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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

欲に溺れた魔術師(1)
自らの誕生日プレゼントにと打った一点の曇りもないシュウマサエロです。
さっくりと終わり、そして続きます。

「シュウマサ「のみ」で複数プレイ」という狂ったコンセプトの元にお送りする作品ですので、覚悟の上でお読みください。久しぶりにエロはギャグという持論を補強する作品を作ってしまいましたが、世は満足である!!!笑
<欲に溺れた魔術師>

一.ある安宿での記憶

 任務で赴いた地方都市で|安宿《モーテル》に今晩の|褥《しとね》を定めたマサキは、街のレストランで夕食を軽く済ませると、長距離の移動で疲れ切った身体を休めるべくベッドに収まった。
 二匹の使い魔はサイバスターの番をさせる為に、|巡航形態《サイバード》の機内に残したままだ。
 そもそも|安宿《モーテル》とあっては、完璧な満足を得られるようなサービスは期待出来ないのが当たり前。隣の部屋のテレビの音が筒抜けになるような客室ではあったものの、少しでも環境が変わると好奇心を剥き出しにする彼らがいないだけでも大分賑やかさが違う。いつもと比べれば静かな室内。穏やかな環境に、マサキは早くも眠りに落ちていった。
 疲れ切った脳は夢を記憶することもなく、暗い闇の中に意識を彷徨わせ続けていた。その穏やかな眠りが妨げられたのは、深い眠りが続いた果て。そろそろ夢の波が訪れようという頃になってからだった。身体に感じる他人の手の感触。|安宿《モーテル》は時に思いがけない闖入者を招き入れることがある。もしかすると強盗かも知れない。マサキは相手に気取られないように薄く目を開いた。
 暗がりの中に人の姿はない。
 気の所為だったか。そう思ったマサキが再び目を閉じようとした刹那、ひやりとした感触が胸の上を這った。ぞくりと背筋に走る怖気。気の所為ではない。それが証拠に、次の瞬間|そ《・》|れ《・》はマサキの身体を覆っているブランケットを剥いでみせたではないか。
 人の姿のないこの客室には|何《・》|か《・》|が《・》いる。人生初となる経験にマサキは咄嗟に部屋から逃げだそうと試みるも、手足が動かない。目に見える光景とは裏腹に、何かがマサキの手足をベッドに押さえ付けているようだ。それに気付いた次の瞬間、マサキの胸の上を這い回っていた手がシャツ捲り上げてきた。うっ……マサキは小さく声を上げた。冷えた外気に肌が晒されたかと思うと、それよりは幾分温かい指を思わせる感触が乳首をなぞった。
「や……やめ……」
 明確な意思を持ってマサキの身体に触れている何かは、マサキの抵抗を無視すると、両の乳首を指で抓むようにしてゆっくりと嬲り始めた。やめろ。やめろって……こんな姿を他人に見られたくはない。けれどもこのまま得体の知れない何かに犯されるのも耐え難い。マサキは隣の部屋に聞こえぬように、小声で拒否の意思を言葉にし続けた。
 それでも止むことのない愛撫に、嫌だ、やめろ……マサキの声は次第に力を失っていった。撫でられては、摩られる。そうして抓まれては、引っ張られる。ゆるゆると乳首に触れてくる見えない指の動きは、次第にマサキの身体をその刺激へと馴染ませていった。
 やがて、ひく、とマサキの身体が震えた。次いで、あっ。と、マサキの口唇から甘ったるい声が洩れた。無条件で受け入れたくはないものの、快感を覚えてしまっている身体。その反応に満足したのだろうか? 何かはようやく乳首から指を離してみせると、そのままマサキに息吐く暇を与えることなく、今度は濡れた塊を乳首に押し当ててきた
 ああっ。静かに吹きかかる息からして、どうやらそれは舌であるようだった。やだ、やだ……首を振るマサキの乳首を何かは丹念に舐った。舌先で転がしてみせては、口唇で吸い上げてくる。んっ。マサキは口唇を噛み締めて、暗がりの中、肌を白く浮かび上がらせながらじりじりと滲み出てくる快感に耐えた。
 いつしか足を押さえ込んでいた手はその拘束を解いていたようだ。腿を伝い上がってくる手が、ひと思いにマサキの下着を脱がせにかかる。巫山戯る、な……脚を使って抵抗しようにも、手首を押さえ込まれている身体では出来る動きに限りがある。次第にずり落ちてゆく下着に、やがて男性器が露わとなった。見、るな。マサキは呻くように声を上げた。天を仰ぐばかりとなった男性器は、マサキが今どういった状態にあるのかを如実に表していた。
 嫌で堪らない筈なのに、得体の知れない何かの愛撫に気分を高められてしまっている自分。そのマサキの張りに満ちた男性器の感触を確かめるように、どちらのものかわからない手が触れてくる。と、同時に空いている乳首を別の舌が舐り始めた。
 ―――アー……ッ!
 力の抜けたマサキの身体から、彼らはいとも容易く下着を剥ぎ取った。するりと、脚の合間に滑り込んでくる手が双丘の谷間へと指を忍ばせてゆく。や、だ。やめ、そこはやだ。右に左に身体を振って藻掻くマサキの抵抗も何のその。手足に腰と彼らは三人三様にマサキの身体の動きをその手で封じてくると、ゆっくりと……閉ざされた蕾の奥へと指を挿し入れてきた。
 ずるりと根元まで埋まった感のある指が、マサキの未熟な蕾を犯し始める。抜き差しを繰り返したかと思うと、指の腹を押し込んでくる。その都度、陰茎の底に感じる鈍い快感。陰嚢の中に止め処なく精液が流れ込んでゆくような感覚が生じた。
 ひっ……と引き攣った声が上がる。動きを封じられたマサキは、乳首に男性器、そしてアナルと、一度に複数の性感帯を責め立ててくる彼らの愛撫に身を委ねるしかない。
 ―――あっ、はあっ、あ、ん、ああっ……。
 肌をしっとりと濡らす汗。ぬめった男性器は吐き出しきれぬ欲望を溢れ出させていた。いつしか喘ぎ声ばかりが口を吐くようになったマサキの快楽に従順な反応は、彼らの欲望を極限まで煽り立てたようだ。不意に全ての愛撫から身体が解放されたかと思うと、そのままベッドに伏せさせられる。抵抗する間もない。その内のひとりがマサキの腰を抱え上げた。次いで口を緩くした蕾に押し当てられる熱い塊。その先に何が待っているかわからないマサキではなかった。
「やだ、待て。待てって。|挿入《いれ》るな」
 ずるりと蕾の中へと押し入ってきた男性器と思しき肉の塊に、マサキは喉を引き攣らせて喘いだ。あ、あ、あ。あっという間に全てを飲み込んだアナルが小刻みに痙攣する。や、だ。そのマサキの腰を引きながらベッドから降りた何かは、マサキを床の上に立たせると、緩やかに男性器を抜き差しし始めた。ひ、ん……。思いがけない声が出るのも無理もない。その股間ではマサキの男性器をもうひとりの何かが咥え込んでいた。
 ―――あぅ、あっ。やだ、やめ……あっ、ぅん……
 その喘ぎ声を飲み込むように、三人目の何かがマサキの口唇を塞いでくる。頭半分は高い背丈。どちらかと云えば痩せ型の体躯であるらしい。彼の思ったよりも厚みのある舌を深く口腔内に受け入れながら、はっ、あ、ん……マサキは逃れられない快楽に理性の皮を一枚ずつ脱ぎ捨てていった。
「あっ、ん。イク……イク、出る……!」
 そうして本能が赴くまま。マサキは彼らに与えられる快楽の数々を貪り尽くしていった。腰を引き上げられては、彼の男性器をアナルの奥まで受け入れ、顎を掴み上げられては、彼の舌を喉元近くまで受け入れた。そうして自らの男性器を舐る滑った舌の感触に、幾度となく腰を震わせたマサキは、だらしのない声を放ちながらついに|絶頂《オーガズム》に至った。
 ―――まだですよ、マサキ。
 気だるくも甘い|刻《とき》。快感の余韻に浸るマサキを揺り起こすように、突如として耳に響いてきた声にマサキは目を瞠らずにいられなかった。嘘だろ。そう口にしようにも、間を置かずに突き上げられては引き攣った声しか出せはしない。
 耳に馴染みのある声の持ち主は、いつだってマサキを目にしては、時に強烈に嫌味や皮肉を口にしてきたものだ。それがどうした術を用いたものか、姿を消して自分との性行為に及んでいる。そんな馬鹿な。マサキは滲む視界の向こう側を目を凝らして窺った。けれどもそこには、暗く染まった|安宿《モーテル》の部屋が広がっているだけだった。

