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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

夢の頂(5-後)
このシリーズも進めますよ!!!!

正直、エロ三連発で皆様食傷気味になっているんじゃないかと思われますが、エロは心の精神安定剤!あり過ぎて困ることはない!私はそう信じています!!!!笑

と、いったところで傭兵マサキ最終回。
本文へどうぞ!
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<夢の頂>

 彼はマサキの脚を持ち上げると、腿の裏側を腕で抑え込みながら、まだ硬く閉ざされた蕾に例の媚薬を塗り付けてきた。そうしてマサキに構えさせる暇を与えることなく、ゆるりと指を挿し入れてくる。先ずは馴染ませないとね。蕾の中で彼の節ばった指が蠢いた。
「無理、だろ……そんな……」
 媚薬を少し指に取っては、蕾の中へと。ほぐすように塗り込んでくる男に、次第にマサキの息は上がっていった。時間が経てば経っただけ、熱を帯びてゆく陰部。ほんの五分もしない内に、菊座《アナル》が熱く感じられてどうしようもなくなった。
 濡れた蕾が淫猥な音を立てて、抽迭を繰り返す男の指を飲み込んでゆく。
 時折、男が曲げた指の腹で、マサキの肚の底にあるしこりを押し込む。その都度、瞬間的に男性器を襲う滲み出るような快感……マサキは混乱した。初めての経験ばかりを強いられている身体が、その行為に容易に馴染んでいくのが怖ろしく感じられて仕方がない。
「前立腺ですよ。ここを弄られると、それだけで射精に至れることもあるのだとか」
 伝聞調で語って聞かせてくる辺り、どうやら男自身も、そうした行為に臨むのは初めてであるらしかった。
 初めてであるのなら、何故、男はこうも的確にマサキの性感帯を刺激してみせるのか。混乱甚だしいマサキは、徐々に高まりを見せつつある自身の身体に、つい口を吐いて出そうになる声を押し殺すのが精一杯だった。
 途惑いを上回るほどの快感。男の指は変わらずに緩く、マサキの菊座を犯し続けている。それは不敗の|渡り鳥《マグトリー》にとっては、これ以上となく屈辱的なシチュエーションだった。体調不良を抱えているとはいえ、不埒な振る舞いに及んでいる男を跳ね除けることも出来ず、ただその愛撫に身を任せるしかない。だというのに、それが例えようもなく気持ちがいい。
「ふふ……随分、楽しんでいただけているようですね」
 いつしか再びはちきれんばかりに膨れ上がった男性器に目を落とした男が、酷薄にも感じられる笑みを浮かべてみせた。最早、ただ指を出し入れされるだけでも快感が走る。さざ波のように身体を打つ快感に、マサキは目を細めて天井を見上げていた。はあっ、ああ……緩んだ口元から洩れ出る喘ぎ声。男の指の動きに呼応して、室内に響く。
「どうです、マサキ。ここを弄られるのも、あなたは気に入ってくれたようですし、私たちに力を貸してはくれませんか? そうしたらもっとあなたを気持ち良くしてあげますよ。この程度の快感など快感の内にも入らないと思うぐらいにね」
「巫山戯、ろ……誰が、そんな交換条件を、飲むかよ……っ」
 言葉を吐くだに胸が跳ねてどうしようもない。とうに力の抜けきった下半身は、男の指を深く咥え込んで手放そうとしない。本当に正直な身体だ。クックと嗤い声を放った男が、ずるり――と、マサキの菊座から指を抜き取った。
 そうしてマサキの膝裏を取る。
 彼はそのままマサキの脚を抱え込むと、自身のスラックスのファスナーを下ろしてゆく。私も愉しませてもらいますよ、マサキ。男の指でほぐされて、緩く口を開くまでになったマサキの蕾に押し当たる熱くも硬い肉の塊。マサキはいやいやと首を振った。さすがにそれは――、叶えられる気がしない。
「やめろ、やめ、無理だって。そんな、の、入るか――」
 ずるりと頭を潜らせてきた男性器の感触に、マサキは声を引き攣らせて仰け反った。指を出し入れされるのとはまた異なった感触に、蕾が歓喜の声を上げる。痺れるような快感。何が起こっているかなどマサキに理解出来る筈がない。
「ほら、マサキ。挿入《いれ》ますよ。私を奥まで飲み込んで」
 更に男が腰を進めてくる。マサキの困惑を余所に、呆気なくもずぶずぶと埋まってゆく男性器。それがぴたりとマサキの菊座に嵌まり込むと同時に、マサキの背中を快感が駆け抜けた。アッ、ああっ。マサキは繋がれている鎖を掴んだ。腰から下が訳のわからない快感に支配されている。
「ああ、いいですよ、マサキ。この温み。最高ですよ」
 果たしてそれは、男が用いた媚薬の所為であったのか。
 それともそれがマサキ自身の性であったのか。
 マサキにはわからない。ただ、男が動き始めると、マサキの理性は弾け飛んだ。自慰など比べ物にならない快感。他人によって陰部を刺激されるのはこれほどまでの快感を呼び起こすのだ。あ、あ。自然と口を吐く喘ぎ声は止むことを知らず、マサキを巨大な欲望の渦へと叩き落してゆく。
「どうです、マサキ。どこを突かれるのか気持ちいい? 云ってくれれば応えますよ、ほら。云って、マサキ。どこが気持ちいいの?」
 引き抜かれて楽になったと感じては、即座に痺れるような快感に晒される。その繰り返しが、マサキの正気を削いだ。そこ、そこ。マサキはあられもなく男の男性器を求める声を上げた。そこを突いて。前立腺を亀頭が掠める度に、陰嚢から陰茎まで刺し貫かれるような快感が走る。
 いつしか瞳の際に溜まった涙が、零れ落ちた。
 それでも男の動きは収まることがない。耐え難い責め苦にマサキは辺り憚らぬ声を上げた。尿道から込み上げてくるものを感じる。自我を保つこともままならない快感が、やがて意識を吹き飛ばすほどの波となってマサキを浚った。ああ、ああ、ああっ。悲鳴にも似た嬌声。男に刺し貫かれたまま、マサキは男性器に溜まっていたものを全て解き放っていた。

