忍者ブログ

あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

堕落の夜(前)
前から云っていたシュウマサ前提のサフィーネ×マサキです。
逆に非ずなので読むのに注意してください。何でも許せる人向けです。



<堕落の夜>

 何が彼女をしてこういった所業に駆り立てたのか、マサキはその理由に思い当たる節がなかった訳ではなかったけれども、それでもまさかという思いは拭えなかった。
 酒に誘われたのだ。
 ――あっらぁ、男でしょう。もっとイケるんじゃないの?
 飲み終わっては注がれ、注がれては飲めと押し切られる。あっという間に進む酒は、マサキから呆気なく意識を奪ってしまった。
 もしかすると、注がれた酒の中に何かの薬が入っていたのかもしれない。
 若しくは魔術か。
 いずれにせよ、意識を取り戻したマサキは、自分が裸でベッドに拘束されている状態であることに気付いて戦慄した。ベッドの脚から伸びている細めの鎖。無論、鎖が直接手足に繋がれている訳ではない。革製の手枷と足枷。マサキの手足を覆っているバンドに、鎖の先端が嵌め込まれている。
 ――逃げなければ。
 嗜虐と被虐の趣味を併せ持つ彼女に捕らわれたのは明白だった。
 奔放な彼女は性に纏わる噂も数多い。何でも云うことを聞くペットが何人もいるだの、一晩に十人を相手にしたこともあるだの……だからこその戦慄。これから何が起こるのかの予測を立てたマサキは、即座に彼女が戻ってくる前にこの場から去るべきだとの結論に達した。
 数多のスポーツを経験していることも勿論だが、戦争で敵方に捕らえられた経験も多いマサキである。ましてや剣聖。身体能力にはかなりの自信を持っていたし、この程度の拘束であれば自ら解いて逃げ出したこともそれなりにある。
 だのに、である。
 手は勿論のこと、足にも腕にも全く力が入らない。
 手が上手く使えなければ、解けるものも解けなくなる。それでも悪足掻きと暫く藻掻いてみたマサキだったが、酒が残っているのだろう。どうにも疲労が先に立つ。ならば諦めるしかない。マサキは大人しくベッドに寝そべった。どうしてこうした状況に陥っているのかがわからない以上、無駄に頑張って体力を消耗するのは得策ではなかったし、そうである以上、体力は温存しておいた方が吉だ。
 腹を括れば余裕が生まれる。
 マサキは周囲を見渡した。空き家の一室でもあるのだろうか。がらんとした室内にはベッド以外の家具はなかった。
 広さは八畳程度。マサキの頭側に窓があるが、厚いカーテンで覆われている為、時刻はわからない。
 壁紙を剥がした跡が残る壁が殺風景度合いを増しているが、床は清掃してあるようだ。ゴミらしいゴミもない部屋。右手側の扉からマサキをこの場に監禁した張本人が姿を現したのは、マサキが室内の状況を確認してから数分が経過したと思われる頃だった。
「起きたのね、ボーヤ」
 サフィーネ=グレイス。またの名を紅蓮のサフィーネ。赤いロングヘアーと煽情的なボディラインが特徴的な彼女は、居酒屋でのいでたちとは異なる黒いボンテージスーツを身に纏って姿を現した。
 手足には皮のロンググローブとサイハイブーツ。紙袋と一脚の椅子を片手にしている彼女は、ヒールの音も高らかにベッド上のマサキに近付いてくると、「どう、気分は」と尋ねてきた。
「目が覚めてこの状態で気分がいい奴はそういないだろ」
「こういう扱いを悦ぶ男も多いのよ」
 嫣然と笑ってみせたサフィーネが椅子をベッド脇に置く。紙袋を手にベッドに上がってきた彼女は、俎板の鯉ってこういう状態よね。などと口にしながら、マサキの腿の間に居場所を定めると、紙袋の中から吸盤らしきものを取り出してきた。
「何だよ、それは」
「さあ、何でしょう?」うふふと笑ったサフィーネが、ふたつの吸盤を手に身を乗り出してくる。「私が色々直接しちゃうと、後でシュウ様にバレた時が怖いからねえ。だからボーヤにはこれで愉しんでもらおうと思ったワケ」
 人差し指と親指で輪を作ったぐらいの直径。ドーム状の吸盤をマサキの乳首に被せてきたサフィーネが、上部の袋を抓む。
 乳輪ごと、乳首が吸い上げられる感触。直後、吸盤の中に乳首が飛び出してくる。
 マサキは抵抗せずにいた。
 身体に力が入らないのは勿論のことであったが、たかだか吸盤である。ただ吸われるだけであれば耐えられる。そう判断したマサキは様子を窺うことにした。如何に如才ない女狐であっても、どこかでは隙を見せる筈だ。そう信じて。
「余裕ねえ、ボーヤ。でもその余裕もいつまで保つかしら?」
 直後、サフィーネが指を鳴らす。と、吸盤上部の袋の内部から、粘度の高い液体が垂れてきた――かと思うと、乳首を包んで伸びた液体が収縮を始めた。な。マサキは身を竦めた。シュウに躾けられた身体が反応したのだ。
