@kyoさん20周年おめでとう記念祭
リクエスト内容は「シュウマサ前提のフィルロード×マサキ」となっております。
恐らく、リクエストしてくださった方が思っている以上にえぐい展開になるんじゃないかと思われます。……その、ほら、これはその、@kyoさんが溢れるリビドーのままにマサキが犯され抱かれる話を書くお祭りでもあるので……と、いうことで申し訳なさを感じつつ、本文へどうぞ!
あ、まだ覚悟はしなくとも大丈夫です。
リクエスト内容は「シュウマサ前提のフィルロード×マサキ」となっております。
恐らく、リクエストしてくださった方が思っている以上にえぐい展開になるんじゃないかと思われます。……その、ほら、これはその、@kyoさんが溢れるリビドーのままにマサキが犯され抱かれる話を書くお祭りでもあるので……と、いうことで申し訳なさを感じつつ、本文へどうぞ!
あ、まだ覚悟はしなくとも大丈夫です。
<神のまにまに(3)>
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いけ好かない男だった。
初対面の印象から最悪に感じられる人間はそうはいない。何故なら、初めて会う人間に対しては、誰であれ多少は気を遣ってみせるものだからだ。けれども、あの男は……マサキは突然に開いた記憶の蓋に、戸惑いながらもそれを辿って行った。
何を考えているか理解の及ばない男。接点の少なさ故に顔を合わせるのは極稀なことであったけれども、その僅かな時間ですら警戒心を抱かずにいられなかった男。蘇った記憶の全てにその姿がある。
クリストフ=グラン=マクソード、またの名をシュウ=シラカワ。
何がどう、という訳ではなかった。あの頃のマサキの気持ちを言葉にするのは、今のマサキであっても難しい。強いて云うならその勿体ぶった、或いは核心をはぐらかす物言いか。他人を見下すように言葉を吐く、彼の態度そのものも気に障った。
当時、マサキがシュウを不快に感じるのを隠さなかったように、シュウもマサキにはあまり快い印象を抱いていなかったことを隠そうとはしていなかった。
顔を合わせればそこは年長者。しかも王族である。はっきりと不快感を露わにすることはない。けれども……静かに、穏やかにマサキに接して見せるシュウが不意に吐き出す言葉にはどこか棘があった。
マサキがラングランに召喚されてから、彼が王家から出奔するまでの短き日々の間に、マサキはシュウとふたりきりで時間をともにしたことが何度かあった。そう、目の前に群生するこの紫の薔薇のように、様々な品種の薔薇が所狭しと咲き乱れていた王宮庭園の一角。行き先に迷ったマサキは四阿《あずまや》で、顔を合わせるのも遠慮したいと思っていたシュウを見付けてしまったのだ。
それはシュウも同様だったのではないだろうか。歓迎とは言い難い表情で、読書を中断した彼はマサキにここまで足を踏み入れた理由を訊ねたものだった。そしてそれが故意ではなかったことを知ると、自らの態度に恥じるところがあったのだろう。目的地までの案内を約束し、
――そういった事情でしたら喉も乾いていることでしょう。
薔薇園からそう遠くない自らの居所へとマサキを招き入れ、茶会を開いてくれたものだ。そうして更に彼は気紛れにも、「私が暇な時にこちらに来られたら、紅茶ぐらいは御馳走しますよ」と、マサキの再訪を許可する台詞を吐いたのだ。
それが契機となって、マサキは本当に気が向いたときにシュウの居所へと足を運ぶようになった。運んでは彼の従者が用意した飲み物を一杯、そして色取り取りに並べられたプチ・ガレットを抓んで去る……彼の口から嫌味や皮肉が吐いて出るのは変わらなかったけれども、それでもその後の動乱の日々を振り返れば、不穏な空気はあれど、格段に穏やかに過ぎた日々であっただろう。
今ならマサキにはわかる。
けれどもシュウのその誘いは、決して優しさから出たものではなかったのだと。
記憶とは悪戯にその形を変えてしまうものだ。一度に噴き出した記憶に、抗えない情欲を感じながらマサキは思った。そうだ、だから俺は――……フェイルロードが囁いた台詞が呼び覚ました記憶は、マサキを強く捉えて離さない。
強烈な飢え。欲望が身体を支配する。
マサキは自らの体内から湧き上がってくる情動に突き動かされるがまま、弾かれるようにフェイルロードの胸の中、その襟元を掴んだ。
「思い出してくれたようだね、マサキ。どうだい、気分は」
「最悪、だ……」
「君はいつも口ではそうやって云ってみせる。身体は正直に快楽を求めてみせるのにね、マサキ」
フェイルロードの柔い手。剣を手に取り、戦場に赴いても、彼は正真正銘高貴の出なのだと思い知らせるような手。すらりと伸びた指先に、筋の走る手の甲。そして、白くきめの細かい肌。
魔装機の操縦で日に焼けて褐色に染まり、剣の修行で潰れたマメの跡が残るマサキの手とは大きな違いだ。
その滑らかな手が、形ばかりは優しくマサキの背中を撫でる。まるで癇癪を起した子供の興奮を鎮めるかのように。――欲しいのはそんな刺激じゃない! マサキは叫びだしたくなるのをぐっと堪えて、フェイルロードの背中に手を回した。
そして彼の背中に指を立てた。
「どうされたいんだい、マサキ」
心を見透かすような台詞を立て続けに放ってくるフェイルロードに、マサキはつま先を立てると、自らの本能に突き動かされるがままに、
「少し、黙ってくれよ……殿下……」
喘ぐように言葉を吐いたマサキは、そうして残酷なまでに穏やかな笑みを湛えているフェイルロードの口唇に自らの口唇を重ねて行った。
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