 ※ ※ ※

「ご無事の御帰還、お待ちしておりました。渡り鳥《マグトリー》」
 手入れをする者の手が足りなくなったことで枯れた庭園。所々に在りし日の面影を残すこととなった王宮の前庭にマサキが足を踏み入れると、王宮を警備している兵士たちが銃剣を捧げて出迎えてくる。
「殿下が首を長くしてお待ちしております。どうぞ、中に」
 先導する兵士に続いて前庭を抜け、王宮内部に足を踏み入れる。迷路のような通路を進んで行き、中庭に右手に渡り廊下を歩んで行けば彼の部屋がある。自室を作戦指令室として開放している男は、その中で幹部級の兵士を相手に次なる作戦の立案に励んでいるところだったようだ。
「よく来ましたね、渡り鳥《マグトリー》」
 マサキの登場に、兵士たちは頃合いと感じたのだろう。男に休憩を取ることを進言すると、ひとりまたひとりと部屋を去ってゆく。既に男とマサキの関係は公然と秘密となっているようだ。それもそうだ。作戦を終えて帰還すれば即座に呼び付けられる。そしてマサキが姿を現わすなり、兵士たちを中座させる。
 幾度も人払いされることで、兵士たちも覚ったのだろう。男とマサキが何かしらの秘密を共有するような関係であることを。
「流石は百戦錬磨の英雄。どれだけ無謀に思える作戦でも、正確に遂行してみせる」
「そういう話をする為に呼んだのかよ」
 決して快楽に屈したのではなかった。
 確かにマサキは、あの後も繰り返し男と身体の関係を持った。コロニーに辿り着くまでの間、彼と性行為《セックス》をした回数は数えきれない。けれどもそれで終わりにするつもりでいた。後のことはマサキの与り知らぬこと。男は男の道を歩み、マサキはマサキの道を歩む――それだけの筈だった。
 コロニーに辿り着いたマサキは、早速と情報収集を始めた。テレビに新聞、雑誌。時にはまだ戦火が及ばぬ街で、地元民に話を聞くこともあった。けれども、そうして生の声を集めてゆく内に、マサキは現実のコロニーの状況が外に伝えられているものとはかけ離れていることに気付かされた。議会が強いる過度な税収に苦しむ民衆。あの男の云う通りになるのは癪に触ったが、傭兵風情にも矜持はある。マサキはマサキの正義を行使する為に王立軍に与することを決めた。
 マサキの王立軍の傭兵団への参加は直ぐに男の耳に入ったようだ。程なくして、直接王宮に呼び立てられたマサキは男と再会し、今に至る。
「こういう話をされるのは不満ですか」
 いけ好かない笑い顔。含むところが過分にある微笑みは、マサキの望みが何であるか男自身気付いているからなのだろう。
「その無謀な作戦をきちんと成功させてやったんだ。褒美ぐらい寄越せよ」
 そう、マサキは男との性行為《セックス》にすっかり囚われてしまっていた。狂ったように肌を合わせた戦艦での日々。どれだけマサキはあの男の手で絶頂に導かれたか。
「どういった褒美が望みですか」
 マサキに手を差し伸べながら訊ねてくる男に、マサキもまた手を伸ばす。
「そんなのわかってるだろ」吐き捨てるように呟く。
「そんなに性行為《セックス》が気に入ったなら、他の相手を見付ければいいものを」
 嫌味混じりの言葉に、巫山戯ろよ。マサキは男の手を取って、その口唇を求めながら、お前がいいんだよ。余裕に満ちた笑みを浮かべている男に向けて、愛の言葉を囁いた。


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