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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

SexuellesSpiel 2020 revenge.Ver(3)
白河は愉しそうだし、マサキは嬉しそうですね。このシリーズ。「幸せそうで何よりです」と思いながら書きました。うちのマサキは快楽に異常に弱いですね。ほら、そういうことに興味津々なお年頃なので、と言い訳をしつつ。
 
「やたらとマサキに欲情する白河博士」の第三回。
欲情しまくっている理由が明かされたりしますが、相変わらずただエロです。笑
<SexuellesSpiel 2020 revenge.Ver>
 
 朝のスープの残りにスライスチーズを乗せたフランスパンを浸したものと、茹でたジャガイモとソーセージの炒め物に、アボガドと玉ねぎのマヨネーズソース和え。朝食からそれほど時間が経っていないこともあって、マサキはシュウと相談の上で、昼食は軽めに済ませることにした。
 その席でマサキが今日のシュウの行動の原因を問い質してみたところ、「昨日の実験でできた副産物なのですよ、問題は」と、シュウは取り立てて後ろめたい様子もなしに、その経緯を口にし始めた。
「分析してみても成分がわからない結晶体だったものですから、物は試しにと舐めてみたのですが」
「何でそこで舐めようと思ったかな、お前は」マサキは溜息を洩らしつつ、スープを喉に流し込む。「この程度で済んでるからいいものを、お前の身体に取り返しの付かないことがあってからじゃ遅いだろ」
 どうやら舐めたことが良くなかったらしく、その直後から、シュウは突然に抑えきれないほどの欲望を覚えるようになったのだそうだ。その鋼の精神力を以てしてでもなのだから、相当に強い衝動である。それでも昨日は直ぐに収まることと思い、マサキを巻き添えにするのも忍びないと自分で処理し続けたのだと言う。「昨日と比べれば、今日は落ち着いた方ですね」成程。マサキは納得した。昨夜のシュウの疲労困憊具合はその所為だったのだ。
「で、その結晶体はどうしたんだ」
「まだ残してありますよ。あなたも舐めてみますか、マサキ? ふたりで舐めてみたら面白いことになるかも知れませんよ」
 その身に大変なことが起こっているとは思えないほどに、気楽にも嗤いながら言ってのける。マサキは眉を顰めた。朝から三度ともなれば、腰への負担は相当だ。ただ椅子に座るのですら大義であるというのに、だのにシュウは平然としたもの。鍛錬を怠けがちなマサキではあったけれども、時間さえあれば研究だの諜報活動だのに勤しんでいる男に、体力勝負で負けるのは釈然としない。
「冗談じゃねえよ。そんな恐ろしいことできるか。ちゃんと処分しろよ」
「上手くエネルギーを転用できれば、有用な使い道がありそうなので、私としては残しておきたいところなのですがね。それに処分に失敗してしまったらと思うと」
「被害が広がるのは避けたいな。はあ、面倒臭いモノを生み出しやがって」
「だから今後の為に、どういった作用が起こるのかについてのレポートを作成しているのですよ。上手く使えば男性機能回復治療に役立てるかも知れないでしょう?」
「だったら、別に俺を相手にしなくとも良かったんじゃ」
 瞬間、テーブルを挟んで斜向かいに座っているシュウの手がマサキの頬に伸びてくる。「放置される方がいいの、マサキ?」やんわりと撫でられる頬。名残り押しそうにマサキの頬に留まる。シュウはそのままマサキの耳元に口唇を寄せてくると、低く押し殺した嗤いを洩らしながら、
「先程、あなたは私の問い掛けに何と答えたでしょうね?」
「それは……」マサキは口篭った。
「それに、あなたがいるのにひとりでするのもね。昨日で思い知りましたよ。寂しくて仕方がない。あなたはそんな私に付き合うのは、嫌?」
 狡い。マサキは思った。そんな風に自分を求める言葉をシュウに吐かれて、それで嫌だとマサキが言える筈がない。魔装機神の操者という立場は、簡単には、シュウとの生活を日常のものとしてくれそうになかった。だからこそ、マサキはこうして会えた時ぐらいはと思ってしまう。
 きっと単純なマサキの性格を熟知しているシュウのことだ。マサキが考えていることを、わかってやっているのに違いない。それでも、マサキはそんな狡い男が好きなのだ。
「嫌、じゃない……」
 そう答えたマサキの頬を、愛おしそうにシュウが撫で続けている。マサキはその手に自分の手を重ねた。偶然で生み出された正体不明の結晶体。その理不尽な効果は、はっきり言って迷惑以外の何者でもない。それでも、偶にはこんな日があってもいい。シュウの手のひらに頬を預けながら、マサキはそう思った。
「大丈夫ですよ、マサキ」それをマサキの不安の現れと取ったのだろうか。「昨日と比べれば本当に収まりましたからね。一日も経てば落ち着くと私は予想してますし、それまであと少し。私の我儘に付き合ってください。ねえ、マサキ?」
 
