカの腰を抱え込んで、秘所が存分に濡れるまでその奥を刺激し続けたシュウは、時期も時期と面を上げる。それにほうっと息を息を吐いた彼女は、ようやく声を押し殺さずに済むのだと身体を弛緩させた。そのまま、枕に顔を埋めているモニカに身体を半分覆い被せて、シュウは耳元に口唇を寄せると、双丘を割って秘所に指をあてがいながら問う。
「指以外のものを挿《い》れたことは?」
「指だって入れたことはありません……」
「これは失礼――なら、入っているのはわかる?」指を一本、滑り込ませると、「入っているのはわかりますけど……?」二本目。思ったよりはゆったりした膣内《なか》の感触に、ゆっくりと解きほぐす様にシュウは指を動かし始める。
「痛いですか?」
「痛くは……ないです」
「痛かったら言ってください」緩急をつけて指を動かす。
 モニカは――どうしたらいいのかわからない様子で、枕の中に顔を埋め続けている。彼女にとって、この未知の刺激は、痛くはなくとも決して快いものでもなさそうだ。
 得てして、初めの女性の反応は二つに分かれる。指を入れるのですら痛がるか、指を入れるのはよくとも、男性自身を受け入れるのを痛がるかだ。稀には最初から全てがスムーズに進む女性もいるにはいたし、世の中には痛がる相手を組み敷くのが趣味な苛虐的《サディズム》嗜好を持つ者もいたにはいたが、モニカはそういった女性ではなかろうとシュウは思ったし、またシュウ自身もそういった嗜好を持ってはいなかった。
 それでも刺激に対して濡れてしまうのが女性という性であったし、そうした状況に股間を熱くさせてしまうのが男性という性でもあるのだろう。この点は人間も生物。お互い上手く出来ている。
 次第に熱を強くしていくモニカの膣内《なか》に、その滑りの良さが増してゆくのを、シュウは指先で感じながら、
「どうします? 挿れてみますか?」
「入れなくては始まらないのでしょう?」
「痛いのを押してまですることでもありませんよ。そのぐらは時間をかけてもいい」
「時間をかければ痛くはなくなるのでしょうか」
「そればかりは運ですね」
 睦言《ピロートーク》には程遠い言葉の数々を発しながら、そして生真面目にそれに返答してみせるモニカの言葉の数々を聞きながら、まるで勉強会だ、とシュウは思う。それは、果たして、彼女の望む初夜の理想の形にどれだけ叶っているのだろう。
「どちらにしても痛いのでしたら、今してしまった方がいい気もしますわ」
「そう思っていられる内に済ませてしまうのがいいのでしょう」
「――……そんなに痛いのですか?」
「言ったでしょう。運ですよ。個人差がある。あなたがどちらなのか、あなたでない私にはわかりかねるのですよ」
 きっとそれはこんな形ではなかったに違いない。そう思いながらも、モニカと異なり、そういった夜を幾度となく過ごしてきたシュウは、その理想を踏み躙っている現実に何ら感慨を抱かないのだ。
 
 何度も交わった。
 ソファの上で、一度。互いに腰を押し付け合うようにして、対面に座して、足を深く折ってマサキは彼を受け入れた。マサキの口の中で一度果てた筈の彼は、それでもその昂ぶりを収まらせることはなく、直ぐにマサキの身を起こさせると、膝の上に導いて。
 背中にしがみつきながら、下から上に突き上げてくる男性自身を、何度も深く身体の奥に受け止めたマサキは、絶え間ない自分の喘ぎ声を遠くに聞いた。細く、長い、絶叫。断続的に喘ぐ。そうして程なく、圧迫感の奥にある恍惚を掴み取ったマサキは、腰を何度も震わせて、開衿されたシャツの下、己の腹部に白い液を吐き出した。
 余韻が身体を支配する。
 細かく身体を震わせ続け、きつく背中に爪を立てたマサキを宥め賺《すか》すように、彼の手が髪を梳く。はぁ、はぁ、あぁ……脱力感。どうしようもない。膿んだだるさに支配された身体を、彼の腕の中に沈める。
 そのまま少しだけ、口付けのついでに酒を含んだ。
 繋がったまま何かをするのも初めてならば、酔いに任せて行為に及ぶのも初めてだった。理性のたがが外れるというのはこういうことを言うのだろう。酒は性欲を減退させると、あまり品の宜しくない情報誌で読んだ記憶がマサキにはあったが、そんなものはどこ吹く風。六か月の空白は、その程度ではマサキを満足させてくれそうになかった。
 この先もずっと。
 そんな保証はどこにもないのだと思い知らされた六か月。もしマサキの感じている予感が、真《まこと》のものになるのだとしたら、この先はきっと。
 酩酊感。酔いが再びほろ苦くも甘く身体を支配し始める頃にもなると、彼はまるで子供を抱くようにマサキの両の足を抱え上げて、首にしがみついたマサキを軽々と抱え上げるとベッドに運ぶ。そして、伸し掛かる彼の身体の重みを感じながら、二度。
 耳元に、首筋に、頬に、ひたすらに降るようなその口付けを受けながら、最後には口唇を合わせて舌を絡め合って。ああ、ああ、ああ! 指先を、口唇を、肌を、男性自身を感じるたびに、マサキは喘いだ。喘ぎ続けながら、その蠱惑的な快感に――知っている。そう強烈に思った。
 覚えている。絶対に。絶対に。
 マサキ、と自分を呼ぶ、他の誰にも出せない甘い声が聴こえる。名前を呼んで。そう言われて躊躇いがちに、シュウと応えた。もっと、と言われて強く、シュウ。と呼ぶ。そう、もっと。乞われて、喘ぎ声の端々に彼の名前を織り交ぜては繰り返し呼ぶ。呼んでは、頬を両の手のひらで包み込んで、時折、切なげに喘ぐその顔を目を細めて見上げながら、また名前を呼ぶのだ。
 
 ――シュウ。
 
 このときばかりは、彼は絶対的にマサキのものなのだ。
 
 
.
PR

コメント