アフタークリストフ!(四回目)
今年も残りあと四日とか嘘でしょ!?(吃驚)でも年内に終わって良かったです。自数無制限のメリットを使い切ったお話になりました。最後に残ってしまった謎については、来年のクリスマスにきっと明かされることと思います。なので、来年もどうぞ宜しくお願いします!(*´∀`*)
この話はこれで終わりますが、これから今年中に最後の宿題を終わらせるべく頑張る予定です。ラストスパートですよ!そして新年はすっきりした気持ちで予定している話を書くのですよ!
と、いうことで、ここまでお付き合い有難うございました。これにて2020年のクリスマスは終了です。では、本文へどうぞ!
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<遠い或る日のクリスマス>
マサキが安宿を探すべく、城下町の大通りに再び姿を現して程なく。突然に吹き付けた強風がその身体を嬲ったかと思うと、次の瞬間、視界がぐにゃりと歪んだ。滲み薄れてゆくラングラン城下町の風景にマサキはきつく目を閉じ、風が止むのを待ってそうっと瞼を開く。
行くのも一瞬なら、帰るも一瞬だった。精霊界に残されたサイバスターの操縦席に数時間ぶりに身体を収めたマサキは、待ちくたびれた様子の二匹の使い魔とともに精霊界を後にした。
神殿でその帰りをウエンディとともに待ち構えていた神官イブンは、「納得のゆく結果を出せたようじゃな。あれだけ騒いでいた精霊たちが静かになりおった」マサキの表情を見ると、にこりともせずに云ってのけた。
「あれでよかったのかね」
「精霊たちが落ち着いたということは、よかったのじゃろう」
「クリスマスをやってきただけなんだけどな」
「それでいいということなのよ。お帰りなさい、マサキ」
ジャケットの内ポケットの中にある財布。そこに残されている旧いラングランの貨幣がなければ、精霊界で幻を見ただけだと思いそうになってしまう|非現実的な出来事《タイムトラベル》。風の精霊サイフィスの導きによって、戦火で失われる前のラングラン城下町に向かい、九歳のシュウとクリスマスを過ごしたなど当の本人以外には話せそうにない御伽噺《おとぎばなし》だ。
「まあ、いいか。世話になったな、ばあさん。それにウエンディも」
「世話になっていると感じるのじゃったら、次回は茶菓子ぐらい持ってくるんじゃな」
イブンに短く礼を述べて、ウエンディを自宅に送り届けたマサキは、年明けて直ぐの再訪を悩みもしたものの、結局そのままシュウの元に向かうことにした。シュウが口にしなければきっと行くことのなかった過去のラングラン。きちんと九歳のシュウに託された言葉を伝えたことも報告すべきなのだろう。そう感じたからだ。
「あなたと過ごした子供の頃のクリスマスの日の記憶の量が増えているのですよ」
クリスマスから年末までマサキが長居をしてしまった分、何やかれやとすべきことに追い立てられているのではないかと思われたシュウは、過去に行った報告をしたら帰ろうと決めていたマサキを家に上げると、書庫から古びた一冊の本を持ち出してきた。マサキからすればつい先程の出来事。九歳のシュウに買い与えたグレーベンの旅立ちの奇跡だ。
「思い出したんじゃないのか?」
「そうなのでしょうかね。それにしては突然に湧いて出てきたかのような記憶の数なのですが」
「もしかしたら、サイフィスが何かしたのかもな。神殿に行ったらイブン婆さんに数日前から精霊たちが騒いでるって云われたんだよ。過去に行って戻ってきたら収まったみたいでさ」
「先に云っておきますが、私は何もしていませんよ」
「流石にお前がサイフィスの意思までどうこう出来るなんて思っちゃいねえよ。で、ちゃんと持ってたんだな。グレーベンの旅立ちの奇跡」
ソファに座ってその本の表紙を開くシュウの隣にマサキは腰を下ろした。「なんとはなしに捨て難くて残していただけの本だったのですが、あなたから頂いた物だったとは」懐かしそうな眼差しで頁を進めるシュウの横顔をマサキは眺める。
きっと何度も読み返した本なのだろう。頁の端に残る小さい手指の跡がそれを物語る。マサキは物は試しとその中身に目を落としてみるも、案の定と云うべきか。入門書と九歳のシュウが評した本の割には、内容がさっぱり理解できない。