 昼食後、マサキはベッドに入って、一時間ほど仮眠を取った。途中でシュウに起こされるのではないかと思いはしたものの、マサキがそう予想している時に限って、シュウは予想した通りには行動してくれないのだ。目が覚めたマサキは少し寂しい気持ちを抱えながらリビングに向かったものの、そこにシュウの姿はなかった。
 もしかしたら、レポートの作成で研究室にいるのかも知れない。マサキは地下へ続く階段を降りて、元は食料庫だった研究室に向かう。デリケートな扱いを要求する機材も数多いその場所に、他人が立ち入るのを好まないシュウであったけれども、今日は状態が状態だ。結晶体の効果が切れた時に、何事も問題なく終われる保証はどこにもない。マサキは研究室の鉄製の扉を開いた。
「シュウ? ここにいるのか?」
 薄明かりが灯る室内。並んでいる機材の幾つかには電源が入っていて、周囲を仄かに照らし出している。その奥で処理能力の高い大型据置型端末に向かっていたシュウが、マサキの声に椅子ごと向き直ると悪戯めいた微笑を浮かべて手招いてきた。
「何をしてるんだ?」
「例の結晶体の成分を分析できないかと思いまして。他の方法も含めて色々試していたのですよ」
「まさか、舐めたりしてないだろうな?」
「今ぐらいの効果で済むなら、また舐めてみてもいいとは思いますが、それでは済まないでしょうしね。流石に私もそんな危ない橋を渡ろうとは思いませんよ。副作用があるかも知れませんし。ところで、マサキ」
 椅子から立ち上がったシュウが身を屈めて、マサキの耳元に囁きかけてくる。「そろそろ、私にお付き合いしてはいただけませんか?」マサキを誘うシュウの物言いに、マサキは顔を伏せた。予想をしてここまで足を運んではいるものの、何度されても、こうして誘われる瞬間にマサキは上手く慣れられそうになかった。小さく頷いて、マサキはシュウに寄りかかると、その肩に顔を埋める。
「ふふ……ねえ、マサキ。してみたいことがあるのですけど」
「してみたいこと?」
「そう」シュウの手がマサキの手首を取った。「あなたは拘束されるのは、嫌?」
 したことがない訳ではない行為にわざわざ断りを入れてくるのは、マサキの意思を尊重したいというシュウの気持ちの現れであるらしい。本当に意に沿わないことはしたくないのだと、いつだったか、毎回の意思の確認をマサキが嫌がってみせた時に、シュウは言ってみせたものだった。
「あそにフックが並んでいるでしょう? 食料庫だったときに棚を吊るしていたフックらしいのですが、常々、これほどあなたの拘束に適している高さと大きさもないと思っていたものですから」
 壁の上面に等間隔に並んでいるフック。いくつかには書籍を並べる棚が吊るされている。そこにマサキを吊るして拘束したいと、シュウはその手首を舐めながら言う。とはいえ、嫌だったらこれまでのどこかで、マサキはそうシュウに伝えていただろう。「嫌じゃない……」マサキは首を振る。
「本当に?」言われて頷く。「なら、自分で服を脱いで」
 マサキはおずおずと服に手を掛けた。自ら服を脱ぐこともまた、気恥ずかしさが先に立つマサキには、慣れられそうにない習慣だった。それでも、一枚、また一枚と上から順番に服を脱いでいると、目の前のデスクの引き出しから、太めの鎖と手枷、そしてアイマスクを取り出したシュウが、その手枷をマサキの手首に嵌めてくる。
 服を脱ぎ終わったマサキはフックの前に立たされた。手枷に通される鎖。それがフックに掛けられる。両手を掲げて、軽く肘を曲げられるぐらいの高さ。壁を背に立ったマサキの視界をアイマスクが塞ぐ。
「こうされるのも好きなの、マサキ?」
 これから与えられるだろう快感を思ったマサキの身体が熱を帯びる。朝から四度目の性行為にも関わらずの自分の身体の反応の良さは、それだけ空白の時間が長かったということでもある。見えない視界の向こう側のシュウの満足気な顔を思い浮かべながら、マサキはその言葉に頷いた。
 シュウの指先がゆっくりとマサキの全身を這い回り始める。触れるか触れないかの距離で、時に同じ場所を繰り返しなぞり、時に過ぎ去っては間を置いて戻し……もどかしい動きに焦れつつも、マサキは徐々に息を荒くしながら、その愛撫を受けた。
