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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

アカイイト(了)
@kyoさん20周年おめでとう記念祭

今回のリクエスト内容は「シュウマサ前提のテリウス×マサキ」となっております。

即落ち2コマでごめんなさいッ!
いやもうもっと色々やりたかったんですけど、自分の表現力的にこれが限界でしたごめんなさいッ!わたくしAVは見るけど、それだけではこういった文章を書く行為には何の役にも立たないんだな、ということを思い知りました。

今後は頑張って官能小説を読みます!

別のオチというか、最後の締めに色々考えていたんですけど、それやっちゃうとハルマゲドンが起きそうな気がしなくもなかったので、この話はここまでにしとうございます。
次回は……どうしますかねえ。一番の問題作を一番最後に回す訳にも行かないので、サフィーネ×マサキをやりたいんですけど、これどこに需要があるかって私にしかないような気がするんですよねえ。まあさっくり終わる予定の話だしいいか!10000字くらいで終われば文句ないですよね、皆様!

と、いうことでバレンタインをやる為にも頑張ります。では本文へどうぞ!
<アカイイト(了)>

 ――こいつに達《い》かされるなんで冗談じゃない。
 けれども、そんな理性は本能的な欲望の前では無力なのだ。テリウスの舌技にマサキは息も絶え絶えになりながら喘いだ。既に男性器は衣服の中ではちきれそうになっている。
「ねえ、教えてよ、マサキ。シュウはどんな風に君を抱くの?」
 まるで煽るようにマサキに言葉を投げかけてくるテリウスが憎らしくて仕方がない。それなのにその言葉に素直に劣情を煽られてしまう。
 股間の膨らみを撫でられた瞬間、マサキは自らの欲望がままならないことを悟った。
 フックを外され、ジッパーを下ろされ、そして忍んできたテリウスの手が、マサキの男性器を扱《しご》く。全身を支配する強烈な快感に、これまで蜘蛛の糸のような頼りなさで耐えていた理性が音を立てて切れた。マサキはただただ快楽に溺れた。その末に、形振《なりふ》り構わずにテリウスに懇願した。達《い》かせろ、と。
「達《い》きたいの、マサキ?」
「達《い》きたい、だから……」
 舌先での愛撫を続けながら、不慣れな手付きでテリウスがジーンズを脱がせてゆく。折れた膝に溜まったジーンズを、彼は一度身体を起こすとひと思いに剥いだ。けれども、だからといって、そのまま自らの欲望をマサキの身体に収めようとは考えないようだ。取り敢えずきつくマサキの男性器を押さえ付ける衣服を剥ぎ取っただけに留めると、テリウスは今度は丁寧にマサキの身体を舐め始めた。
「こんなに感じ易い身体だったんだね、君って」
 拘束されたままの手から爪先、腕に脚。腰回りに背中、うなじに額と、肌を露出させられるところ全てに舌を這わせて、そう囁きかけたテリウスはマサキの反応を愉しみきったのだろう。そこでようやくマサキの口唇を攫った。
 興奮が伝わってくるような荒い息。塞ぐような口付けを受けながら、マサキは自らもまた舌を動かしていた。
 どうせ一度のことなのだ。
 持て余していた欲望を解消する時間を持てなかった自分をその時間の分だけ慰めるように、マサキはテリウスの口付けに応じ続けた。似ている気がする舌を食み、似ている気がする身体の重みを感じ、似ている気がする幅の腰回りを膝で挟みながら。
「いいの、マサキ? そんな顔を僕に見せて。君がそんなだと、僕は最後までしないと気が済まなくなるんだけど」
「云ってろよ、お前。先に脅しをかけたのはそっちだろ」
「そういうところ、君、本当に可愛いよね。何だかんだで流され易い」
 マサキの言葉を肯定の意味に捉えたらしいテリウスは、そうしてマサキの両足を抱え上げた。
 びくり、とマサキの身体が震える。引き返すなら今だ、と意識の奥底で声がした。だのに切なく天を仰ぐ男性器は、マサキを解放してはくれないのだ。
 激しい渇望。どれだけの日数、自分の身体は放っておかれたままだったのだろう……。身体の奥に硬く反り返った男性器を呑み込んで、満たされたまま果てるあの瞬間の、何にも代えがたい満足感。それが欲しくて欲しくて堪らない。そう、理性を失うほどにマサキは欲しいのだ。
「本当にいいの、マサキ」
「絶対にお前が知ってることを、誰にも云わないって約束できるならな」
 揺れ動いているのはテリウスとて同様なのだ。
 雄としての本能と自分の感情、そして人間関係の柵《しがらみ》。複雑に絡み合う自分の感情を理性で御しきれないからこそ、人は時に過ちを犯す。だからマサキは言い訳に頼った。悪いのは自分ではない、とテリウスに判断を委ねた。
 暫く、そのままテリウスはマサキの様子を窺っていた。
 穏やかな気性のテリウスは、決してマサキを狡いとは思わないだろう。けれどもマサキは自身のことだ。自分がどれだけ狡い選択肢を彼に与えたかわかってしまっている。
 切なげな吐息の音《ね》だけが響く室内。その荒い息がテリウスの迷いを表している。
「ごめんね、マサキ」テリウスはおもむろに口を開いた。
 欲望とは浅ましいものだ。呆気なく意思を呑み込んで、食い荒らして去って行く。そう、テリウスは決心したのだ。それは当たり前の欲を、意地汚くとも果たすこと。
 マサキの脚の奥、双丘を割って自らの男性器をその菊座に押し当てる。はあ、と大きく息を吐き出して、マサキは身体の力を抜いた。テリウスはゆっくりと腰を進めてくる。少しずつマサキの体内へ侵入してくる男性器は、ある一点を超えたところでするりと全てが埋まった。
「凄い……ね、これは」テリウスが嗤う。
 男という生き物は、この瞬間に皆こういった表情をするのだろうか。マサキは思った。自らと行為に及ぶ時のシュウもそうだ。その怜悧な顔立ちの中に、ひときわ猛々しく自分を捉える双眸が在る。
「……シュウが君を手放さなくなる筈だ。こんな経験、止められなくなる」
「お喋りも大概にしろよ、お前」
 テリウスは肩をそびやかしてみせた。そして、「……動いていいかな?」マサキの頭に腕を回して、髪を指先で梳《す》かしながら、顔も間近に問い掛けてくる。
 好きにしろよ、とマサキは云った。

