忍者ブログ

あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

SexuellesSpiel 2020 revenge.Ver(4)
ようやく気付いたんですけど、うちの白河のSっぷりは「サディスト」のSではなく「サービス」のSですね。奉仕系S。マサキは従順系M。何が言いたいかと申しますと、まあお似合いだからいいか、ということです。
 
今回は少し短めです。
<SexuellesSpiel 2020 revenge.Ver>
 
 シュウに抱えられて裸のまま寝室に連れ込まれたマサキは、ベッドでシュウとふたり。頭を並べて休んだ。目が覚めれば、窓の外には暮れなずむ空。茜色に染まった寝室にシュウの姿はない。そろそろ実験に対する欲が湧いてきたらしいということは、また地下室だろうか。枕元に置かれている服を着てマサキが部屋を出ると、キッチンから三匹の使い魔たちの騒々しい声が響いてきた。
「そりゃ殺生ってもんですよ、ご主人様。これでも気を遣ってお昼ご飯は我慢したんですよ? それをまた出て行けって。ちょっとマサキさんもご主人様を甘やかし過ぎというか。それに、そもそも、あたくしども朝食の最中で追い出されているんですよ?」
「だから今、こうして食事を与えているでしょう」
「だって、食ったら出て行けニャんでしょう? これから暗くニャるのに、あたしたちにどこで過ごせって言ってるの?」
「野生の動物の形をしているものにしては、あるまじき発言ですね」
「おいらたちは使い魔ニャのニャ! 主人に仕えてなんぼの使い魔!」
「その割にはどれ一匹として、素直にいうことを聞いているところを目にした覚えがありませんが」
 腹を空かせて帰宅した三匹の使い魔に対して、シュウはまたも出て行くように促したらしい。マサキは騒ぎの大元であるキッチンに足を踏み入れた。床に置かれた三匹の餌用のプレートにこんもりと餌が盛られている。そのプレートの前には三匹の使い魔たち。自棄を起こしているような餌の量は、いつもマサキが彼らに与えている量の三倍はあるだろう。
「ちょっとマサキ、ニャんか言ってやってニャのよ! これでもあたしたち心配して」
 足音と気配で察知したようだ。即座にマサキの存在に気付いた三匹の使い魔たちが、視線を一斉に向けてくる。少しの間。三匹の使い魔たちはなんとも表現し難い奇妙な表情で、またもシュウを振り返る。
「……いやあ、心配が現実になっていると申しますか、そのう、ご主人様? せめてご主人様のお洋服をお貸しになって差し上げるべきではないでしょうかね。マサキさん、首がすっごいことになってるんですけど」
「首だけだと思いますか?」
 恐らく、終わりなく続く三匹の抗議の言葉の数々を聞き飽きていたに違いない。「あたくしをどなたの使い魔だと思ってらっしゃるんでしょうね。わかってますよ、そのくらい」チカの愚痴とも抗議の声とも付かない言葉を受けても、柳に風と涼しい顔。シュウは悠然と微笑んでみせながら、「だから、あなた方には素直に言うことを聞いていただきたいのですよ」
 ねえ、マサキ。シュウの手がマサキに向けられる。傍に来るように促すシュウに、マサキは仕方なくその隣に立ち、使い魔たちを見下ろした。「いいからお前ら飯を食えよ」どうせ今日一日ぐらいのことなのだ。そこまで目くじらを立てる話でもないだろう。マサキはそう思いながら、腰に回されたシュウの手に導かれるがまま、その身体に自らの身体を預ける。
「お風呂の準備はできてますよ、マサキ。入りませんか?」
 三匹の使い魔たちの厳しい視線に晒されても何のその。またぞろ例の結晶体のいかれた効果が騒いでいるらしい。腰を撫でながら耳元で訊ねてくるシュウに、マサキはその手に自分の手を重ねながら、「……せめてこいつらに飯ぐらいは食わせてやろうぜ。そのぐらいは我慢できるだろ?」一瞬にして、三匹の使い魔たちの視線が呆けたものへと変わる。
「甘いんだニャ」
「甘いのね」
「砂糖もびっくりの甘さですよ」
 口々にそう感想を述べると、流石に文句を言う気も失せたらしい。溜息を洩らしつつも、使い魔たちは餌の入ったプレートに顔を突っ込むとそれぞれ食事を始めた。
 