「こんなに身体を悦ばせて。ねえ、マサキ?」
 硬くなった乳首を指先で嬲られたマサキは、背筋をしならせて鳴いた。指先だけの愛撫であるのに、翻弄されてしまう自由の制限された身体。「ああ、シュウ……」もっと欲しい。もっとどうにもならないほどの快楽が。合間に降ってくる口付けに深く舌を絡めことで、マサキはシュウを更に求めた。
「もっと……もっと……シュウ、もっと……」
「どうされたいのか言わないと、マサキ」
 可愛がられたいのだ、マサキは。その指で、その舌で。シュウに極限まで快楽を与えられ続けたいのだ。可愛がって。そう震える口唇で告げると、シュウの舌がマサキを舐り始めた。耳から首筋に舌を這わされ、時に差し込まれては声を上げ、脇から胸元を啄まれては腰を震わせる。時間をかけて続けられる愛撫は、マサキにその行為に耽ること以外の思考を拒否させた。
 アイマスクの下で見えない光景を想像し続ける。今の自分はきっと外側から見たらこう見えるのだ。鎖に繋がれて目隠しをされ、だのに同性に身体を開いて、与えられる愛撫に身を任せている。そのあられのない姿が、マサキの劣情を更に煽る。
「どう、マサキ? いいの?」
 身体に刻み付けられた紅斑の数は、マサキが快感を覚えた数に等しい。四度、その跡を辿るシュウの口唇に、マサキは何度も声を上げて応えた。「ねえ、マサキ。今日は風呂《バス》に一緒に入りませんか」その最中に、ふと思い立った口ぶりでシュウが言う。「この身体を手放したくない。ね、マサキ。隅々まで私が洗ってあげますよ」
 それは次の行為の約束でもあるのだ。マサキは緩みっぱなしになっている口の端を舐めた。舐めて頷く。今日の欲望に限りがない。その事実が鎖と手枷以上にマサキを拘束する。
「ここも勿論、念入りにね」
 そのまま、足を抱えられたマサキは、シュウの男性自身によって貫かれた。上手く力の入らなくなった足はシュウの動きに自在に答えて、その欲望をより深く受け止める。「ああ、いい、シュウ……いい……」甘ったるい嬌声がマサキの口を吐く。
「今日一番のいい鳴き声ですよ、マサキ。そんなにこの体勢が気に入りましたか?」
 手首を吊るされているのに、不自由を感じるよりも快楽が勝る。マサキは頷いた。シュウに何かを語りかけられて頷く度に、耳元に降ってくる押し殺した嗤い声。自分の欲望を限りなく果たしているシュウは、これ以上となく満足いるに違いない。ぼんやりとそんなことを考えながら、膝を深く折られて、腰を宙に高く浮かされたまま、マサキは延々とシュウの昂ぶりをその身体の奥底に受け入れ続けた。
「ふふ……マサキ、いい眺めですよ。あなたが私を受け入れているのがよく見える。ほら、動かす度にこんなに。あなたにも見せてあげたいくらいだ」
 羞恥を煽る言葉の数々が、その快感をより深いものとしていく。「ほら、達きなさい。マサキ」緩やかだった腰の動きが激しさを増し、より奥深くへとその凶器を埋めてゆく。抜かれては突き上げられ、突き上げられては抜かれる。その感覚が次第に短くなってゆく。何も考えられなくなったマサキは、細く長い声を上げて絶頂に達した。
 全身をくまなく責め立てられた後の開放感。マサキは我を忘れて泣いた。泣きながら、シュウにその後も責め立てられては声を上げる。再び立ち上がってくる緩やかな快感。その中で、シュウに深く口付けられたまま、マサキはいっそう深く折られた膝の下、その精を受け止めた。
 そのまま暫くマサキの中に自らの男性自身を収めていたシュウが、その精を吐き出しきる。「ああ……シュウ……」ゆっくりと抜き取られる男性自身。膝を下ろされたマサキは、手枷に身体を預けきって腰を落とした。流石にもう力が入らない。
「ほら、マサキ。腰を上げて」
 身なりを整えたシュウが、マサキの腰を支えながら身体を上げさせる。フックから外される鎖。次いで手枷とアイマスクがマサキの身体から剥がされる。「こんなに泣いて」涙に濡れた瞼を、シュウの舌が掬い上げる。
「少し休みましょう、マサキ。私もようやく疲れを感じるようになってきましたよ」
 
 
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