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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

感じたがりのTRAP ROOM.【改稿アリ】
書いている内にどんどん内容が変わって、気付いたらエロになっていました。
なんでだ。

いつも拍手を有難うございます。励みになります。٩(*´︶`*)۶҉
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では、本文へどうぞ!
<感じたがりのTRAP ROOM.>

 巫山戯ていやがる。
 無理に飲まされた酒の苦み走った味を思い出したマサキは、恐らくその中に薬物が混入されていたのだと、冷えた床の上で飛び起きた瞬間に思った。そして先ず周囲を窺った。白い壁で囲われた六畳ほどのこじんまりとした部屋。照明以外の家具らしい家具はなかったものの、今回の相手が相手である。どこかに監視カメラぐらいは仕掛けてあってもおかしくはない。
 起きましたか。既に薬の効果が切れていたのか、それとも警戒心から酒を口にせずにいたのか。壁を背にして腕組しながら立っているシュウが声をかけてくる。
 キナ臭い噂ばかりが聞こえてくる元領主。シュテドニアスの反大統領派やバゴニアの反ラングラン派に活動資金を提供しているだの、条約で禁止されているラングラン内の資源を他国に輸出しているだの……その中には邪神教団との関わりを囁くものもあった。そうである以上、この男が姿を現わすのは時間の問題だったにせよ、よもや噂の真偽を確かめる為に敢えて招待を受けたパーティの会場で鉢合わせするとは。
 マサキは差し出された手を払って、床から立ち上がった。
「てめえの助けを借りるつもりはねえよ」
「この状況で云っていい台詞ではないと思いますがね」
 扉の位置さえも明瞭りとしない純白の室内は、素手でどうこう出来るものではない。そう云いたげなシュウに構わずマサキは彼に背を向けた。そしてシュウとは真逆の壁に陣取る。
「ここは何処なんだ」
「さあ。私も気付いたらここにいたのですよ。恐らくは、飲み物に薬物が仕込まれていたのでしょう。やけに甘いカクテルだとは思ったのですが、あれは薬の苦みを消す為だったのかと。犯罪者が良くやる手口ですよ」
「お互い警戒を怠ったってことか。くそ。短刀が没収されていやがる」
 ジャケットの内ポケットを探ったマサキは、そこに仕舞い込んであったオリハルコン製の短刀が無くなっていることに気付いて顔を顰めた。私の咒符もそうですよ。腕を組みなおしながら呑気にもそう云ってのけたシュウに、マサキは苛立ちを隠せない。
「あれもねえ、これもねえじゃ話にならねえんだよ。お前、どうやってここから脱出するつもりだ」
 この男はいつだってそうだ。それが冷静に事を運ぶということでもあるのだろう。マイペースに物事に挑む。しかも、ピンチに陥れば陥っただけ闘争本能を駆り立てられるらしい。
「このまま私たちをただ餓死させるとも思えませんし、そうである以上、いずれはチャンスが訪れることでしょう」
 そう口にして、凄絶な笑みを浮かべてみせたシュウに、この状況を楽観視していやがる。マサキはそう言葉を返してから、試しに壁を叩いてみた。重い。中身の詰まったコンクリ製らしい壁は、武器を持たないマサキの剣技では、到底破壊出来そうにない。
 ――ようこそ、マサキ=アンドー。そしてクリストフ=マクソード。
 仕方なしにマサキが壁に凭れかかった瞬間、どこからか響いてくるいやらしい声。マイクを通した声に聞こえる辺り、どうやら、壁の何処かにスピーカーが仕込まれているようだ。
 ――憎々しい地上人に、地上人との合いの子を、一度に抹殺出来るチャンスに恵まれるとは。神も信じてみるものだな。
 それは宗教団体との関りを認めているに他ならず。それが破壊神サーヴァ=ヴォルクルスであるのかは、今この場では明瞭りとはしなかったものの、疑惑を深めるには充分過ぎる台詞だった。
 マサキの脳裏に、決して好印象とはいかなかった元領主の姿が思い浮かぶ。頭頂部に僅かに髪を残すだけとなった頭にたるみきった顎。膨れ上がった腹は、彼が日頃不摂生な生活に溺れていると容易に想像出来るものだった。
