リハビリの一環として、ガチャを引いて出たお題を書こうと思いました。
お題:裸なんて何度も見せ合った後なのに、未だに風呂に一緒に入ると風呂桶の隅で縮こまるマサキを見て、堂々としていればいいものをそんな態度を取るのは逆効果なのになと欲情するシュウ。
甘々になると思うでしょう。私もそうしたかったんですけど……ということで本文へどうぞ。
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お題:裸なんて何度も見せ合った後なのに、未だに風呂に一緒に入ると風呂桶の隅で縮こまるマサキを見て、堂々としていればいいものをそんな態度を取るのは逆効果なのになと欲情するシュウ。
甘々になると思うでしょう。私もそうしたかったんですけど……ということで本文へどうぞ。
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<側に来て>
顔を合わせれば場所を問わず拙速に身体を重ねる仲ではあったものの、性行為の終わりがふたりの時間の終わりとばかりにその場を立ち去ってしまうマサキは、戦局に関わる重要な用件がない限り、シュウの個人的な空間に足を踏み入れてくるような真似はしなかった。
ある種ドライで、ある種臆病。
大胆不敵に戦場を駆け回る魔装機神サイバスターの操者は、プライベートにおいては時にノミの心臓のような卑小さをみせたものだ。義妹の扱いにしてもそうだ。彼は最愛の家族を失いたくないと思っているからこそ、彼女が進んで戦争に身を投じるのを許さなかった。
一度こうと決めたら頑なにそれを貫き通す。シュウの個人的な空間に彼が足を踏み入れてこないのも、きっとそういった卑小な警戒心からくるものであるのだろう。
正義の旗印たる風の魔装機神。それがかつてのこととはいえ、敵であった男と性的に通じているとなれば、地上人蔑視の風潮に汚染されたラングラン議会が黙ってはいまい。だからこその警戒心。そういったマサキの心情をシュウは理解しているつもりだ。
それでも偶には癪に障ることがある。
巨大な戦艦の格納庫の片隅で、或いは野営地にほど近い森の中で――と、シュウはマサキと様々な場所で肌を合わせてきた。その大半は人気を感じながらの性行為だったものの、快楽を追い求めるマサキにとっては些細な障害でしかなかったようだ。それもその筈。僅かな時間を縫うようにして行われる秘め事では、必ずしも落ち着いた場所を選べるとは限らない。多忙な日々を送るマサキが相手とあっては、人目を憚るようにして性行為に及ぶ頻度が高くなるのも仕方がないことだ。
これではマサキが野外での性行為に慣れをみせてしまうのも已む無しだ。とはいえ、それを納得してしまっているようなマサキの態度に、どうしてシュウが物を思わずにいられようか。
シュウはマサキをより手懐けたかったのだ。そう、味方だ仲間だといった絆がなくとも進んでシュウの許を訪れ、性行為を|希《こいねが》ってくれるまでに。だからこそ、シュウは珍しくも落ち着いて及べていた行為の最中に、私の家に来ませんか――と、マサキに誘いの言葉を投げたのだ。
※ ※ ※
気紛れにも、別にいいけどとシュウの誘いに応じてみせたマサキを居所へと連れ帰り、先に浴室に向かわせたシュウは、その後を追うようにして自らもまた浴室へと足を踏み入れた。どうやら彼はシュウともに風呂を済ませることになるとは思っていなかったようだ。シュウの姿を目にするなり、浴室の壁が背に付くまでに身体を退いてみせた彼は、お前も入るのかよ。と、どことなく気拙そうな表情で口にしたものだ。
※ ※ ※
気紛れにも、別にいいけどとシュウの誘いに応じてみせたマサキを居所へと連れ帰り、先に浴室に向かわせたシュウは、その後を追うようにして自らもまた浴室へと足を踏み入れた。どうやら彼はシュウともに風呂を済ませることになるとは思っていなかったようだ。シュウの姿を目にするなり、浴室の壁が背に付くまでに身体を退いてみせた彼は、お前も入るのかよ。と、どことなく気拙そうな表情で口にしたものだ。
