やぱ開発って浪漫だと思うんですよ。
無垢だった身体を自分色に染めるという行為!だからエロい!
これ以上の浪漫がどこにあったものか!
でも私が書くとなんだかなー……
無垢だった身体を自分色に染めるという行為!だからエロい!
これ以上の浪漫がどこにあったものか!
でも私が書くとなんだかなー……
<安藤正樹の開発日記>
(三)
最初は指一本だった。
最初は指一本だった。
粘度のある|潤滑油《ローション》をたっぷりと双丘の谷間に垂らされて、後孔の内部にじっくりと塗り込めるようにゆっくりと動いたシュウの指。骨ばった感触が出入りを繰り返す度、ぞくりぞくりと背なを快感が駆け上がった。
時間を掛けて馴染ませるつもりでいつからだろう。マサキが自分の指を挿入した時とは明らかに異なる感覚。ようやっとの解放を得て就いた帰途で僅かに痛みを感じはしたが、ベッドに潜り込む頃にはそれも止んでいた。
それを繰り返すこと三度。
どうも彼の中で三という数字は区切りを露わすものであるようだ。彼がマサキの後孔に指を挿し入れるようになってから十日。迎えた四度目の『訓練』でベッドにマサキを四つ足で這わせた彼は、じっくりと時間を掛けてマサキの後孔を|潤滑油《ローション》で潤わせると、触られずして頭を上げている男性器に手を這わせてきながらもう一本、指をマサキの蕾の中に潜り込ませてきた。
「どう? マサキ」
ひだを寄せて口を窄めている蕾を開かせるように円を描き始めた二本の指。自慰で弄った時には気付かなかったことだったが、マサキは後孔の入り口に性感帯があるようだ。縁をなぞられるだに、何とも表現し難い感覚が全身に広がってゆく。
「だい、じょうぶ……」
後孔を弄られながら達することに慣れつつある身体が、覚えた快感を求めて欲望を渦巻かせている。
マサキはシーツの波に肘を潜らせた。握り締めた手に頬を乗せて、早く。と、二本の指で蕾を押し広げているシュウに訴えた。
精液を溜め込んだ陰嚢の奥が熱を帯びている。彼の指が円を描く度、それがじわりじわりとマサキの男性器を浸してゆく。達したいのに、達せない。熱く滾った男性器を爆発させるのには足りない快感。マサキの我慢は限界を迎えそうだった
「気持ちいい?」
「まあまあ……」
乳首を責め立てられるのや全身を舐られるのに比べれば、小さな波。まあまあね。と、嗤ったシュウがマサキの腰を抱え込む。
直後、ぐるりと視界が回った。シュウに力任せに返された身体をベッドに沈めたマサキは、力の抜けきった脚をシュウが大きく開かせるのをぼんやりと眺めていた。
「なら、もっと気持ちいいと感じるようにしましょう」
シュウが何をどうするつもりなのかマサキにはわからなかったが、これまでもマサキを快楽に落とし込んできた彼のすることだ。きっと、自分は彼の思うがままに身体を作り替えられてしまうのだろう……マサキは理性が緩んで思考が回らなくなった脳の片隅でそんなことを思いながら、再びシュウの指が蕾を犯してゆくのを大人しく受け入れていた。
三日と開けずに弄られ続けているからか。力の抜き方もわかってきた。
腹の力を緩めて、息を楽にする。と、ずるり――と、蕾の奥にシュウの指が押し入ってきた。深い。そうマサキが感じた矢先だった。肚の中で彼の指が微かに曲がる感覚が伝わってきた。ここでちゃんと|達《い》けるようにならないとね。そう言葉を吐いたシュウの愉悦を滲ませた笑み。何だか落ち着かない。マサキはごくりと喉に溜まった唾を飲み込んだ。
今のシュウにとって、『訓練』の為に身体を投げ出しているマサキは、自らが溜め込んだ知識を実践する相手でもあった。どこで彼がこうした性的な知識を仕入れてきたか、マサキは尋ねたことはなかったが、彼がしている表情が読書や研究に没頭している際に見せるのと同じであるものだということには直ぐ気づいた。
端正な彼の面差しは変わらぬものであったが、その中で目だけが浮いているように映る。研究対象を愛でている時と同じだ。そうマサキが感じた瞬間だった。シュウの指の腹が、マサキの肚の中にある硬い何かに触れた。
それと同時に陰嚢の裏側を快感が叩く。
ああっ――と、口を衝く喘ぎ声。あっ、あ。マサキは続けて喘いだ。
指の腹で肚の中を擦られる度に、男性器に突き抜けるような快感が走る。意識せずとも腰が宙に浮く。シーツを掻くように爪先を立てながら、あっ、はぁっ。マサキは突然荒々しさを増した快感に身悶えた。
縁を擦られるのも確かに気持ち良かったが、それに遥かに勝る。
より深く、より強く。更なる快感を求めてマサキは腰を振った。いよいよはちきれんばかりとなった男性器の中で、溜め込まれた精液が出口を求めて暴れ回っている。
「|達《い》きたい……も、|達《い》きたい……シュウ……」
形振り構わず声を上げてよがるマサキの姿に、シュウとしてもその限界を感じ取ったのだろう。
「いいですよ。ほら、|達《い》って、マサキ」
そう口にして身を屈めたシュウの口唇が、おもむろにマサキの乳首を包み込んだ。
乳首を吸い上げられる度に尿道を快感が貫く。やだ、それやだ。マサキは反射的にシュウの髪を掴んでいた。そうして、彼の顔を胸から引き剥がそうと藻掻いたが、どうしてか。彼の頭はぴくりとも動かない。
乳首と後孔。どちらか一方だけへの愛撫だけでもどうにかなりそうなのに、二点を同時に責められている。その、被虐的なシチュエーションにマサキの胸は躍った。しかし同時にそうした状況に慣らされてゆくことが怖くて堪らない。
いつか日常に還れなくなる日がくるのではないだろうか。
殆ど本能的に抵抗だった。けれども、少しもすると、マサキはそれが儚い試みだったことを思い知ってしまった。
駆け巡る快感。身体が急激に宙に引き上げられてゆく。
「シュウ。シュウ。やだ、イク。出る。アッ、ああッ」
焦らされ続けた身体は、もうずっと行き場のない欲望の吐き出し口を求めていた。
マサキは理性を手放した。
背中を弓なりに反らし、両脚を突っ張る。そうしてひたすらに、泣き喘ぐ。どうしようもなく気持ちがいい――シュウの愛撫を受け入れたマサキは、その強烈な快楽の数々に視界を滲ませながら、よりいっそう強く自分を浚う波の訪れを待った。
駆け上がり続ける快感。脳の中に光が差し込む。
何が起きているのかなど、最早わかりようもなかった。ただ肌に感じるシュウの熱だけが、現実との確かな縁だった。
――アア、アア、アアッ……!
徐々に輝きを増してゆく光にその瞬間が近くなったことを感じる。マサキは身体をしならせてシュウの愛撫に応えた。貪欲に快楽を貪るマサキを彼がどう感じているのかはわからなかったが、愛撫が止まないということは好ましさを覚えているのだろう。
心と身体を支配する強烈な快感が、マサキの世界の全てとなる。イク、イクイク……! そうして、悲鳴に近い嬌声を上げた瞬間、ぱしゅっ、とマサキの身体の中で飛沫が上がるような音がした。
――ア、アアアアァ……ッ!
痺れるような|絶頂《オーガズム》。精液を撒き散らしながら、マサキは達した。
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