 シュウとマサキの関係はかれこれ数年に及んでいた。
 当初のサフィーネには、その組み合わせが想像出来なかったようだ。マサキとシュウの間に肉体的な関係があることを隠しておくことは容易だった。だが、一年もすると女の勘が働いたようだ。シュウの自宅の整い具合などから彼に恋人がいること気付いた彼女は、程なくしてそれがマサキであることを突き止めたのだという。
 ――シュウ様もシュウ様よねえ。こんなクソ餓鬼のどこがいいのやら。
 一方的に愚痴を聞かされる酒の席だった。だから、なのか。マサキは悶えながら、サフィーネに視線を送った。
「ちょ……と、待て……これは、何だ……」
「スライムよぅ。わかるでしょ」
「何、考えて……るんだよ、お前……」
 乳首を中心にもぞもぞと動き回る小型のスライム。よくよく見れば確かに核がある。あ。小さく喘ぎ声を上げたマサキは腰を浮かせた。舌にも似た粘度が、呆気なく身体を滾らせてゆく。
「何を考えってって、ちょっとした仕返しに決まってるじゃないの」
 今更何を聞くのかといった口振り。シュウを取られたことに対して、表面上は受け入れた様子であったサフィーネだが、腹の内は違ったのだろう。ゆっくりと勃《た》ち上がり始めたマサキの男性器《ペニス》に目を落とすと、うっふと笑う。
「随分と躾けられたみたいね、シュウ様に」
「巫山戯ろ、よ……お前……シュウがこのことを、知っ、たら……」
「だからちゃんと云ってるじゃないの。シュウ様にバレたら後が怖いからこうしてるって」
 云うなり、サフィーネが紙袋の中から三ツ輪のリングを取り出してくる。
 流石のマサキであっても、即座にそれが何であるかはわかった。わかったからこそやめろと力なく口にしてみるも、業腹な彼女がその程度で止まる筈もない。三ツ輪のリングが男性器《ペニス》に通される。陰茎と陰嚢の根元を同時に締め上げられたマサキは、乳首への刺激を受けて硬さを増してゆく男性器《ペニス》に呻き声を上げずにいられなかった。
「簡単に達《い》かれちゃ面白くないものねえ。いっぱい愉しませてあげるわよ、ボーヤ」
 サフィーネの瞳に妖しい光が揺らめいている。
 マサキはその光に覚えがあった。
 シュウがマサキを抱く際に良くしてみせる表情。見付けた獲物を逃さないという捕食者の眼差しは、シュウだからこそ気分を高揚させるものだ。愛のない女にまで情欲を覚えはしない。これから先に待ち受けている自身の命運を覚ったマサキは、どうにか手枷を外せないかと藻掻いた。
 シュウ以外の人間に犯されたくない。
 それは性的なパートナーを持つ人間だからこその本能的な忌避感だった。逃げなければ犯られる。危機感に全力で手枷を外しにかかるも、相変わらず身体にはまともな力が入らない。腕を振るどころか、指を手に折り込むのが精一杯だ。
「ダメよ、ボーヤ。おいたをしちゃ。お仕置きがきつくなるわよ?」
 サフィーネがまた指を鳴らした。どうやらサフィーネによって躾けられているようだ。狭い吸盤の中でぬちゃりぬちゃりと蠢いていたスライムが、よりいっそう激しく乳首に絡み付いてくる。
「あっ、あ……んん……ッ」マサキ歯を食いしばった。
 自尊心の高いマサキは、感情的な半面、自らの弱さを他人に晒すのを嫌う傾向がある。それをサフィーネはわかっているのだろう。ふふんと鼻を鳴らすと、その態度もいつまで続くかしら。と、紙袋の中から新たなアイテムを取り出してみせた。
 革製の局部用ボンテージ――と思しきアイテムの股間には、シリコン製の|男性器《ペニス》が据えられている。
 それをベッド脇に立って装着するサフィーネ。一般の男性からすれば、なめかましくも淫猥な光景だが、性行為《セックス》の相手をシュウに定めているマサキからすれば、恐怖心を煽る光景でしかない。「沢山、可愛がってあげるわよ、ボーヤ」ベッドに戻ってきたサフィーネが、マサキの膝を持ち上げた。何もせずともマサキの菊座《アナル》が男性器《ペニス》を受け入れられると知っているのだろう。迷うことなくシリコンの先端を菊座《アナル》にあてがってくる。
「大抵の男はね、ここが好きなのよ」
 ずるり――と挿入《はい》り込んできたシリコンが、先端を浅い位置に定める。ややあってゆっくりと腰を振り始めたサフィーネに、あっ、あっ。マサキは喉に溜めて堪えていた声を、溢れ出させずにいられなかった。
「ふふ……沢山、シュウ様に可愛がってもらったのねえ。ちょっと前立腺を叩かれただけで、もうこんなになっちゃって」
「違、う、あっ、ああっ」
 爪で亀頭の先端を弾かれたマサキは仰け反った。
