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あおいほし

日々の雑文や、書きかけなどpixivに置けないものを。

DARKNESS MIND(3)
この話の終わりがどこにあるかというと、私が書きたいエロシーンを全部書き終えたところにございます。結構書いた気がするんですけど、SMOOPYのいつもの段組でまだ34Pめ!70Pぐらいまでは伸ばしたいところでありますが、さて。
 
躾けられるというより、勝手に深みに嵌っていっているマサキの図。
相変わらずのただエロっぷりですので、そういうのがお好きな方だけどうぞ。
<DARKNESS MIND>

「壊すな、と言われてもね」兵士が出て行くなり、クック……とマサキの耳元で不快な笑い声が響いた。「私があなたに話せることは少ない。だからといって、他愛のない会話をして時間を潰すのもつまらないでしょう。私たちの仲間になりますか、マサキ? そうしたらもう少し、優しい扱いをして差し上げてもいいですよ」
「ふざけろ……誰が、お前らなんかに与するかよ……」
「身体はこんなに素直にいうことを利くというのに、強情なことです。でもその虚勢もいつまで張り続けられることでしょう。あなたの身体が欲望に弱いことを私は良く知っているというのに」
「心までくれてやるほど落ちぶれちゃいないんだよ、俺は」
「でしたら、やり方を変えましょうか。ほら、可愛がってあげますから、自分で脱ぎなさい、マサキ。暫く、あなたに服は必要ないでしょう?」
 少しは抵抗してみせた方がいいのだろうか。マサキは悩んだ。服の上から弄《まさぐ》る手に与えられる快感に、すっかりマサキの身体は親しんでしまっていた。しかも、敵軍の兵士たちに快感に震える姿を晒すといったとんでもない状況に置かれているにも関わらず、その羞恥的な状況さえもマサキの身体の中で燻っている情欲を煽って止まないのだ。
(どうしたらいいんだ、シュウ……)
(好きに振る舞えばいいのですよ。ただ、時間を稼いでいる状況だということだけは忘れないでください。私はあなたにきちんと躾けて差し上げると言ったでしょう? 言った以上、すべきことはちゃんとこなさせていただきます。嫌なら抵抗すればいい。但し、私は手加減しませんよ。仲間の命がかかっているのですからね)
 目の前がぼんやりと滲んだ。どちらのシュウの言葉にしても、マサキの身体がシュウの手によって玩具にされ続けることだけは変わらないのだ。その現実に、激しく身体が疼いた。一瞬にして自分でも明瞭りとわかるほどに、男性自身が硬さを増す。マサキは焦った。
 自分の身体と思考が自分のものではなくなってゆく。そこまで自分の身体はシュウに慣らされてしまったのだろうか? だったら抵抗してやる。その方が時間稼ぎになるだろう。マサキはシュウにしがみついたまま言った。
「だったら、脱がせろよ。自分で脱いでみせるなんて、そんな真似は」
「脱がなければ、脱がせるまでですよ、マサキ。忘れてはいないでしょう? その首輪がある限り、あなたは私の言うことを聞き続けなければならないのですよ。外して欲しくとも、然り」
「そういうことでもあるのかよ。汚ねえことを考えやがって」
 シュウが確りとマサキの腰を支えている。マサキは一枚、また一枚と服を脱いだ。とはいえ、下はこの体勢では脱げない。「手、離せよ」鎖骨を舐《ねぶ》るシュウの舌に息を荒げながらマサキが言えば、その手が首に回される。このままの体勢で脱げということらしい。マサキはジーンズと下着を自ら脱いだ。
 首筋を、鎖骨を、肩口をシュウの舌が這う。時折、軽く吸い上げては、また舐る。これがこんな状態でなければ、日常のものとして、安穏とマサキはその行為に没頭し続けられていられるのに。
「お前、本当に俺を可愛がる気があるのかよ……」
「そうそう、その調子ですよ。少しは可愛いことを言ってくれるようになりましたね。それにしても、充分に可愛がって差し上げているのに、そう感じてもらえないのは残念な限りですよ、マサキ。まあ、この状態では、それも仕方のないことと言えますが」
 股間を撫でられて、マサキは俯いた。腰を浮かせたまま、シュウの髪に顔を埋める。嗅ぎ慣れた麝香《ムスク》の香り……ゆっくりと扱《しご》かれて、マサキは何度か声を上げた。絡みつく指先が、ただ触れるだけの動きをみせることがある。その緩急付いた手の動きに、より強い刺激を求めてマサキは腰を振った。
「いいのでしょう、マサキ? 口ばかりですよね、あなたは。こんなに欲求に忠実な動きをしてみせながら。駄目ですよ。ほら、腰を振るのを止めなさい。そんなに簡単に達《い》かれては面白味がない」
「だって……お前、こんなの……耐え……」そこでマサキは言葉を切った。
 迂闊にもふたりきりでの性行為と同じように、気軽な言葉を吐きつつある自分。この特異な環境に、自分が慣れを感じるのが早過ぎる。マサキは頭《かぶり》を振った。
 いや、でも。そして考え直す。室内に盗聴器があるのは間違いない。だったらその方が、彼らが様子を窺いに来るのを防げるのではないか。
 躊躇いながらも、マサキは何度か口付けをねだってみせた。
 愉しそうに笑ってみせるシュウの口唇が、その都度マサキの口唇に触れる。