 そんな三匹の使い魔たちが食事を終え、再び家を出て行くのを見送ってから、マサキはシュウに連れ込まれるようにして脱衣所に入った。
 洗面所の鏡の前で、一枚ずつ服を脱がされる。
 服の上に覗く首周りの状態から想像できる通りに、身体中にひしめき合う紅斑。いつもよりもその色が濃く感じられるのは、何度も同じ場所を啄まれたからだ。「こういうのは良くないとわかってはいるのですがね。どうしても止められない」シュウはそう言って、マサキを先に浴室に入れた。
 今日、二度目のシャワー。コックを捻って、熱い湯を頭から浴びる。疲れた身体に染み入る熱さ。マサキは汗でべたつく肌をシャワーの湯で流していき、先ずは髪とシャンプーを手に取った。今日のシャワーをこれで最後にすべく、マサキが頭を洗っていると背後でガラス戸が開く音。「もう、洗っているの?」伸びてきたシュウの手が、マサキの胸と腰を抱く。
「髪から洗ってあげたかったのですけれども」
 そう言われても、洗ってしまったものはどうにもならない。身を乗り出してシャワーを浴びるシュウから滴り落ちてくる湯が、マサキの身体を濡らした。「頭を流すから、ちょっとだけどけよ」マサキはシャンプーを流す為に、シュウが頭を避けたシャワーに頭を突っ込む。
「身体を洗わせてくれませんか、マサキ? それともあなたが先に私を洗ってくれる?」
「どっちでもいいけど……」
 なら、洗ってくれますか。そう言われてシャワーの下、シュウの腕がマサキの身体を返す。滅多にともに浴びないシャワー。距離の近さが気恥ずかしい。瞼にかかる濡れた前髪は、そんなマサキの気恥ずかしさを少しだけ和らげてくれた。中途半端な視界の向こう側、マサキはスポンジを手に取ると石鹸《ソープ》を染み込ませて、シュウの身体を洗い始めた。
 首から、肩……肩から胸……胸から腕。そして腰。シュウは微笑みながらマサキを見下ろしている。「背中は?」シュウに腰に抱えられたマサキが訊けば、「こうやるのですよ」とその手が背中に回される。向き合ったままで全てを済ませろと言いたいらしい。マサキはシュウの肩に顔を埋めながら、手探りでその背中を洗った。「ほら、手を離せよ。足を洗うから」膝を付いて更に足。腿から、膝……膝から足先……指の間に足の裏まで。そして、シュウの身体を洗い終えたマサキは、少しばかり途方に暮れた。
 残ってしまった箇所がある。他でもない男性自身。「……ここも?」自分も持っているものだけに、デリケートな扱いをしなければならないことがわかっている。自分と同じように洗っていいのだろうか? そう思ったマサキが訊ねると、シュウはその腕を引いてマサキを立ち上がらせた。
「洗いたいですか、マサキ。それともお手本を見せましょうか」
「馬鹿……茶化すなって」
 指を絡めながら重ねられた手。マサキの手をシュウが自らの股間へと引き寄せて掴ませる。熱を持ち始めているシュウの股間の昂ぶりを、重ねた手の下で、マサキは躊躇いがちに扱き始めた。
「そう、マサキ。ちゃんと洗って」
 自分で手を動かし始めたマサキに、シュウの手が剥がれる。昇ってきたその手が、次いでマサキの顎を仰がせる。額にかかった前髪を払い、頬へ。重ねられる口唇。啄むような口付けが繰り返されるその下で、撫でては掴み、掴んでは扱き……マサキはその温もりを手に収め続けた。
「ふふ……マサキ、欲しくなってきた?」
 深く口唇を合わされて、舌を絡ませ合う。手の内に収めたシュウの男性自身の硬さが徐々に増してゆくのを感じ取りながら、マサキは頷いた。いかにそれが結晶体の作用であっても、シュウがマサキを求めて続けているのは事実。だったら、今日はそれに溺れきる。マサキはそう決めたのだ。そして泥のように疲れ果てた身体をベッドに沈めて、夢も見ない深い眠りに落ちてゆくのだ。
「まだですよ、マサキ。あなたの身体を洗ってからね」
 浴室の壁に肘から先を付いて、マサキは壁に伏せた。背中から腰、臀部に足。スポンジを手にしたシュウがその身体を丁寧に洗ってゆく。流しっぱなしのシャワーが、泡で滑った先からその身体を洗い流してゆく。
 スポンジを置いたシュウが、手に直接石鹸《ソープ》を付けて、マサキの身体の前側を洗い始める。「どちらもこんなに硬くして。そんなに欲しかったの、マサキ?」胸をなぞられては、乳首を抓まれる。腰をさすられては、男性自身を弄ばれる。洗うというよりは、いつも通りの愛撫。それをマサキは一身に受けた。
「我慢できなくなってきましたか、マサキ?」
 上がり始めた呼吸が、吐息となって宙を舞う。その合間に洩れる声。浴室という環境がその声をやけに近くに響かせる。うなじから背中を舐《ねぶ》られて、マサキは喘ぎながら頷いた。「もう少しだけ我慢して。ちゃんと洗ってからですよ」抱え込まれた腰の後ろで臀部を這い回っていたシュウの手が、マサキの双丘を割ってその奥へと入り込んでくる。
「ほら、マサキ。奥までちゃんと洗わせて……」
 深く差し込まれた指が、緩やかにマサキの身体の奥を刺激する。「ああ、シュウ……」更なる強い快感を求めて、マサキは腰を浮かせた。シュウの指をいっそう奥へと受け入れて、掬い上げるように蠢くその動きに身を委ね……。
「いいの、マサキ?」今日何度目の問いに、マサキは深く頷く。
 繰り返しシュウを受け入れてきた身体は、些細な刺激でも敏感に反応するほどに、その愛撫に馴染んでしまっている。「頂戴、シュウ……もう、無理……」限界が近くなっていることを感じ取ったマサキは、我を忘れてシュウに懇願した。
 
 
.
PR

コメント