@kyoさん20周年おめでとう記念祭
リクエスト内容は「シュウマサ前提のフィルロード×マサキ」となっております。
いや今回は云いますよ!「覚悟が出来た方からどうぞ」と。ネタバレになるので何がどうなるかは申しませんが、これまでの話の流れで何となく今後の展開が察せると思います。どうぞ、ある程度の覚悟を決めてからお読みください。では本文へどうぞ!
リクエスト内容は「シュウマサ前提のフィルロード×マサキ」となっております。
いや今回は云いますよ!「覚悟が出来た方からどうぞ」と。ネタバレになるので何がどうなるかは申しませんが、これまでの話の流れで何となく今後の展開が察せると思います。どうぞ、ある程度の覚悟を決めてからお読みください。では本文へどうぞ!
<神のまにまに(4)>
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マサキが自らシュウの居所を訪ねたあの日。彼は嫌がる素振りも見せずにマサキを居所に招き入れると、その方が自分が落ち着いて過ごせるから、と自室にマサキを招き入れてくれたものだった。
マサキは彼に対する警戒心を解いてはいなかった。
それでもどこかに油断と慢心があったのだ。魔装機に選ばれし操者の自分であれば、どんな事態が起こったとしても対処しきれる……だからこそマサキはシュウの居所を訪ねた。相手がどれだけ危険な相手か見極められぬままに。
それが今以て尚マサキを縛る鎖になるとは、当時のマサキは思いもしなかった。
さっぱりとした飲み物が欲しかったマサキは、シュウが勧める紅茶ではなくオレンジジュースを希望した。急な注文にも対処できるのが王室に仕える者たちだ。待たずに出されたフレッシュジュース。搾りたてのオレンジジュースを、地上の話に興味を見せたシュウに語って聞かせてやりながら飲み干して、そろそろその居所をマサキが辞そうとしたその時だった。
眩暈がしたのだ。どうしようもなく。
立ち上がったものの一歩を踏み出せずに。テーブルに手を突いて眩暈を堪えるマサキに、シュウは焦る様子でもなく「どうしたのですか」と訊ねてきた。収まらない眩暈にマサキがそれをシュウに訴えると、彼は少し横になるようにとマサキにベッドを勧めて――、
そして身動きままならないマサキを犯したのだ。
余程、躾が行き届いていたと見える。行為の最中、彼に仕える者たちは、マサキがどれだけ声を上げてもシュウの自室に足を踏み入れてくるような真似はしてこなかった。それどころか、果たして彼らが同じ邸内に存在しているかも怪しく感じられるまでに、彼らの気配を感じることそのものがなかった。
そして身動きままならないマサキを犯したのだ。
余程、躾が行き届いていたと見える。行為の最中、彼に仕える者たちは、マサキがどれだけ声を上げてもシュウの自室に足を踏み入れてくるような真似はしてこなかった。それどころか、果たして彼らが同じ邸内に存在しているかも怪しく感じられるまでに、彼らの気配を感じることそのものがなかった。
――汚れの無い者を汚す瞬間にこそ、私は自らの生を感じられるのですよ、マサキ=アンドー。
マサキの身体に舌を這わせながら、力ない抵抗をあっさりと捻じ伏せて、シュウは独り言のように呟いていた。
「愉しませてくれますよね、この私を。ああ、安心して。私は簡単にあなたを壊すような真似はしませんよ。大丈夫、ちゃんと受け入れられるようにしてあげます……」
それは呪いだった。
男性の性器を体内に受け入れた時にだけ、絶頂を迎えることが出来るようになる。そうシュウに告げられた時、マサキは長く続いたシュウの愛撫に、いつの間にか行為に対する嫌悪感が解かれていることに気付いてしまった。
「お前、俺に何を……」
「大丈夫ですよ、マサキ。だからといって、のべつまくなし同性に発情するような真似はさせません……そうですね、これからあなたに聞かせる咒文を耳にした時だけ、その効果が発動するようにしましょう」
耳を塞ごうにもままならない身体が恨めしかった。
耳を塞ごうにもままならない身体が恨めしかった。
助けを求めて大声を発しようにも、まともに動かない口唇も。
――夜の帳の向こう側で。
そしてシュウはマサキの耳元でそう囁いて、開かせたマサキの足の奥に、どうしようもないほどに深く、自らの男性自身を挿入してきた。
――夜の帳の向こう側で。
そしてシュウはマサキの耳元でそう囁いて、開かせたマサキの足の奥に、どうしようもないほどに深く、自らの男性自身を挿入してきた。
その瞬間に感じてしまった、かつて経験したことのない快感! マサキとて年頃の少年だ。自らを慰めたことだって一度や二度ではない。自分が気持ちよく感じる部分を、繰り返した自慰行為で知っているつもりでもあった。それだのに!