 やたらとパーソナルスペースを無視して近付いてきては、溝《ドブ》のような臭いのする息を吐く。きっと太り過ぎが祟って、内臓の何処かを駄目にしてしまったのだろう。鼻を抓みたくなるような体臭は、それを打ち消そうとして振りかけたに違いない香水の匂いも相俟って、意識を研ぎ澄まして話に耳を傾けなければ内容が理解出来ないぐらいに、マサキの神経をすり減らしてくれたものだ。
「云ってろ。そんなに簡単に殺せる程、俺はやわには出来ちゃいねえ」
「同感ですね。どんな罠にも仕掛けはあるもの。そういった態度を取っていられるのも、今の内ですよ」
 どうせ何処かには扉が隠されているのだ。そこを攻められれば勝機が見えてくる。マサキは冷静さを取り戻すと、今一度部屋の中に目を遣った。
 継ぎ目もなければ凹凸もない壁。けれども時間をかけて調査をすれば、せせこましい部屋なのだ。必ずや扉を見つけ出せるに違いない。マサキは拳を握り締めた。そうと決まれば直ぐに行動を開始したい。
 だというのに――、次いでスピーカーから響いてきた言葉は、マサキの動きを止めるのに充分足りるものだった。
 ――強がっていられるのもいつまでかな。後30分もすれば、その部屋は毒ガスで満たされる。
 何だって? マサキは声を上げた。
 自分たちに利用価値があることを認めているマサキは、――そして恐らくはシュウも、元領主が簡単に自分たちの命を奪うことはないと考えていた。それを容易く裏切ってみせる台詞。
 真正面のシュウを見遣れば、微かに眉を顰めている。無理もない。たった30分間で壁の調査を済ませ、扉を開錠しなければならないのだ。しかも頼りになる道具が何もない状態で。
 ――但し、脱出のチャンスぐらいはやるぞ。どちらかが相手の舌を噛み切ったら、この部屋の扉を開けてやってもいい。では、健闘を祈る。
 何故、舌を噛み切れなのか。殺し合いをさせたいのであれば、他にもやりようはあるだろうに……元領主の思惑がわからずマサキは困惑したものの、既にマイクは切られた後のようだ。しん、と静まり返った部屋。与えられた条件に、気まずさばかりが募る。それを和らげようと、マサキは頭を掻きながら言葉を吐いた。
「そう云った悪党が実際に扉を開けることなんてねえよ」
「そうは云えど、この壁の有様ではね。30分で脱出口を見つけ出せるかどうか」
「気弱なことを云ってるんじゃねえよ。てめえと舌を賭けて勝負するなんて面倒なこと、誰がするかよ」
 そうですか――、と呟いたシュウが、何を思ったか、大股でマサキに近付いて来る。そうしてマサキの目の前に立った彼はやおら壁に手を付くと、頭半分は背が低いマサキを見下ろしながら、私は構いませんよ。と身を屈めて囁きかけてきた。
 ――あなたにだったら、私の舌を捧げてもいい。
 そして何を云われているか理解が追い付かずにいるマサキの頬に、おもむろに手を這わせてくると、どうぞと微かに息を荒らげながら口唇を合わせてきた。
 想像していたよりも柔く、温い口唇。冷え冷えとした表情ばかりが思い起こされる男は、きっとその肌の温もりさえも冷えたものであるのだろう。そう勝手に思い込んでいたマサキは、完全にシュウ虚を突かれた形になった。開いたままの口唇。そこに流れるように舌を差し入れてきたシュウに、マサキは慌ててその胸に手を付くも、どんな力が働いているのか――ぴくりとも動かない。
「どうしましたか。ほら、好きに噛み切ってくださっていいのですよ」
 そしてもう一度。深く合わさった口唇に、今度のマサキは躊躇わなかった。即座にシュウから顔を背けると、追い縋るように、頬に、耳に、押し当てられる口唇から逃げた。
「てめえ、何を考えて……っ」
 いくら舌を賭けることが、この部屋から無事に脱出出来る条件であるとはいえ、易々とそれに乗ってみせるなどこの男らしくない。だからこそマサキは抗議の声を上げようとした。けれどもその言葉を、マサキは最後まで云い切れなかった。
 腰が壁から浮くほどの抱擁。逃げ切れない力でシュウの腕に捕らわれたマサキは、シュウの辺り憚らぬ口付けの数々を藻掻きながらも受けることとなった。額に、目尻に、頬に、耳に。そして口唇に。他のことなど目に入らぬ勢いで口付けを繰り返してくるシュウに、やめ、やめろって……次第にマサキの息は切れ切れとなってゆく。
「感じているの、マサキ?」
 耳元で囁きかけられたマサキは身を竦ませた。
 そんなことがある筈がない。そう思ってはみたものの、確かに力の入らなくなっている足腰。いつの間にかマサキはシュウの口付けを、心地良いものとして受け止めてしまっている。マサキは途惑いを感じずにいられなかったものの、身体は正直だ。触れられる度に、けばだった心が溶けてゆく……