「やっぱり俺には何が書いてあるかわからねえ」マサキがそう呟くと、「もし知りたかったら、時間が取れた時にでもゆっくり教えて差し上げますよ。少しは人に教えるのも上手くなったと思いますしね」シュウは本に挟まっていた栞を挟み直して、その表紙を閉じた。
「いや、いい。何日かかるかわかりゃしねえしな」
「勿体ない。聖書に造詣があるようにも思えたのに」
どうやらシュウの記憶が増えているというのは本当らしい。しかもその記憶は相当に細かいものであるようだ。二十年近く昔の記憶とは思えないほどに、あれもこれもと矢継ぎ早に口にしてくる。
「ねえよ。あれはテュッティたちとヤンロンの論争の受け売りなんだよ。ヤンロンは儒教だろ。神だの神の子だのより、孔子や老子、孟子だからさ。昔は良くテュッティたちに突っ込んでたんだよ。最近はそこまで煩くなくなったけどな」
「祈りをラテン語で唱えてみせたのも?」
「あれはラテン語なのか。食事前に唱える連中が何人かいるからな。何度も聞いてりゃ嫌でも覚えちまう。まあ、神やら精霊やらが実際に存在しているラ・ギアスで何を云うかって話なんだけどさ」
「地上人たちが多国籍ならではの知識なのですね。勿体ないと感じる気持ちはまだありますけれど、あなたの考えは理解出来ましたよ、マサキ」
そこから、レストランの食事に土産に貰ったクリスマス菓子。観覧車に乗ったときのことと話が流れ、気付けばシュウの思い出話は一時間以上にも及んでいた。
もしかすると、シュウ自身は湧いてきた記憶の数々に、途惑うというよりも興奮しているのかも知れなかった。そう、マサキにとってはさっきまでの出来事でも、シュウにとっては十数年ぶりに蘇った記憶。ましてや、彼の中では記憶違いと処理されるようになってしまった記憶なのだ。それが現実であった奇跡! しかも風の精霊サイフィスによって仕組まれた!
それは恵みを与えられた当人からすれば、興奮に値する出来事であることだろう。
風の精霊サイフィスが何を思ってシュウに恵みを与えようと思ったのか、結局の所定かにならないままだけれども、シュウの嬉しそうな様子を見ていると、そんなことは小さなことのように思えてならない。
「私がサイバスターを手に入れることに拘ったのは、きっとあなたから聞かされていた魔装機神のイメージがあったからなのでしょうね。公共の交通機関とは異なる自由な翼。世界を自在に駆けるパートナーとして、魔装機神以上の存在はない。そんな風にあの頃の私には思えたものです」
「食べものだったり、観覧車だったり、魔装機だったりと忙しいな」まるで子供のように次から次へと言葉を紡ぎ続けるシュウに、マサキは苦笑しながら口を挟んだ。「それにしても、お前、俺のことをどう感じたのかを一言も言わねえのな。案外、気に食わないって感じてたりしてな」
その瞬間、マサキの頭にシュウの手が触れた。先程とは逆だ。指先がマサキの髪の毛を弄ぶ。髪を梳くように撫でられて、その心地よさにマサキは目を細めた。
「一目惚れだと云ったら?」
その手が頬に降りてくる。よく云う。そう云おうとしたマサキの顔が仰がされると同時に、口唇が塞がれる。何度か重ねられる口唇。啄むような口付けは、時間の経過とともに、深く口唇を重ねる激しいものへと変わった。
「昔は下品だなんだ散々云ってくれやがった癖に」
「それがあなたの可愛いところでしょう」
その勢いに任せるように、シュウの手によってマサキの身体がソファに横たえられる。直後に伸し掛ってくるシュウの体の重みが、たった数日の空白だったのにも関わらず、マサキにはとてつもなく懐かしくて、そしてとてつもなく快いものに感じられる。
「お前、時々、本当に口が上手くなるよな」
マサキは笑いながら、愛おしそうに自分を見下ろしているシュウの頭を引き寄せると、その口唇にそっと口付けた。口付けの下で、マサキの服の下に偲んでくる手。マサキは新しい年を迎えて初めてのシュウの愛撫に、そうして黙って身を委ねた。
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