「あ、やめ。あ、ああ……やだ、やめ、ろ……」
マサキの知らない声が、その喉の奥から放たれた。淫猥な響きを含んだ、鼻にかかる甘ったるい声。それはまるでアダルトビデオで見た女のように、次から次へとマサキの口を吐いて出たものだ。
「ほら、マサキ、達《い》きなさい。あなたが満足しないことには私は終われない」
それは実に愉し気な笑みだった。シュウはマサキを犯しながら、自らの快感に溺れきることなく、マサキの様子を凝《じ》っと観察しているかのように視線を真っ直ぐマサキへと注いでいた。
自らの中から湧き出てくる感情が、屈辱なのか快感なのかわからなくなる。マサキは泣いた。どうして自分がさして親交のない男に、ここまでの扱いをされなければならないのか。わからないからこそマサキは自らの感情の赴くままに泣いた、泣きながら、自ら腰を振った。
天を仰ぐ自らの男性器が、溜まった欲望を吐き出したくて仕方がないと喚いている。その焦れったいまでの快感に、それで達することはないとわかっていながらも、マサキは本能的に腰を振らずにいられなかった。
やがて、そうやがて、ひときわ大きい快感の波がマサキに襲い掛かった。
放たれる精液に、ようやく得られる解放感――、マサキはその男性器に触れられることなく、シュウの男性器を受け入れたまま絶頂《オーガズム》を迎えたのだ。
「もう二度と、ここに来るもんか……」
ベッドの上で、未だに自由にならない身体を横たえたまま、マサキは澄ました顔で身づくろいをしているシュウに聞こえよがしにそう云った。
その言葉にシュウは低く声を上げて嗤った。
「そうでしょうかね、マサキ。世の中には、自分の心であろうとも、自分では思い通りに出来ないこともありますよ。断言してもいい。あなたはきっとまた来る」
その言葉の通り、さして時間もかからぬ内に、マサキは三度、四度とシュウの元に通うようになった。
身体が突然に疼くのだ。シュウの元に通って暫くもすると、離れていても支配されているかのように、マサキの身体は欲情を訴え始める。それは自らで処理してもしきれないほどの飢えとなって、マサキの身体を延々と襲い続けるのだ。一日、二日……三日もすると切なさで頭がどうにかなりそうになる。だからマサキは足を運んでしまった。何度も、何度も、あの憎らしい男の元に。
「云ったでしょう、マサキ。あなたはきっとまた来る、とね」
それから何度シュウの元に足を運んでしまっただろう。「丁度いいところに」その日、居所を訪ねたマサキにシュウはいつもと何ら変わらぬ態度でそう声をかけると、当然のようにマサキを自室に招き入れた。
心なしか浮かれているようにも感じられた。
相変わらず何を考えているかわからないままのシュウ。けれども、普段、皮相的《シニカル》に言葉を吐き、厭世的《ペシミスティック》な眼で世界を眺めている男が、そう簡単にマサキの前で浮かれてみせたものか。マサキは自らが感じてしまった嫌な予感を打ち消せなかった。
打ち消せないままに、シュウの自室のドアを潜った。
「やあ、マサキ。偶然だね。今、丁度、君の話をしていたところだったよ」
フェイルロードが居たのだ。その部屋に。
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