今年最後の更新をシュウマサにしようとしたら、どう頑張っても年内では終わらないことに気付きました!
続きを書くかはわかりません!
というかRを書くのが目的だったのに、そこに辿り着くまでの道程が長過ぎました!ただエロにするんだった!!!!!くっそう!!!!
そんなお話ですが、よければ読んでね☆
ではでは良いお年を!!!
続きを書くかはわかりません!
というかRを書くのが目的だったのに、そこに辿り着くまでの道程が長過ぎました!ただエロにするんだった!!!!!くっそう!!!!
そんなお話ですが、よければ読んでね☆
ではでは良いお年を!!!
<捻れた欲望>
ドン、ドドンッ――と、乱暴なノック音が玄関から響いてきた。
シュウの迷惑など顧みていないに違いない。扉が軋むほどの大音量。シュウの独り家を訪れる人間には限りがあったが、こんな傲慢な訪れ方をする人間はひとりだけだ。見ずしても誰かわかる来訪者に、仕方なしにシュウは読み耽っていた書物を閉じた。
「チカ」
「わかってますよう。もう。もう少し静かに来てくれてもいいものを」
主人の呼びかけの意図を察したチカが、肩から舞い上がる。ぶつぶつと文句を口にしながら、窓の隙間より外に飛び出していった彼を見送ったシュウは、そこでようやく来訪者を迎え入れようとリビングのソファより立ち上がった。
ドン、ドン、ドン。
リビングから玄関へと。まだ激しく音を立てている扉の前に立ったシュウは、念の為にとドアスコープを覗き込んだ。
敵の多い生活を送っているシュウの許には、稀に思いがけない来客が訪れる。暗殺者に刺客。命を狙ってくる輩に事欠かないシュウは、魔法で何重にもコーティングしている自宅であろうと、用心を欠かしはしなかった。
けれども、今回に限っては、それは要らぬ心配であったようだ。
スコープの向こう側に広がる狭い世界。シュウの目に飛び込んできたのは、色鮮やかなボトルグリーンだった。
ドン、ドン、ドン。
扉を叩く腕の動きに合わせて揺れる髪。アイスブルーのジャケットにかかる艶やかな煌めきは、シュウの予想が当たっていたことを示していた。仕様のない人だ。シュウは溜息にも似た息を吐き出しつつ扉を開いた。
「遅い。何分待たせるつもりなんだ」
白く筋引く三白眼。眼光鋭く睨み付けてくる青年は、風の魔装機神が操者。マサキ=アンドーだ。
「気安く他人を家を上げられるほど、平和な日常を送ってはいませんので」
返事も待たずに玄関から屋内へと足を進めていくマサキの後を追いながら、シュウはリビングに入った。口にした台詞の半分は、シュウの都合を構わない|狼藉者《マサキ》への皮肉だ。それに気付いたのだろう。不機嫌さらさらな表情がシュウを振り返る。
「邪魔だってなら帰るぜ」
「人の都合も聞かずに上がり込んでおいて良く云いますね」
「大した用じゃねえしな」
その割には切羽詰まった表情でいる――微かな焦りが感じ取れる険しい表情。目の下にうっすらと隈が浮かんでいる。相変わらず、任務だ何だと自分を酷使しているようだ。
ならば、それ相応の理由であるのだろう。マサキの気持ちを汲み取ったシュウは、来訪の意図を尋ねた。
「内容如何によっては付き合いましょう。どういった用件です」
刹那、マサキの表情が変化する。感情豊かな青年にしては、驚く程の無表情。真顔でシュウの顔を見詰めてきたマサキは、かかとを上げてシュウの首に腕を回してきながら、セックス。と呟いた。
「それだけ?」
息がかかるぐらいに近くにある顔が、悪いかよ。と、口唇を尖らせる。いいえ。シュウはうっすらと口元に笑みを浮かべた。
マサキの風が渦を巻いたような来訪は、今に始まったことではなかった。これまでも度々、マサキは性行為のみを目的として、シュウの許を訪れている。その都度、シュウはそのマサキの望みを叶えてやってきた。愛しい|男《ひと》の本能的な欲求が自分に向けられているのだ。それを諭して帰してやれるほど、シュウの人間は出来ていない。
「本当にいけ好かない顔だな……」
口で云うほど嫌ってはいないのだろう。その言葉を云い終えると同時に、マサキが口唇を重ねてくる。
直後に口内に挿し込まれた彼の舌が、狂ったようにシュウの舌に絡み付いてくる。ここまでの道のりは彼にとってさぞもどかしく、そして遠いものであっただろう。直ぐに息を荒くしたマサキを強く掻き抱きながら、シュウは久方ぶりの彼の口唇を存分に味わった。
自棄を起こしているようにも感じられるマサキの発作的な行動だったが、彼曰く、特に理由らしき理由はないようだ。純粋に本能的な欲求に耐えられなくなっただけ。夜になると、お前とのセックスを思い出して仕方ねえんだよ。或る日、シュウの許を訪れた際にマサキが吐き捨てた言葉。それは、彼のままならない感情を余すところなく表していた。
それはそうだ。シュウは胸の内で哄笑した。
正面切っての告白が無価値なものとなるのが耐え難かったシュウは、搦め手に走ることとした。先ずは彼を自分に慣れさせる。徐々に距離を詰めてゆき、やがて訪れる好機を我がものとするのだ。計画の成功を信じて疑わなかったシュウは、辛抱強くマサキと付き合いを重ねていった。
シュウからの偶のスキンシップをマサキが許容するようになるには、かなりの時間が必要だった。
そこから更に待つこと半年ほど。シュウを傍に寝こけるようになったマサキを、シュウは遠慮なく抱いた。
抵抗はされたが、それは意外にも僅かなものだった。それを訝しみはしたものの、据え膳食わぬは男の恥じという。すんなりと身を投げ出したマサキを、シュウは容赦なく快楽の渦に叩き込んだ。マサキが泣いて止めてくれと懇願してくるまで。
後からマサキに訊いたところによると、シュウの潤沢で質のいいプラーナは、マサキにかなりの酩酊感を覚えさせたようだ。訳わかんねえくらい酔うんだよ、お前のプラーナ。そう云って頭を掻いた彼は、だからといって特段にシュウを警戒するようなこともなく。
シュウは二度、三度とマサキを抱いた。
繰り返されるセックスは、彼の心と身体にどういった変化を齎したのだろう。息せきってシュウの許に駆けこんでくるくらいに快楽の虜となったマサキ。彼が身体を許すのは、果たして自分ひとりであるのだろうか――未だ、自らの想いを告げていないシュウは、どうやって自らの計画を成就させるか考えあぐねていた。
「……――で、お前。俺の用件に付き合う気、あるのかよ」
ゆっくりと剥がれたマサキの口唇の端に滲み出ている唾液。それを口唇で吸い取ってやりながら、勿論――と、シュウは囁くように言葉を返した。
「どこでしたいですか、マサキ。ここで? それともベッドルームがいい?」
意思の強さが漲る瞳が、欲望に煽られて揺らめいている。薄く開いた口唇から、吐き出される切なげな吐息。もう一秒たりとも待てないといった扇情的な表情を浮かべているマサキが、どっちでも。と、言葉を吐く。
今日はどう可愛がろうか……淫らなこれからの時間に思いを馳せつつ、シュウはマサキにベッドルームに向かうようと告げた。
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