 自らの胸の内から湧き出てくる感情には、所詮逆らえないのだ。いつしかマサキは、差し入れられた舌が口腔内で蠢くのを、ただ大人しく受け入れるだけとなっていた。
「何で、何で、お前……」
「どうせ死ぬのであれば、せめて望みを叶えてから死にたいのですよ」
 口付けの終わり。マサキの問いにようやくそう答えたシュウは、30分では出来ることに限りがあるのが残念ですけど。意味ありげに耳元でそう囁きかけてくると、何度目かわからない口付けを口唇に落としてきた。
 絡み付く舌。マサキはおずおずと自ら舌を動かした。瞬間、ぴくりとシュウの動きが止まった。次の瞬間。抱き締められる腕に力がこもったかと思うと、息継ぎすることもままならない勢いで舌が絡められた。攫われるような口付け。長く激しいそれを終えたシュウは、一度だけと、マサキの目を真っ直ぐに見詰めながら云うと、その服の中へと手を忍ばせてきた。
「な、お前、何を――」
「どうせ死ぬなら、ですよ。云ったでしょう。望みを叶えてから死にたいと」
 いつしか膨れ上がっていたマサキの乳首にシュウの指が触れた。や、め。マサキの言葉に構うことなく動き回る指先。やだ、やめろって。マサキは首を振るも、たかだかキスだけで力の入らなくなった身体が、新たに与えられた刺激に逆らえる筈もない。
 自分の身体なのに、自分で制御出来ない。駆け抜ける快感は、マサキの身体の自由を容赦なく奪った。
 先端に触れられては腰を跳ねさせ、抓まれては身を捩じらす。そうして、そろそろと這い寄られては、あ、と声を上げる。日頃、意識さえしたことのない場所への愛撫は、様々にマサキの身体を躍らせた。それがシュウの感情を煽り立てているのだろう。やがて、シュウの愛撫に身を任せるしかなくなったマサキの身体から、彼は容赦なくその衣服を剥ぎ取った。
 ジャケット、シャツ、ブーツに靴下。そしてジーンズに下着。首筋を、或いは乳首を舐られながら一枚、また一枚と床に散らばってゆく衣装を、マサキはもう視線で追いかけようとも思わなくなっていた。あ、あ。と微かに声を洩らしながら、シュウのなすがまま。一糸纏わぬ姿で続く愛撫に身を任せていたマサキは、不意に抱え上げられた両脚に身体を硬くした。
 壁に押し付けられたかと背中。両脚が大きく開かされる。
「やだ。馬鹿、やめろって……」
「どうして? 抵抗らしい抵抗をしなかったあなたの所為でしょう、マサキ」
 しないと云うより、出来なかったのだ。
 まるで不思議な力が働いているかのように、思い通りにならなかった自らの身体。浅ましい欲に踊らされただけと云えば聞こえはいいが、それにしても切羽詰まった状況下。しかも碌でもない元領主に監視されているに違いない部屋なのだ。
 マサキは焦った。自分たちは何に及ぼうとしている?
 シュウは間違いなく自らの欲を果たそうとするだろう。そしてそれを、愚かにも快楽に溺れてしまっているマサキは受け入れてしまうのだろう。けれども、そんなにマサキ=アンドーという人間は、性欲に踊らされるような人間であっただろうか――恥ずかしさを堪えながら息荒く。脚を広げたまま、マサキは不条理な世界に思いを馳せた。
「ほら、力を抜いて。もうそんなに時間がないのですよ。ねえ、マサキ。だから最期に私にあなたを感じさせて」
 けれどもそれも長くは続かない。醜くも欲望を訴えてしまっているマサキの男性器の下。窄んでいる蕾に、そっと、シュウの男性器が押し当てられる。
 猛々しいまでに反り返っている男性器を受け入れられる気がしないまま、身動きままならない身体を抱えて、マサキはゆっくりと蕾の奥へと押し込まれる男性器を、ぼんやりと見遣っていた。
 最初こそ硬く閉ざされていたマサキの蕾が次第にその幅を広げてゆく。そうして、少しづつ、けれども確実に、猛々しい男性器を身体の中へと飲み込んでゆく。や、無理……マサキは声を上げるも、その言葉を裏切るように、ずるり――。マサキの蕾は一気にその全てを受け入れていた。
 想像以上ですよ、マサキ。マサキの内部の感触を確かめるように、暫く動きを止めていたシュウは、息を弾ませながらそう呟くと、躊躇うことなく腰を進めてきた。ん、ん、マサキが発する声を封じるように、深く合わせられる口唇。舌の絡め合いは、果てしない。まるでこれまでもそうした関係であったかのように、自然と繰り返される口付けに終わりは訪れないようにも感じられたものだ。