 それでも、あの兵士はまた様子を窺いに来るのだろうか? 考えて、マサキは背筋を震わせた。そのときの自分の狂態を想像する。それを彼は何ら感慨のない瞳で見詰めるに違いない……そして自分は、その視線に例えようのない羞恥を感じながら、更にシュウの手で……そこまで考えた瞬間、びくん、と腰が跳ねた。
「ふふふ……何を考えたのでしょうね、マサキ?」
 手を濡らしたマサキの精液を舐めとって、その心を見透かすようにシュウは獰猛に笑った。
「別に、何かを考えた訳じゃねえよ」
「考えたのでしょう? それとも、このぐらいの刺激で達《い》くほどに、この環境がお気に召したのでしょうかね。いつ他人に見られるかわからない環境が。どちらでしょうね、マサキ?」
 それはどちらもマサキにとっては同じ意味なのだ。マサキは動揺した。衆人環視の中での性行為を屈辱的と感じながらも、激しい快感も覚えてしまっている自分。知らない自分が顔を覗かせつつあるのは、元からの性質なのか。それともあの時のシュウとの行為が関係しているのか。
(シュウ。お前、俺に、何をしやがった?)
(忘れなさいと言っただけですよ。それだけです。だからきちんと思い出せたでしょう、マサキ? それともまだ思い出せていませんか?)
(思い出せてはいるけどな、おかしいって感じることが幾つもある)
(私はね、マサキ。私の欲望に素直に答えてくれるこのあなたの身体に、誰かが傷を付けることがあるかも知れないと考えてしまったときに、それがどうしようもなく耐え難いことに感じられてしまったのですよ。だったら、より強い欲の虜にしてしまった方がいい。そう考えた。それだけです)
 だとしたら、これはマサキの性《さが》ではなく、シュウがマサキをそうしてしまったということである。恐らく、催眠暗示。何かの折に、シュウが敵に使用しているのを、マサキは見たことがある。
 マサキは答えを求めて、あらん限りのあの時の記憶を探ろうとした。
 再び、ぼんやりとし始める脳内。そこで思考が止まる。嗚呼、まただ。マサキは思った。このことを考えようとすると、頭の働きが鈍くなる。そのままシュウにもたれ込む。身体にも上手く力が入らない。
「黙っているということはそうなのですね。何を考えたのか言ってごらんなさい、マサキ」
「嫌だ……誰が、そんなこと考えるかって……」
「ちゃんと叶えてあげますから、言いなさい。それとも、自白剤を使われたいですか?」
 そのついでに、余計なことまで吐かされては堪らない。いかに情報漏洩対策がなされているとは言っても、それなりに知ってしまっている情報もあるのだ。マサキはなるべくシュウの耳の近くで言葉を吐く。
「また、兵士が来るのかなって思ったんだよ」
「それだけですか、マサキ」
「その時に、俺は何をされてるのかなって……」
「ふふふ……それで達ったの、マサキ?」
 後は滅茶苦茶だ。身体を抱え込まれて、ベッドに連れ込まれる。足側に頭を置かされて、膝を立てさせられる。「ほら、ちゃんと見て。マサキ」ベッドの上で扇情的な格好を取らされて、シュウの貫かれている自分の姿が姿見に映っている。
 涙が滲んでいるように熱っぽい瞳に、はあはあと息を吐く薄く開かれた口唇。
 こんな顔を行為の最中の自分はしているのだ。マサキには意外だった。初めて見る自分の顔が、他人のもののように見えて仕方がない。それだのに興奮は尽きないのだ。そう、他人のもののように見えるからこそ、自分のものではないポルノを見ているような感覚がある。
 シーツに爪を立て、枕に顔を埋めて喘ぐ。「いいの?」と、聞かれては頷き、頷いては自ら腰を振った。その最中に、例の兵士が来た。彼はベッドの足元近くに立ち、マサキのあられない姿を何の感情も感じさせない瞳で見下ろし、
「壊すなと言ったのだがね」
「そこは考えているつもりですよ」
 ねえ、マサキ。耳元で問いかけられて、訳もわからずマサキは頷いた。話をしているのに腰が止まる気配が微塵もない。羞恥に顔を背けながらも、嬌声を上げるのを止められないマサキに、兵士は物思うところがあるようだ。あまり面白くなさそうな口ぶりで、彼は再びこう言った。
「物事には加減というものがある。本当に壊れてしまっては元も子もないだろう」
「とはいえ、私が使える手札《カード》は少ないのですよ。あなた方がもう少し色々と教えてくだされば、その情報を交渉の|切り札《ワイルドカード》とすることもできますけれども、今の状況ではそうもいきませんしね」
 確かに……そう兵士が呟くのが聞こえた。何事か考え込んでいる。
 僅かばかりの間。マサキの喘ぎ声だけが室内に響く。
「わかった、上と交渉しよう。着替えたら来たまえ」
 自分とシュウの性行為はあまり見ていていい光景ではないらしい。靴音を響かせながら扉の向こうに姿を消した兵士に、マサキは思った。そしてベッドに身を投げ出す。流石にここに来てから殆どずっとでは身体に堪えてくる。
「行ってきますよ、マサキ。下手な気は起こさないように。続きはまた後ほどして差し上げます」
 シュウは手早く身支度を整えると、マサキにそう囁きかけてから出て行った。
 
 
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