 挿入されただけで男性器《ペニス》を極限まで漲らせてしまった自分。羞恥に顔が赤く染まるも、逃げ場を持たないマサキは遠からず痴態を晒すことになる。絶望感に苛まれながらも、マサキは全身の力を抜いた。体力が戻らない今、マサキに出来ることはひとつだけだ。
 この状況を受け入れる。
 勿論、ただ受け入れるのではない。速やかにサフィーネを満足させることによって、解放の時間を早めてもらうのだ。
 占有欲の強いシュウがこの事実を知ったらどう反応するかが怖くもあったが、マサキが自身の受けるダメージを最小限にする方法はこれしかない。方針を固めたマサキは快感に身を委ねた。小気味いい律動《リズム》で、菊座《アナル》の尤も快い部分を叩いてくるサフィーネ。女にしておくのが惜しいぐらいには腰遣いが上手い。
 割り切ってしまえば気も楽になる。乳首への刺激も、菊座《アナル》への刺激も、相手がサフィーネだと思わなければ気持ちいい。
 ――はっ、あんっ、あっ、あん……
 裏返った声で鳴くマサキに、サフィーネが満足げな笑みを浮かべた。陶酔しきった表情は、マサキが我が手に堕ちたと確信しているようだ。まるで女の子みたいじゃないの。彼女はそう耳元に囁きかけてくると、マサキの男性器《ペニス》を握り込んでくる。そして、既に雫を垂らしている尿道口を親指で摩りながら、「達《い》きたいの?」と尋ねてきた。
 マサキはこくりと頷いた。
 幾度となくシュウと肛門性交《アナルセックス》に及んできたマサキの身体は敏感に仕上がっていた。男性器《ペニス》は云うに及ばず、乳首に菊座《アナル》。内股に脇下、首筋だって鎖骨だってそうだ。もっと云えば足の指でさえ快感を覚えることが出来る。
 早く。マサキはサフィーネに懇願した。怒りに満ちた彼女の妄念から解放されたいのは勿論だったが、それ以上に締め上げられる男性器《ペニス》の窮屈さから逃れたかった。
「そうやってシュウ様にもおねだりするのかしら?」
 けれどもそうしたマサキの態度は、サフィーネの怒りを煽ってしまったのかも知れなかった。
 ぐい。と、菊座《アナル》の奥へと押し込まれるシリコン。シュウの男性器《ペニス》の形を覚え込んだ直腸がうねり上がった。敢えてサフィーネが同サイズのものを見繕ったに違いない。シリコン製のペニスはシュウを想起させる太さに作られている。
 ――ああぅ……っん……はぁっ……
 押し込まれては引かれ、引かれては押し込まれる。抽送を繰り返す張り型の男性器《ペニス》は、だがマサキに止め処ない快感を呼び覚ました。その快感に正直に喘ぎ続ける。と、嗜虐心が騒いだのだろう。いい子ねえ。と、妖艶な笑みを浮かべたサフィーネが、マサキの手首を戒めている手枷を外しにかかった。
 外しても問題ないと思ったようだ。
 好機の到来にマサキの胸はさんざめいたが、いざベッドから逃れ出ようとしても足に上手く力が入らない。相変わらずな身体の状態に失望を覚えるも、考えようによってはシュウに対する云い訳が立つ状況だ。マサキは次いで上半身を起こしにかかったサフィーネに従った。シリコン製の男性器《ペニス》を腹の中に収めたまま、彼女の腹の上に騎《の》り上がる。
「ご褒美よ、ボーヤ。イっていいわよ」
 マサキの手に指を絡めてきたサフィーネが、腰を激しく上下に振り始める。あっあっ。マサキは喘ぎ乱れた。深く嵌まり込んだシリコンが、小刻みな振動を繰り返している。その都度、陰嚢の裏側に感じるもどかしさ。出したい。マサキはサフィーネの手を強く掴んで、腰を前後に振った。
 突き上げられては前へ、引き抜かれては後ろへ。シリコン製の亀頭が前立腺を擦り上げるように、位置を調節する。
「いやらしい腰遣いねえ。どれだけシュウ様の上で腰を振ったのかしら、もう……」
 またサフィーネが指を鳴らす。
 吸盤の中のスライムの動きが、スピードを増した。あっ、ああっ。マサキは顔を伏せた。逃げたいといった思いはもうどうでもいい。ただ、達《い》きたい。本能的な性欲で頭の中がいっぱいになったマサキは、より腰を激しく振った。イカせて、くれ。掠れた声で鳴きながら、ひたすらに腰を振り続けた。
「いいわよ、ボーヤ。ほら、ほら、イっちゃいなさい!」
 腰を宙に浮かせて小さな振動を加えてくるサフィーネに、マサキの身体は快感で満たされた。あっ、あっ、イク。イク。先端から切なげに汁を垂らしている男性器《ペニス》が、次の瞬間、ひときわ大きな快感を感じるとともにぶるりと震えた。
 アアッ。マサキは膝を浮かせて腰を跳ねさせた。
 ずるりとシリコンが菊座《アナル》から抜け出ると同時に飛び散る飛沫。サフィーネの身体に精液をぶちまけたマサキは、身体を仰け反らせたまま。ぐったりとベッドの中に身体を沈めていった。





PR

コメント