それを当然と受け流して、シュウはマサキにシャワーを浴びせた。
背中を洗い流し、洗い放しの髪を梳いてやる。そうしたスキンシップを経て、そろそろマサキもこの状況にも慣れてきてくれるかと思いきや、逆に居心地の悪さを感じさせてしまったようだ。シュウとまともに目を合わせようとしないマサキは、さんざ性行為を済ませてきた後とは思えぬほどにしおらしく。仕方なしにシュウが先に浴槽に浸かっているように云えば、どうした心境からくる行動であったものか。広いバスタブの端に膝を立てて収まる始末。
可笑しいこと他ない。
だからシュウは自らがシャワーを浴び終えた後に、浴槽に身体を収めながら訊ねたのだ。どうしてそんなに端にいるの、マサキ。それに対して、マサキは云われて当然の台詞を聞かされるとは思っていなかったのだろう。シュウの言葉にぱっと頬を朱に染め上げると、だって、お前こんなの。と、口にしたきり黙り込んでしまった。
このままでは話が続かないと、シュウはバスタブの中で膝を抱えているマサキの手を取って自らの胸へと引き寄せた。何が不満? 抱え上げた頭に頬を寄せながら再度訊ねる。いや、だって。それ以上を口にするのは憚られるようだ。再び口を噤んでしまったマサキにシュウは淫靡に囁きかけた。だったら話をしたくなるようにしてあげましょうか――と。
「あ、馬鹿……」
行為の途中でここまで足を運んでいることもあってか、既にマサキの男性器は充分な昂りをみせていた。その熱い肉の塊をシュウは時間をかけて嬲った。陰茎を扱き、亀頭を擦り、陰嚢を揉み……それまで気恥ずかしさばかりを伝えてきたマサキの表情が、徐々に快楽に溶け出す。あ、ああ。出る。やがて声を上げ出したマサキに、シュウは手の動きを止めてから、「続きは先程のあなたの言葉の続きを聞いてからですよ」
「お前……この、悪党……ッ」
「こんなの、何? そこが私は聞きたいのですよ、マサキ」
「……大したことじゃねえよ」
「それを決めるのは私ですよ、マサキ。ほら、云わないと達かせてあげませんよ」
シュウはマサキの足を開かせると、腿の合間で緊縮している蕾へと自らの男性器を飲み込ませていった。その刺激は彼の欲望を存分に煽ったようだ。びくり、と肩を揺らしたマサキの耳元で、教えて? 訊ねながらシュウは緩く腰を動かした。
「嫌だ……もっと、動けって……」
「ちゃんと教えてくれれば動きますよ」
「くっそ……この、野郎……大したことじゃないって、云ってるのに……」
自らの蕾を柔く犯す男性器の動きが、マサキにとってはもどかしいものに感じられるのだろう。もっとと首を振りながらねだるマサキを、シュウは極限まで焦らした。深く男性器で突かれるのが好きらしいマサキにとって、菊座の浅い所を擦る男性器の動きは限りない責め苦であるようだ。どうにかしてシュウの男性器を奥に収めようと自ら腰を振ってみせるも、それを容易く成し遂げさせるほどシュウは愚鈍ではない。
「……みたいだって、思ったんだよ……ッ」
やがて観念した様子でマサキが声を上げた。けれども肝心な部分が聞き取れない。もう一度、とシュウは声をかけてやりながら、マサキの腰を掴んで奥へと男性器を捻じ込む。その刺激に耐え切れなかったのだろう。恋人――と、マサキが悲鳴に近い声を上げた。
嗚呼、彼は自分との時間をそうしたものとして認識したのだ。
シュウはそこからひたすらにマサキを犯した。バスタブの中で、シャワーの下で、そして洗面台の前で。羞恥に顔を歪ませているマサキの痴態を鏡に映しながら、繰り返しシュウは欲望を果たした。
嫌だ、とはマサキは云わなかった。
彼はいずれシュウの望む関係に辿り着いてくれることだろう。何度目の絶頂に床に沈んだマサキの身体を見下ろしながら、残酷な支配欲が満たされてゆくのを感じ取ったシュウは、ひっそりと――嘲笑《わら》った。
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