 ※ ※ ※
 ふふ……と嗤いながら、革張りの椅子から身体を起こした主人に、チカはようやくお目覚めですかとひと声かけると、ふわりとその肩にとまってみせながら、それまでの鬱憤を晴らすかのように一気呵成と捲し立てた。
「いやー、気が気じゃなかったですよ。幾ら自宅とはいえ、無防備にも身体を抜け殻にしているんですからね。何か起こったらあたくしひとりじゃどうにも出来ませんし、ハラハラしっ放しでしたよ。で、ご主人様? アストラル体を分割して再統合する試みは成功したのですかね?」
 それに頷きながら立ち上がったシュウは、足元に展開していた魔方陣を打ち消してから、思った以上の効果でしたよ。それは愉しげに呟いて、書斎を後とした。そうしてグランゾンに乗り込むべく家を出る道すがら、先程まで弄んだ肉体の感触を思い起こした。その瞬間、硬く閉ざされた蕾の中に精を吐き出したばかりの男性器が強く疼く。
 きっと今頃のマサキは、ベッドから起き上がるのも難儀な状態にあることだろう。
 同性との|性行為《セックス》を知らない身体に、先ずは少しばかりその感触を馴染ませるだけのつもりだったが、思いがけず感じ易い身体をしていたマサキの反応に歯止めが利かなくなった。次はどうやって彼を悦ばせようか。シュウはグランゾンの操縦席に身を収めると、気の向くまま。火照った身体と気持ちを鎮めるように、ラングランの大地にグランゾンを|疾《はし》らせていった。


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