 それから、飽きが来るほど身体を重ねた。
 マサキの手首は手枷に繋がれたままだったけれども、体位を変えては、二度、三度と絶頂《オーガズム》を迎え、その都度テリウスは自らの精を放った。マサキはマサキでその全てを自分の身体で受け止めた。口で、と云われれば口で受け止めてみせたものだったし、中に出したいと云われれば身体の中で受け止めてもみせた。
 全てが終わったのは日付けも変わる頃だった。
 ようやく外された手枷にマサキは何はなくとも、と、マサキの身体の上で伏せているテリウスの頭を一発だけ小突いた。
「殴られないだけ感謝しろよ」
「口は堅いから安心しなよ」
「当たり前だ。そんなのほいほい云って歩かれて堪るか」
 マサキは宙に掲げた自らの手首を見上げた。手枷の跡がくっきりと痣になって残っている。きっとそれだけでは済んでいないだろう。全身を這い回ったテリウスの口唇は、そこかしこに朱《あか》い印をのこしているに違いない。マサキは、はあ、と溜息を洩らす。これでは暫くシュウには会えそうにない。
 それを聞き咎めたのだろう。小さい声で、「後悔されても反省はしないよ、マサキ」ぽつりとテリウスが呟いた。
「お前、何でこんなことを考えた」
 きっとシュウに傾倒しているテリウスのことだ。マサキとシュウの関係を知って、頭に血が上った結果、発作的に行動を起こしたのに違いない。若しくは持ち前の好奇心をを抑えきれなかったか……。いずれにせよ、マサキに一杯食わせられたのだから、彼の目的は大いに達成されたことになる。
 けれども、テリウスはマサキの予想を裏切って、そのいずれでもない返事をしてみせた。
「今更聞くなんて君らしい。そういうことはもっと早い段階で聞くものだと思うけど」
 テリウスはあはは、と心底面白くて仕方がないといった調子で笑った。そしてマサキの髪を撫でながら、どうしようもなく愛おしげにその顔を見詰めて、「好きだからに決まってるよね」と言い放った。
<了>


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