 けれども、始まりがあれば終わりがあり、そしてそれはいつだって突然だ。
 ついにマサキの口唇から自らの口唇を剥がしたシュウは、ほら、マサキ――と、快楽で瞳が潤んでいるマサキに、迷うことなく自らの舌を差し出してきた。
「この気分のまま死ねたら本望ですよ。ほら、マサキ。早く私の舌を噛み切って」
 辛くて仕方がないのに、半面、どうしようもなく気持ちがいい。特に入り口付近を擦られるのが堪らない。
 蕾の奥に感じる熱が動く度に、マサキは声を上げてよがった。羞恥を感じながらも、我を忘れてよがり狂った。
 ――こんな状態でどうやって舌を噛み切れって云うんだ。
 やがて、あ、ああ、あ、ああっ……一オクターブは高い声が自らの喘ぎ声だと気付かぬまま。マサキは初めて感じる快楽に後押しされるように射精を迎えた。そうして、精液を撒き散らしながらも、更にシュウに突き上げられ続けた。
 あ、やだ、やだ。シュウ、そこ、やだ。射精を終えても尽きぬことのない快感。開ききった脚の合間に、飲み込まれては吐き出されるシュウの男性器が映っている。こんなに素直に受け入れてくれるのなら、もっと早くこうしておくのでしたよ。そう云ったシュウの男性器がいっそう深くマサキを貫く。ああ、ああっ。悦びに限りはない。マサキは失われれそうになる理性を、必死に心の縁に引っ掛けて耐えた。
「ああ、マサキ。出ますよ。あなたの身体の奥に」
 シュウの言葉にマサキは頷いた。早く、早く出して。自分でも信じられないような懇願の言葉を吐きながら、マサキはより深い快楽を得るべく自ら腰を振った。早く、シュウ。早く奥に、出して。それにシュウが何と答えたのかは、聞こえなかった。けれども、より開かされた脚の奥。前に後ろに。何度も何度も。マサキの蕾を押し広げたシュウの男性器は、その最奥で静かに、けれども確かな存在感で熱を迸らせた――……。

 マサキは目を開いた。
 自分を包んでいる柔らかい感触がベッドのものだと気付くまでには、暫くの時間が必要だった。
 やけに生々しい夢を見てしまった……ゆっくりと身体を起こしたマサキは、虚実入り混じった夢が夢だったことに安堵しながらも、身体の奥に巣食っている欲望にリアリティを感じずにいられなかった。
 考えたこともなかった関係性。よもや現実のシュウがそんなことを考えているとは思わなかったものの、さりとて見てしまった夢とそれに対する自分の身体の反応は、これから先、意識をせずに彼と向き合うことが難しいことを、マサキに感じさせるのに充分で。
 ――ああ、くそ。何で俺がこんな気持ちにならなきゃならないんだよ……
 そう思いながらも正直な反応を示している身体に、マサキは手を伸ばさずにはいられなかった。切なげに鎌首をもたげている男性器。いつもなら真っ先に手が伸びる先に、けれどもマサキは触れもせず。膝を立てて脚を開くと、そっとその下にある蕾へと指を這わせていった。
 そうして、ゆっくりと指を差し入れた。
 思ったよりも簡単に二本もの指を飲み込んだ蕾を、マサキは夢を思い返しながら様々に嬲った。口付けられて、愛撫を受けて、貫かれて……その背徳的な自慰は、マサキの気分を高揚させるに充分な効果があったようだ。よもやこれまで触ろうと思ったこともなかった部位への刺激が、こんなにも感じられるものであったとは。マサキはある種の感動を覚えながら、ひたすらに自慰に溺れた。
 擦れるだに気持ちがいい。
 ん、んん……ブランケットの端を噛みながら、そうして気が済むまで蕾を嬲り続けたマサキは、やがてどうしようもないぐらいの快感へと上り詰めてゆくと、ああ、シュウ、と声を上げて、昂り切った男性器から精液を吐き出した。
 高潮した気分が鎮まり始める。快感の余韻に浸りながら、マサキは憎々しい筈の男に思いを馳せた。
 いつか夢は現実になる日が来るのだろうか?
 じくり、と身体の芯が火照った。知ってしまった快感を繰り返したくて仕方がない。マサキはまだ抜ききっていない指を再び緩く動かし始めた。ああ、シュウ……シュウ……とその名を呼びながら。
 それが先日、偶然顔を合わせたシュウがかけた呪いの効果であると知らぬままに、マサキはシュウを想いながらの自慰に耽るようになっていくのだ――。
(了)

シュウマサは『どちらかが相手の舌を噛み切らないと出られない部屋』に入ってしまいました。
30分以内に実行してください。
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